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ペーシングライトをひく。

トラックの周囲をLEDライトが点滅しながら進んでいくペーシングライト。オランダの会社が開発して、いまや世界中のトラックレースでの記録向上に一役かっている。日本では昨年、八王子ロングディスタンスで導入され、今回、GGNにも取り入れられた。GGNで5000m、10000mのブダペスト世界陸上参加標準を狙う選手のためにというディレクターの考えがここにある。海外実業団選手にとっても世陸、オリンピックの参加標準はかなりハードルの高いタイムとなっているので、ペーサーとして機能させることが難しくなったという背景もある。

GGN5000mB組を山中柚乃(愛媛銀行)が走った。東京オリンピック、オレゴン世界陸上3000m障害日本代表だ。先日行われた兵庫リレーカーニバルだったか、「今季、山中選手は3000m障害を封印。5000mを走ります」と場内アナウンスされた。兵庫リレーカーニバルといえば、山中が2000m障害日本記録を出したレースであるだけに驚いた。ブダペスト世界陸上を狙わずに走力そのものをあげるという狙いだ。

ペーシングライトには3色の明かりがついている。ブルー、グリーン、レッド。この順番でライトが点滅しながらすすんでいく。以前、このライトの色分けはグリーンがターゲットペース、レッドはそれよりも遅いペース。そして、ブルーはペースメーカー役の選手がペースの目安として確認するためのもの。と聞いた。5000mBがスタートすると山中はすぐに前に出た。集団にはつかずに先頭を走りつづける。そのうち、気づいた。山中がブルーペーシングライトの先頭と並んで走っていることに。

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