48時間映画祭2022osaka|参戦記録
■48時間映画祭を知ってますか?
48時間以内でお題に沿った映画を制作し、完成した作品は一挙上映され、審査員による評価を経て各賞を競うという、映画の格闘技イベントともいわれる映画祭です。
主人公の名前や、職業、台詞、小道具があらかじめ決められていて、さらにクジで引いたジャンルを元に約8分程度の短編映画をつくらなければなりません。
脚本・キャスト・ロケハン・衣装・美術・音楽・撮影・編集など、全てを48時間以内にやらなければならないのです。
■48時間映画祭に参加
昨年のことですが、友人が代表をしている弁天プロというプロダクションから、挑戦してみませんか?とお誘いを受けました。
しかし、ちょうど開催期間の10/21(金)〜10/23(日)は、業務や納期と被りまくっていて、無理ですよという状況でした。
それでも、最終的に挑戦することにしたのは、
などの思惑と理由があったからです。
さらに、弁天プロさんから、出演者の候補の方々やスタッフ要員もおられるということでしたので、こんな乗っかるだけでいい有難い話はなかなかないと思い、参加させて頂きました。
というわけで、映画祭への参戦記録を書こうと思います。
この映画は私一人で出来るはずもなく、役者の方々や、スタッフの方々、事務作業を担当して下さった方々の尽力あってのことです。
しかし、この記録では、私の文章力の限界もあり、私自身の記録を書くに留めますことを、ご了承下さい。
■実動可能な時間の範囲で作る
まず現実的に動ける時間帯を出してみました。
他の仕事のもありますし、とにかく睡眠は確保して体調を管理することを大前提としました。
また10/23の提出日に重なって、仕事があるため、連絡処理など同時進行業務が発生します。
その上で、完全に映画に集中する時間を決めました。
この時間内に出来る内容を考えれば、作品を完成し、提出完了できるだろうと考えました。
一日目 10/21(金) 20:00-22:00
■お題とジャンル、くじ引きの結果
さて、10/21(金)18:00 - 19:00に、キックオフイベントで全体のお題が発表され、くじ引きがありあmす。
弁天プロのスタッフが会場にくじを引きに行ってくれたために、私は家で連絡を待つのみでした。
お題とくじの結果は以下です。
■選んだジャンル
ジャンルは「リベンジ」で進めることにしました。
この日使える時間は、20:00-22:00の2時間。
まずは脚本なので、この時間を脚本つくりに費やしました。
その時に、まず明日の撮影時間内で、撮影と移動が可能な脚本が必要なので、以下のことを念頭におきながら脚本を考えました。
それに当てはめてロケ地を決めて、撮影開始地点から、キャラクターの動きと台詞を決めて行きました。
つまり、思いついたアイデアを映画にするというよりは、最初のロケ地でこういう会話から入って、その後はキャラクターがロケ地順に沿ってどう動くかを、行き当たりばったりで組み立てました。
映画は、アイデアを説明するものではないほうがいいように思ったので、観ながらわかっていくような、画面の積み重ねをしてみたいと思いました。
■脚本メモ
脚本の展開を次のように感覚的につくってみました。
このような流れの想定と同時に、登場人物を当てはめてお話にしていきました。
そうやって、なんとなくこんな感じかなというように展開を作っていきました。
しかし、終盤が悩んでしまいました。
実は、あまりに自由に脚本を考えたため、お題の「リベンジ」に結びつかないようになってしまいまいなってた。
「リベンジ」とはいったんなんなのか、考えようによっちゃ「ある意味リベンジ」じゃないのか、など若干無理矢理なことを考え始めますが、誰がみても「リベンジ」の内容だと思ってもらえる方が面白いに決まってますので途方に暮れました。
そんなふうに行き詰まっているうちに、あっさりと2時間経過してしまい、残りは明日に持ち越すことにしました。
とはいえ、翌日は朝から出演者とスタッフが集合するので、脚本は途中までのものを送っておいて撮影しながら終盤の展開を考えることになります。
今、こうして書き出せば、何をすればよかったのか分かるが、48時間の渦中ではわからないものです。
二日目10/22(土)9:00-22:00
■撮影、ジャンルの変更
翌日の10/22(土)は9:00-22:00の間が撮影時間に割り当てられる。
但し、翌日は16:00-19:30しか動けないので、実質的に編集も22日にほぼ出来ている必要がありますので、夕方の17:00に撮影終了を厳守にしました。
厳守というのは、万が一撮影不十分でも、そこまでで撮ったもので、なんとかするというくらいに考えました。
つまり、撮影時間にも編集にも時間をかけられませんので、撮影しながらすぐに編集が成立するような、ワンシーンワンカットの分かりやすい画面つくりと、1、2テイクでOKにして素材整理を簡単にすればいいと考えました。
さて、撮影ですが、以下の体制で進めました。
撮影はさほど大変なこともなく、というより簡単なことだけをするようにして、脚本が出来ているところまでは、予定よりも少し早く進みました。
しかし、やはり脚本が出来ていないところで、詰まりました。
何が「リベンジ」なのかわからない…。
昨日のまま、何も浮かばず、現場で途方にくれました。
そんな時、もしや「ロマンス」した方がいいかも、なんて現場のスタッフが言ったことでs。
なるほど、そうかもしれないと思い…あっさり「ロマンス」に変更しました。
というわけで、撮影は予定の17:00よりも30分ほど早く終了しました。
■編集
随分スムーズに、といいますか、スムーズにいくことしかやっていないのですが、編集は3時間もかかりませんでした。
昼食を摂りながら途中で編集を進めてましたし、ほとんど1テイクくらいしか撮ってませんので、素材を読み込んで順番に並べるくらいで出来ました。
色調整を簡単にやる程度でした。
というわけで、10/22(土)21:00くらいには、映像編集まで終わりました。
あとは、音楽だけです…と言いたいところですが。
一通り編集を終えて、絶望しました。
■目もあてらない出来
出来上がった映画を観て、目もあてられないものが出来てしまったと思いました。
脚本が書けていなかった部分が酷すぎて、完全な負けだと思いました。
役者さんも、スタッフさんも、素晴らしいパフォーマンスをしているのに、肝心の僕が脚本を思いつかなかったばかりに、ラストがグズグズになってしまったんです。
或いは、最終的にジャンルを変えたのもあって、急展開で突然終わってしまう印象もありました。
これには、本当に悔しい気持ちになりました。
そして、二日目が終わります。
三日目10/23(日)16:00-19:30
■最後のドラマ
二日目が終わって、作品の出来に絶望したわけですが。
三日目の日中の仕事中に、昨日の撮影のことを話題にすると、目から鱗の意見を頂き、いきなりアイデアが浮かびました。
ただ、いいアイデアが浮かんでも、すでにこの日撮り直すことは無理です。
それでも、少しでもマシにしたい気持ちから、以下の修正を考えました。
というわけで、16:00に家に戻った私は、すぐに娘を連れて昨日撮影した近所の山道に行き、撮り足しを行いました。
あとは、この撮り足し素材を編集して、音楽を入れると、完成。
■音楽、オリジナルのテーマ曲
ここまで触れてきませんでしたが、音楽は別で制作が進行していました。
今回は、オリジナルのテーマ曲を入れたいというプロダクションの意向もあり、撮影とは別にテーマ曲を歌詞から作曲、録音、アレンジまで、こちらはプロクオリティで制作されました。
くじ引きの後に、作品のイメージだけをなんとなく伝えておいて、そこからミュージシャンの方々が動き始めてたのです。
最終日10/23(日)は、16:00-19:30の間を作業時間に充てていました。
但し、オンラインでの作品提出に1時間くらいかかることがあるというので、18:00に完成予定にしていました。
つまり、18:00までに音楽を入れて完パケのファイルを制作しなければならないわけです。
そして、音楽を受け取ったのが17:00頃。
クオリティにとても驚きました。
じっくり聴く間を惜しみつつ、すぐに音楽をエンディングに入れて、無事完パケを書き出しました。
■完成作品
タイトル
【ネクロマンティック オーバーヒート】(by チーム樽本)
ログライン
「生き返らされたストーカーがロマンスを成就し昇天する話」
キャッチ
「世界で一番熱い死体」
■提出完了
なんとか完成した映画ですが、最後まで粘ったことで、気持ちも少しは落ち着きましたが、それでも悔しさは残ります。
時間を追うごとに、完成形が見えてきて、惜しかったなあと思うわけです。
それは、他の参加者も同じなはずです。
恐るべし48時間映画祭。
閃きが48時間よりも遅かったなあ、そこを鍛えないとなあと思いました。
提出は、思ったよりも記入事項が多く、またファイルのアップロードにも時間を要しましたが、無事に時間内に提出完了しました。
今後、参加をお考えの方は、2時間ほど余裕を持って提出作業に入ることをお勧めします。
実は、その他にもたくさんの提出書類があるのですが、それは弁天プロの方がやってくれていたので、私は文字通り映画を作って出すだけでしたので、とても楽でした。
■上映会で思うこと
11月5日(土)に全作品の上映イベントがありました。
それぞれの作品に、48時間という時間への苦労が見えました。
もし、48時間以上、たとえば5日間あれば、もっと面白い作品が増えるかもしれません。
しかし、そうなると競技ではなくなるのかもしれません。
どの作品も48時間以内で作ったという前提があって成立するように思えました。
つまり、観客というよりは、参加者が楽しめる映画祭といえると思います。
ただ、この映画祭が教えてくれることは、とても大きいです。
映画制作を経済的に効率的に作ることを競うわけですから、まさに映画産業に必要な職人的作業を競うといえるのではないでしょうか。
■結果発表
その後、11月22日開催のWrap Partyで受賞作品が発表されました。
時間 : 19:00- 場所 : Pumpkin Rocks
開始10分前に到着しましたら、すでに会場は参加者で盛り上がっていました。
弁天プロの社長さんと二人で参加しました。
さて、結果ですが、とても感謝なことに、この作品はいくつかのノミネートと賞を頂くことが出来ました。
これは、とても励みになりました。
長くなりましたが、最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。
私の文章力の限界により、随分端折ってしまいました。
また、何か思い出しましたら、増補させて頂きます。
また、映画を監督すること、制作することは、今後挑戦しようと思います。
■47秒予告編
■48時間映画祭公式HP
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