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心電図検定対策講座【問題7】

対策問題007 (出題: 2024/4/15)

52歳,男性。1時間前からの冷汗を伴う胸痛。若年時から心電図異常を指摘されており,時折このような症状が発作的に出ることは自覚していたが,今回は特にきついため,自身で救急要請。救急外来で来院直後に記録された心電図を示す【図7-1】

【図7-1】52歳,男性の心電図

【問題7-1】心電図所見として最も適切なものは以下のうちどれか。

 (a) 心房細動
 (b) 心房粗動
 (c) 房室回帰頻拍(順方向性)
 (d) 房室結節リエントリー頻拍(slow-fast型)
 (e) 洞頻脈


~ぜひとも応援よろしくお願いいたします~

(問題つづき:同症例)
既往歴として,学校健診で毎回,心電図異常の指摘がなされていたが,就職を期に受診が途切れていた。現在,定期的に服用している薬剤もない。救急担当医による処置が行われ,状態が安定した後の心電図を示す【図7-2】

【図7-2】応急処置後の心電図〈52歳,男性〉

【問題7-2】救急外来にてなされた可能性のある初期対応として、適切な内容はどれか。以下のうち2つ選べ。

 (a) AED装着
 (b) アデノシン三リン酸(ATP)急速静注
 (c) 心臓マッサージ
 (d) 一時型心臓ペーシング
 (e) 頸動脈マッサージ


【問題7-3】2枚の心電図も総合し、本症例の診断として、もっとも適切なものを一つ選べ。

 (a) ST上昇型心筋梗塞
 (b) 右室肥大
 (c) 先天性QT延長症候群(LQTS)
 (d) WPW(Wolff-Parkinson-White)症候群
 (e) Brugada症候群


~ぜひとも応援よろしくお願いいたします~

解答・解説の公開はなんとか週末4/18(木)~19(金)頃までには終えたいと思います...では,ガンバリマス!
今回も大変遅くなってしまい申し訳ありませんでした...なんとか4/26(金)夕方には解答・解説がアップできました!


今回の症例は,いわゆる“narrow QRS tachycardia”を呈する中年男性です(後ほど“NCT”という表現にむしろ慣れて欲しいと述べます)。
主訴だけ見ますと,心筋梗塞などの急性冠症候群を考えさせる感じですね。もちろん,実臨床では「不整脈+虚血性心疾患」の可能性も考慮して対応する必要ありですよね?“決めつけ”はとても危険ですからね。

なお,試験問題としては,2枚目の心電図が「すべて」を語ってくれています。すなわち,頻拍停止後の心電図で背景病態がほぼ確定する,比較的珍しいパターンの症例です。どこをどう見るのか,それを学びましょう。
加えて,苦手にする人も多い頻拍診断の“深掘り”についても,いつもより少しだけ詳しくお話いたしましょう。

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