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ジョゼと虎と魚たち 渡辺あや トークセッション in尾道 松翠園 ③

「ぼくは二十年まえ 公開当時に この作品を、見ました。
その後二十年の生き方がかわった気がします。 かなうなら
記憶を一度消して まっさらな状態でまた見たい。今日 はじめてご覧になった人はきっと この先二十年の生き方が かわるかもしれません。」

主催者さんの挨拶で

「ジョゼと虎と魚たち」の上映会は
はじまった。

くわしい
内容は不朽の名作なので割愛する。

あとは
ワタシ個人の
思い入れまじりの感想を書く。


勝手な思い入れと想定で
しかないが 書く🙄

・・・・・・・・・・・・・・・

はじまりは 坂道での
ジョゼを乗せた
乳母車の暴走だったが


彼は 思いの外
うまかった 
ねぎらいの朝食と
それを作ってくれた
クセの強い かわいい子に
ほんのすこし胃袋と
心をつかまれ、

ジョゼは はじめてあった
同年代の かろやかな明るい
青年に 少し 色めいた
ぐらいの 淡いものだったのだろう。

それが深く深く
色を変えはじめたのは
どこらへんだったのだろう。。。


スケボー ジョイントの
乳母車で
色のついた昼の世界を
ふたりで散策した時だろうか?

読み焦がれた本を
絶版でも
古本屋で 探して
手渡した時か?


健康なガールフレンドの来訪に
嫉妬したとき?

意外と 金井ハルキの存在を
大発見したときでは??

彼は やさしいが
女にだらしない

簡単に 息をするように
気軽に 抱いてきた男だ。

だけど

はじめてを
ゆるされ

ジョゼを抱く時にいたっては
少し ためらい

泣きそうにすらなる。

きっと 壊れやすい
傷つきやすい
ジョゼを大切に大切に
 
あつかううちに
ジョゼは彼のなかで
ホンモノの宝物となり

ジョゼを宝物とする 
自分自信も 前より ずいぶん
好きになったのではないか
と思われる。

一方 ジョゼは
塩対応でツンケンしつつ
水玉のワンピースを着たあたりから

実はずいぶん、惚れていただろう。

彼は

唯一の家族の 祖母
が 愛し守りながらも
根深く ジョゼにかけた

お前はコワレモノ 
お前はヒト目二フレルベカラズ

とゆう  
古の錆びた時代の 呪いから

解き放ってくれたヒト。


だけど  相手が離れる前に
突き放そうとする。
いつか失うのが こわいから。




でも 失いたくない。




ある日 突然祖母が亡くなり、


彼の 彼女への慈しみの極限と

彼女の
自らに 差し伸べられた
その手を取る 勇気をもった時期が

奇跡的に繋がったのではないかと
思う。


ジョゼは 
あの共に生きた一年を
あの日々を愛し生きていたと思う。

もう一生ぶんの濃度で。

宝箱にしまうために。


2人の最初の

彼の家族の法要に
彼女を
連れてゆく旅。

恒男は 車椅子がなく

彼女を背負って歩いた 一時

はじめてイメージしてしまう。

彼女の人生を年老いても
自分は
背負えるのか?とゆうことを


いつまでも いまのように
気力と体力のある
時期は続きはしない。

それが やっとのラインになった時も今のように
ジョゼを大切にできるのか?と。

法要への来訪を仕事とこぎつけて
ドタンバに キャンセルする。

そして 洋式トイレで
ようをたす 彼女に ひしっと
すがりつく。

好きで すきで 
手放したくないのに

彼女を背負って 生きていけるほど
誠実さと強さを 
つらぬききれる 類の人間ではない
であろう 
自分に 気づき

絶望する。

彼女をいつか
うとましく思うかもしれない
未来を おそれる。


いつか 恒夫が
そのことに気づく日があることを
ジョゼは
薄々 ずっと 気づいていた。

彼は とてもやさしいが

そのかわり
強い意志の
強い男ではないのだから。。。

だから あの旅行が最初にして
最後でもあること

水族館に ふたりで
ゆく 唯一の機会を
うばわれたことに


はげしく憤ったのではないか。



うまくいった未来の
可能性だって
全く なくはなかったはず だろう。

だけど彼らはカーナビに
その行先を入力しなかった。

実家のかわりに
海にゆき
思うさま戯れ

海の名のつく
光の魚がたゆたう
HOTELで 愛しあう。

 

そして
数ヶ月して
笑顔で

互いの 手を離し 
旅立つ。

離れ離れで
生きながら


重なった時間を

一生 心の片隅で
真珠のように宝箱にしまい

たまに開けて 2人は
のぞいてみる。

彼は それを、見て
泣いて自分の弱さを
悔みながら

彼女は それを見て
誇りと糧にしながら
生きるのだろう。



そんな気がする。

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