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複業が当たり前の時代の副業のあり方 - 「小商い塾」

 昨年2017年からニュースで「副業解禁」というキーワードを見かけることが多くなりました。

「副業解禁は企業のダイバーシティ推進のリトマス紙に?シニア社員の肩たたきか、企業の成長につなげられるか」Yahoo! Japan ニュース

「正社員の副業後押し 政府指針、働き方改革で容認に転換」日本経済新聞

 「副業禁止」が当たり前の大手企業が続々と、社員の副業を推奨しているというのです。その理由としてよく言われているのが、

「優秀な人材を会社に引き止めておくため(他社への移籍の防止)」

「給与が増やせない(年功序列給与システムの崩壊)」

「解雇を容易にする(退職時のリスクヘッジ)」

などですが、これはいずれも企業=雇用主側の理屈であり、その背景にはAIやロボットなどのテクノロジーの進化による業務の効率化・自動化など、大きな時代の変化があると思います。

 私たち働く側から見ると今後はどう変わるのでしょうか?一般的な社会人の時間を軸に考えてみます。

 社会人の基本的な一週間の時間配分はおおよそ以下が平均的です。週5日会社に出勤、2日休日というサイクルです。

 週の大半を主業(会社の仕事)で生産活動に費やし、休日は消費のための自由時間というシンプルな配分です。消費のための収入は全て主業からの稼ぎで賄います。

 しかしこれからの社会では時間配分が変わることが考えられます。テクノロジーの発達によって主業に懸かる時間は短縮され、さらに「働き方改革」によって残業も制限されます。主業そのものを失う人も多く出てくるでしょう。そのためのベーシックインカムも現実的に語られることが多くなってきています。

 そのような社会では、それまで仕事をしていた時間が余って自由時間になります。毎日早く帰ってゲームをしたり、休日に1日中YouTubeを観て過ごしたとしても、しばらくすれば大抵の人は飽きてしまうでしょうし、外に出掛けて買い物や外食などの消費活動をするには収入が足りません。

 だからこそ「これからは余った時間を使って副業し、そこから足りない分の収入を補わないといけない」というのが働く側から見た、「副業解禁」の現実的な意味ではないかと思います。

 とはいえ、副業って何をすれば良いのでしょうか? コンビニのバイト?宅配便の配達?工場労働?

 そういったすぐに思いつくような仕事も、これからの時代には無人店舗、ドローンや自動運転車、ロボットなどの進化で近いうちに無くなってしまうかもしれません。

 じゃぁ、副業を安定して行うために、何をどのようにすれば良いのか?それを日本の各地で追求している私塾が「小商い塾」です。

小商い塾

 塾長の横田親(いたる)さんとは面識がありましたが、具体的にどんなことをやっているのか詳しくは知りませんでした。先日の2/6(火)、東京・神保町のTOKYO PRODUCERS HOUSE体験会があったので参加してみました。

 塾長の横田さんが目指す働き方のビジョンはとてもシンプルです。

「自由気ままに生きることを生業にする」

 そのための第一歩として副業=小商いがあります。そして「小商い塾」が提案している副業のコンセプトは、

「お金のための仕事を副業にするのではなく、

自分の好きなことを副業にする」

というものです。利益率の高い副業は何か?将来性のある副業とは何か?というような、よくあるビジネス・セミナーのコンセプトとは違います。お金のための副業を考えるのではなく、「好き」をお金=副業にしようという考え方です。

 副業のための時間というのは、そもそも余った時間=暇な時間です。暇な時間というのは、誰でも普通は好きなことをして過ごします。暇だからといって、お金のために、本当はやりたくないことをするというのは心理的に負担になります。これからの時代は本業でも解雇のリスクなどで心理的な負担は増すのに、副業でさらに負担が増せばとても生きにくくなる。だったらいっそのこと好きなことを副業にすればいいじゃないか、という考え方です。

 東京、兵庫などに四つの住処を持ち、大手企業の嘱託社員として契約しながら自分のシェアハウスを経営し、バーテンをしたり様々な小さな商売を頻繁に立ち上げたり、丹波未来フェスを主催して業界横断的な交流の場を作ったりと、完全に副業が主業となっている塾長・横田さんだからこそ提案できるノウハウが「小商い塾」にはたくさん詰まっているんだと思います。

 「小商い塾」は日本の産業構造、雇用形態が大きく変わろうとしている、まさにいまこの時代に、「自分たちはどういう生き方をすればすれば良いのだろうか?」という問いへの試金石となる、要注目の私塾です。


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