保育園見学①②

2つの保育園に見学に行った。

1つ目はのんびり系で、
行事が最小限なため園児も練習に追われることなく、ただ部屋の中で生きているという感じだった。

厳しいところだと第二子以降の育休中や、親の休日は預かってくれず、お迎えの前にスーパーで買い物することすら禁じられている園もあるようだが、のんびり保育園は親にも寛容な雰囲気で、お盆や正月も希望すれば預かってくれるらしい。

園児はヨレヨレの私服を着て部屋の中で牛乳パックを積んだり絵本を読んだりと思い思いに過ごしていた。
廊下をフラフラ歩き、自分の氏名を何度も早口で名乗っている子もいたが、特に怒られたり部屋に戻るよう指示されていなかったため自由度は高そう。
給食も残していいし、喉が乾いたらお茶もいつでも自分で飲んでいいらしい。



2つ目は教育系の保育園で、夫も一緒に行った。

行事が盛んで父母の役員会もキッチリ開催されており、◯時は絵本、◯時からお歌…と1歳からビチビチにスケジュールが埋まっていて、園庭では5歳児が隊列を成してEXILE系の曲に合わせて運動会の練習をしていた。
ヘラヘラと列からはみ出す園児は「こっちね」と1秒で連れ戻されていた。

廊下には同じ図式の作品が並び、文字の練習や格闘技のおけいこ、家庭菜園では5種の野菜を育てていて、なんかすげー頑張っていた。

3歳児が何やら絵の具を使って全員同じコピー絵画の作成をしている。
その部屋の前で説明を受けたが、先生の話が長い。

私は元々少しの退屈にも耐えられないタイプで、家電の説明書や、しいたけ占いなど読めないため話が長いと頭がクラクラして馬耳東風になってしまう。

「今はお制作をしていて…
「このお制作は…
と細かく説明されたが、"お制作(せいさく)"という初めて耳にする日本語の違和感に気を取られ、なかなか話が理解できなかった。
多分そんな日本語ないと思う。

すると夫が何やら言いたげにしているので、園の所見でもあるのかと耳を近づけてみると、小声で「お制作」と言ってニヤニヤしてきて、お前も話聞いてないんかいと思った。


1つ目ののんびり保育園で別にええやんと思っていたが、こうも厚みのある教育を見せられると、なんかそっちの方がいいような、のんびり園がヘボすぎるような、のんびりしすぎると小学校でちゃんと座れるのかな?といった気分になってくる。

自分の子どもが賢くピチッとした子であれば教育園の方が合っていそうだが、成長してみてアホだった場合、教育園のキッチリ感がストレスにならないか心配…という気持ちもある。

アホだった場合、のんびり園に入れたとしても怠惰に拍車がかかりずっと鼻ほじってるような小学生になるかもしれないし、教育園だと厳しさに耐えられず発狂するかもしれない…アホだと仮定すると心配は無限大に広がる。



帰宅後しばらく考えていると、私が通っていた保育園のことを思い出した。

私は生まれた時からずっとスポーツが苦手で、集団競技はもちろん、ランニングやシャドーボクシングなど、個人で取り組むものもすぐにギックリ腰になるため、ウォーキングとヨガ以外できない。

しかし保育園はかなり体育会系だった。

年中半袖半ズボン&裸足で過ごし、土踏まずを鍛えて足の裏に空間(?)を作るのが目的らしく、水たまりが凍るくらいの真冬も毎朝川原をランニングした。
遠足でも電車の席に座ることは許されず、大きな遊具のある公園に着いてからも正規の入口は使わずに園児の肩くらいの柵を飛んで乗り越えた者だけが遊具で遊ぶことができる。

運動会も力が入っていて、
リレーや逆上がり、障害物競走、登り棒をはじめとして、6段の跳び箱を飛ぶことや、USJハロウィンのときの化け物が乗っているようなクソデカ竹馬に乗るのが当たり前だった。

USJのクソデカ竹馬


他には何も手をかけるところがないベニヤ板を指の力で登って向こう側へ飛び降りたり、リズムを間違えると竹に足を挟まれてイテーッ‼︎となる竹のダンス(なんじゃそりゃ)や飛べないと責任重大の大縄跳びもあった。

私は上記の中では競走系や竹のダンスしか完遂出来ず、お迎えの時間を過ぎても居残りをして泣きながら逆上がりや棒登りをさせられた記憶があり、登園するのは人間関係のギスギスした仕事に行くくらい辛かった。

そんな環境下で育つと運動能力が上がる子の方が多い。自由遊びの時間にみんなで鬼ごっこをするも運動能力の低い私がずっと鬼だった。

幼くとも自分がダメなやつということはなんとなくわかるので、毎日つまらなくて園庭の隅で土を叩いてサラサラの砂を発掘する作業ばかりしていた。

小学校に進学してからは
クラスの宿題点検係になり、自分がやっていない宿題をやったことにしたり、歯磨きを1年サボって虫歯を12本作ったりと、かなりだらしない奴で、各方面から怒られすぎて立場が危うくなったときにたまたま絵を褒められたことが嬉しくて、負の力を利用して這い上がり今はデザイナーになりました。

もし保育園で運動がバリバリできていたらデザイナーになっていなかったかもしれない。


みなさんも保育園や幼稚園の思い出があったら教えて欲しいです。
見学はあと2〜3園行く予定です。

以上

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