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SSS(全国大学生満足度調査®)コラムVol.8 : 期待度は満足度にどれだけ影響する?

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期待度と満足度の関係とは?

これまでのコラムで紹介してきたとおり、全国大学生満足度調査®(以下、SSS)では、3カテゴリ35項目にわたって、満足度とともに期待度を聴取しています。

35項目の内訳
•カテゴリ①:大学設備に関する項目(「インターネット環境」「実習や研究のための設備」など7項目)
•カテゴリ②:学生サポートに関する項目(「学生相談」「キャリアサポートの充実」など14項目)
•カテゴリ③:教育サポートに関する項目(「グローバルな学び」「少人数教育の体制」など14項目)

今回のコラムでは、期待度と満足度の関係についてご紹介します。まず、3つのカテゴリごとに「期待度と満足度」の関係性について見ていきます。
以下の図は、
(1)「大学の志望度」(第一志望 or第二志望以下)
(2)「志望意識」(志望意識高 or 志望意識低)
(3)「大学選びの検討期間」(十分に検討 or 検討が不十分)
(4)「大学での居場所」(居場所有 or 居場所無)
別に、期待度と満足度の平均値をカテゴリごとに表示したものです




※図内の青線は各カテゴリの平均を示す。

これらを見ると、期待度と満足度には相関性があります。
「大学の志望度」で第一志望、「志望意識」で「志望意識高」、「大学選びの検討期間」で「十分に検討」など、大学選びにおいて積極的で、自らの志望を実現した学生の期待度と満足度が高いことがわかります。
特に前回のVol.7「ここまで違う!?「居場所」の重要性」で触れた「大学に居場所を感じている」学生の割合が、期待度・満足度ともに高い結果を示しています。

「期待度」「満足度」が高い・低い項目は?

続いて、期待度・満足度それぞれの高い項目・低い項目をご紹介します。

◆期待度
「期待度」が高い項目
1位:好きな分野の学びを深められる 57.3%
2位:就職のしやすさ 56.9%
3位:授業のレベルが自分に合っているか 52.0%
4位:実習や研究のための設備 51.3%
5位:自習室や図書館の使いやすさ 50.9%

「期待度」が低い項目
1位:ハラスメント相談のしやすさ 28.2%
2位:海外提携校の多さ 28.9%
3位:ネイティブの教員が多い 29.8%
4位:入学前教育プログラム 30.0%
5位:OB・OGとの交流 31.9%
5位:外国人(留学生)との交流 31.9%

◆満足度
「満足度」が高い項目
1位:自習室や図書館の使いやすさ 63.5%
2位:図書館の充実 62.1%
3位:お手洗い・パウダールーム 60.5%
4位:パソコンなどの情報設備 58.5%
5位:実習や研究のための設備 58.4%

「満足度」が低い項目
1位:海外提携校の多さ 33.8%
2位:外国人(留学生)との交流 35.3%
3位:OB・OGとの交流 36.0%
4位:入学前教育プログラム 36.1%
5位:海外留学プログラムの充実 36.4%

これらを見ると、期待度が高い項目は「学び」や「就職サポート」などに通じるソフト面が上位にピックアップされ、一方、実際に学校生活の中で得られた満足度の上位には、「設備」のハード面が挙げられています。この結果から、満足度が高い各種設備をより一層活用できるように教育・学生サポート面を充実させることが重要です。

これら期待度・満足度各項目の結果を参考に、高校生の頃からいかに高い期待感を抱かせ、入学後はその期待を上回る満足度の高い教育・学生サポートを提供することが、在学生の満足度を高め、ひいては推奨意向を高める重要なカギになるのです。
満足度だけを把握するのではなく、入学時に期待度を把握し、両者の相関性・親和性を確認することで、貴学の改善点や、より強化・進化させる点を見出しやすくなります。
まだ取り組まれていない方は、今からでも「期待度」「満足度」を把握することをお勧めします。

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