見出し画像

高知横断の旅 ①とくしま好きっぷで徳島へ

高知に行ったことが無い。(あと愛媛)ということで高知を横断し、ついでに愛媛も見て回ろうと考えた。折角なので室戸岬と足摺岬を特に見て回りたい。
noteに投稿した事はないが、旅行記がてら便利な切符についても書いておきたい。というか、多分見てる人にはそっちのが役に立つだろう。

貧乏学生の強い味方は青春18きっぷなのは間違いない。しかし、青春18きっぷだけで室戸岬と足摺岬を巡るのはあまり効率が良いとは言えない。四国は北海道や九州と比べても、旧国鉄に放置されていた感がある。特にこれは高知の端っこで顕著で、作りかけで放置された路線をなんとか完成させたという第3セクターの路線が東と西に散らばっている。これらの路線で18きっぷは使えない。鉄路があるのはまだ良い方で、バスしかないところも存在する。高知を巡る時、18きっぷは概して効率が悪い。

という訳で、大阪から高知を目指すに当たって、青春18きっぷの他にいくつかの切符を用意した。

①とくしま好きっぷ(¥2,200 2023/10/1から¥2,500)
②四国みぎした55フリーきっぷ(¥5,800)
③土佐くろ1dayユースパス(¥1,000)

これらのきっぷで簡単に旅行記を区切りつつ、旅行の思い出を巡っていきたい。


なんば-徳島

室戸岬に行くに際して、まずは牟岐線の阿波海南駅を目指した。ここからバスを乗り継ぐと室戸岬にたどり着く。牟岐線に乗るには徳島に行く必要がある。
ここで、18きっぷで大阪から徳島を目指すとき、普通なら大阪から岡山を経由し、マリンライナーにでも乗って高松を目指し、更に高徳線で徳島を目指すのがセオリーといったところだろう。しかし、この経路は結構効率が悪い。地図を見れば分かるとおり、姫路の真南の方向に徳島は位置しているのに、瀬戸大橋の関係で姫路から岡山まで無駄に足を伸ばさなければならない。乗り継ぎを考えるのも難しい。相生-岡山は山陽本線でも本数の少ない区間であるし、更に高徳線を高松から徳島まで直通する列車はこれに輪をかけて少ない。パッと調べる限り、徳島へ行く終電に乗るには、大阪を17:15には出る列車に乗る必要があるようだ。(徳島着23:14)東京から青春18きっぷを使っているならこのルートでもまあ良いのだが、今回は午後の時間まで大阪で用事があり、18きっぷも今後の日程のためにセーブしておきたい。というわけで、南海に頼ることにした。

とくしま好きっぷについて

とくしま好きっぷは南海が発売している企画乗車券で、これ1枚でなんば-和歌山港の乗車券と和歌山港-徳島港の乗船券が一体となった切符だ。値段は¥2,200だが、和歌山港-徳島港の乗船券だけで本来は¥2,200なので、鉄道がまるまるタダということになる。別途指定券を買えば、特急サザンの指定席にも乗れる。

詳しくは↓
https://www.nankai.co.jp/traffic/otoku/skip2000.html

旅程

今回は、

17:40 なんば
↓特急サザン
18:45 和歌山港

19:10 和歌山港
↓南海フェリー
21:25 徳島港

21:30 徳島港
↓バス(別途¥210)
21:51 徳島

という旅程を組んだ。18きっぷで6時間かかると考えると、船の割にはなかなか速い。もっと速く行きたいのならばバスという選択肢もあるが、流石にバスで¥2,200+210の切符はない。それに、船旅の非日常感もそそるものがある。

という訳で…

なんば-和歌山港(南海電車)

南海なんば駅 いつ来てもターミナル感溢れる駅だ

とくしま好きっぷは駅の券売機で普通に買えた。調べる限り切符のタイプは発券箇所によって様々らしいが、駅の券売機で買う場合は隣駅に行くような小さい普通の切符だった。この小さい切符にどこまで乗れるとか色々と書いてある。しかし、こんな小さな切符でほんとに船まで乗れるのか、若干不安だ。
さて、今回乗る17:40発のサザンは珍しい和歌山港駅直通便だ。多くは和歌山市駅乗り換えとなるが、基本的にどの船便にもサザンは連絡をとってくれている。今回はその乗り換えの手間すらない。折角なので指定席券も買ってみた。
iPhoneの充電が切れかけのこともあり、コンセント付きの新型サザンを期待したが、残念、昔ながらのサザンだった。とはいえ、乗るのは初めてだ。

これは和歌山港駅で撮った

指定席は流石に若干の古さを感じさせるが、コンセントを除けば特に不満はない。快速を飛ばし、約1時間で和歌山港駅に到着。ちらほら乗客はいるが、大ターミナルのなんばと比べれば1面2線のなんとも鄙びた駅である。

2023年にして現役のパタパタ幕

和歌山港-徳島港-徳島(南海フェリー・バス)

連絡通路を渡り、5分ほど待つとフェリーの乗船口も開き船内へ。このフェリーも古いものと新しいものがあり、新しい方にはコンセントが豊富についているらしいのだが、時刻表を見る限り今回乗るのは古い方らしい。とはいえ、コンセントのついたビジネス席が8席だけあるそうで、なんとかそれに座れることを願った。

フェリーの乗客は20-30人ほどだろうか。地元の人らしい人が多い。そしてなぜか子供が多い。子供たちはわっと船内に入ると、漫画が置いてあるらしいコーナーへと吸い込まれていき、目当ての本を手にするとぞろぞろとカーペットの席の方へと向かっていった。
コンセント付きのビジネス席は人気なんじゃないかと思っていたが、別にそんな事はなく、自分の他には受験生らしい青年と、ビジネスマンらしき男性の2人が使うだけだった。いざ座ると、席があまり人気がない理由がわかった。ビジネス席というだけあって机があるのだが、椅子と机が離れすぎているのだ。船の中だけあって椅子を動かす事はできない。従って、机を使うには相当前につんのめる必要がある。折角机があるので、iPhoneを充電しながらPCで色々作業をしていたのだが、結局疲れてしまい1時間ほどで普通の席に移ることにした。

船旅は2時間続く。海の景色はずっと変わらない。船は乗る時は旅情があって良いものだが、乗っている間は結構退屈だ。時折電波の途切れるテレビを目にしながらPCで作業を進めていたが、気分転換に室外に出ることにしてみた。

ちょうどこの日はよく月が光る日だったらしい

時折波飛沫の飛ぶ生暖かい夜空の下、乗客は自分の他誰もいない。なかなか贅沢な時間だ。折しもこの日は1年で月が1番明るい日だったらしく、海の上で月夜を楽しむことができた。

そうして船に揺られ2時間、船は徳島港に到着した。ここでここまでを共にしてきた小さなとくしま好きっぷは回収されてしまった。まあ仕方ない。

港あるあるだが、ここから市街地までは若干の距離がある。徳島港の場合ここから徳島駅までは5kmほどだ。21:25着のこの船は港から徳島駅へと行く最終便のバスと接続をとる。
接続をとる…と書いたが、船が遅れても接続をとってくれるかは定かではない。バスは徳島港のバス停を21:30に出るので、余裕は5分しかない。これはフェリーだと結構心許ない時間だ。
案の定、バスには結構ギリギリで間に合った。多分自分の車があるのだろうが、バスが出発してから港の出口を出る人もちらほら見えた。このルートを辿る方は、走るほどではないが、急いで下船することを心がけると良いだろう。

そうして21:51、徳島駅着。昨夜、この時間のなんばはまだまだネオンが輝いていたが、徳島は店じまいしてもう随分時間が経ったという雰囲気だった。

(続く)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?