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短編小説『1mm法師』後編

 電子レンジを見つめながら、気まずい。1Kの部屋の中、僕の右耳には小さな人間がいる。

 疑っていたが、確かに耳の入り口辺りで何かが動いている感じがする。

「すいません。このうどんってどうするんですか?」

「これを鼻から入れていただきます」

「僕死にそうなんですけど、大丈夫ですか?」

「うどんを鼻からすすっていただいて、私はそのうどんを伝って胃の中に入ります。そこでカプセルを取り出します」

「ふーん、なるほどね」

 腹が立ってきたのでリアクションを抑えた。

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