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カタクリの会ガイドデビュー

両親が企画運営しているカタクリの会のガイド役として今日はデビューした1日。人を案内する大変さと、自分の未熟さ、両親の偉大さみたいなのを同時に感じ、多少の挫折感を持ちつつ、いろいろたくさんの気づきを得られた1日だった。

カタクリの会とは
岩手県西和賀町をフィールドに、毎月1回どんな天候でも欠かさずに、足元の自然を丁寧に観察している会。毎月20名の定員を目処に集客し、今回で340回目となった会は述べの参加者は10,000人近くにのぼる。ほとんどが町外の参加者で、「ひとりでも多くの人に、現場に来て本当の自然を知ってほしいとの思い」で今日まで続けられてきた。当初は西和賀の観光地的なところの自然を観察してきたが、最近では、会を運営する両親が暮らす廻戸を中心に、生態系の月ごとの変化を見ながら、より丁寧に深い観察会が行われている。

ニューハンプシャー州のジョナサン

4月の観察会は、毎年人気の「カタクリの里歩き」です。ちょうどカタクリの咲く季節に行われ、20名定員を当たり前のように超える超人気の会です。
指導員が足りないとのことで、最近ちょっとずつ西和賀のガイドを始めた、私に白羽の矢が立ちました。別に断る理由もなく、自分のスキルアップも含めて二つ返事で受けました。

観察会当日は朝からいろいろバタバタしました。秋田県横手市十文字にあるゲストハウスHostel&Bar CAMOSIBA(カモシバ)から前日の夜に「西和賀でトレッキングしたいと言っている外国人いますが、受け入れてもらえますか」という相談をいただき、観察会当日は日本語が全くしゃべれないアメリカのニューハンプシャー州から日本に旅に来ているというジョナサンをほっとゆだ駅で出迎えからのスタートでした。その後ちょうどやっていたカタクリの会に参加してもらうという流れに。

ジョナサンは本当に日本語が喋れなくて、時折でる「アリガトウ」が自分の励みになった。

誰が食べた!?

今回の観察会は「カタクリの里歩き〜雪とけて秘密花園夢ひらき〜」というタイトルで、廻戸から近い無地内というところのカタクリ群生地を見ながら、春の儚い命の輝きたちを観察するという会です。

私にとって何度も歩いているコースですが、このコースで人を案内するのは今回が初めて。ハンドブックの1ページを作るように両親から頼まれるも、何を紹介するかの悩みからのスタート。数日前に下見を入念に行い、私はこういうハンドブックのページを作りました。

職獣というのは職人に対しての私の造語。観察会の下見の時に自分が面白いと思ったことをページにした。ちなみに左はアカネズミ、右はリス。今日はカラスが食べた跡も落ちていた。

自然観察会が楽しくなかった幼少時代

カタクリの会は私が生まれてから小学校を終わるまでほぼ強制参加で毎月参加していました。あまり楽しかった記憶がなく、自分で歩く年齢になってからは、観察会の楽しみといえばお昼にカップラーメンを食べることくらいでした。そのくらい子供の私にとって自然観察会というのは退屈な時間だったのが思い出されます。

中学に入り、観察会強制参加期間が終わるとそれからしばらく観察会に参加することはなくなりました。1年に1回くらい参加することはあっても、全然興味が向かなかったのです。

しかし、最近、自分のまわりで西和賀のことをきちんと伝える必要が出てきたため、いろんなことを学びたいと思った時、カタクリの会がやっていることが1番適していると思いました。

自然観察指導員デビュー

そして、今日はカタクリの会ガイド初デビューの日。
子供の頃から私を見てきた方もいらっしゃる中でのガイドはそれなりに緊張しました。私が動植物の名前を本格的に覚え始めたのはここ1年くらい。むしろ参加者の方が名前とかにも詳しかったりすることもあります。その中で私が何が伝えられるかというと、30年近く西和賀で生きてきたということしかありません。自分が覚えていてなおかつ話ができるエピソードを伝えていきます。

周りはベテランばかりで緊張した。

バッケのオスメスの話し。アブラチャンの匂い。カタクリの1年生の観察。。。

もちろん下見はしているので、ある程度はこの場所でどんな話をするかというのは決めておくのですが、自分が持っている引き出しだとなかなか話が広がりません。歩きながら、周囲をよく見回し、何か変わったものはないかと見ていきます。私が両親や他の指導員から遠くかけ離れているのは、この引き出しの圧倒的な豊穣さだととても痛感させられました。

名前や特性を言ってはい終わりではなく、名前の由来、どんな動物が食べるのか、どういう時使われるのか、等々いろんなことを細かく知っていなければ、伝えられることの量は圧倒的に限られます。私の両親がどれだけ、些細なことを観察し、いろんなところにアンテナを張っているのだと思わされました。

また、私の班は10名くらいの人数でしたが、自分の考えや伝えたいことを丁寧に伝えるには6名くらいが限度だということもわかりました。注意力が散漫になるし、人数が多いとお客さんの興味を掴むのが難しくなってきます。

午前中は班で観察をしましたが、午後は廻戸の林道歩きなので、班を崩し、ばらばらに歩いて観察しました。

やはり父のところにはすごい人だかりができて、この人数を相手に話を伝える父の姿には尊敬せざるを得ない気持ちでいっぱいになりました。

声の大きさ、立ち位置はとても勉強になる。

そしてこれから

カタクリの会自然観察指導員デビューは少し苦々しいデビューではありましたが、あたたかい声をかけてくださる方もいて、とても励みになりました。これからもっともっと足元の自然に注目し、伝える力を身に着けていきたいと思います!

zen



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