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悪態をつきながら大根を抜く日々③当事者になるということ

当事者になってみてはじめてわかることってたくさんあると思います。西和賀名物「大根の一本漬け」の大根生産者に今年からなりました。

今年の西和賀の大根の生育は全体的に良くなく、線虫が発生し、bou社の規格では買い取ってもらえない大根が大量に出ています。bou社を辞めて、自分たちも一度当事者になってみようと思い2000本大根を植えましたが、このまま行くと規格になるのは400本くらいかもしれません。bou社では30000本の一本漬けを作らなければならないので、西和賀産大根から切り替え、他の生産地(雫石や滝沢)から大根をかき集める始末となっています。bou社でも7000本くらい自社大根を植えましたが、それらもウチの畑と一緒です。畑の担当者はこの前ショックで仕事を休んでました。

西和賀の生産者の所得を上げるという大義で始められた「大根の一本漬け」事業ですが、これでは西和賀の農家はどんどん辞めていくばかりです(大根は重くて重労働)。上手く言えませんが、“所得”から入る間違いがこういうところに現れている気がします。「儲かるからやる」、「儲からないからやらない」という安直な考えが、自分たちの手に負えないもの(リゾート誘致や原発誘致)を引き受けてしまう根本な要因になり、それが自分の頭で考えない人を量産している根源だと今年大根栽培の当事者になって思いました。

じゃあ、どうすればいいのかというところが今自分たちが取り組んでいこうとしているところで、それは、仕事(食べるために稼ぐこと)の中に暮らしを作るんじゃなくて、暮らしの中に仕事(食べるために稼ぐこと)を作っていく生き方そのものです。そうなってくれば、嫌でも食べるためなら仕方がないから働く、ということは減り、やがて幸せの追求に結びついてくる気がします。ダイアログカヌーや鍋会議はその一端だと思ってます。

しかし、当事者になるというのは本当にリアリティ溢れることです。自分もbou社にいた時は消費者第一主義で、西和賀の生産者が泣いているところを自分も悲しみながら考えないようにしていたのを思い出しました。

妻と私はこれを機に当事者になりました。

西和賀にはまだまだ暮らしの当事者になれるきっかけがたくさんあります。

zen

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