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2019年7月15日 今朝の一枚 「MGC戦士のラストスパートの脚質を上野裕一郎さんに訊く」

「マラソンを観ないような人に向けた
  MGC解説本を出そうと思ってまして」
と出版社の方から連絡がありまして、
話を聞いてみると、MGCに出場する選手を
池上彰さんの選挙番組での候補者紹介のように
書いてほしいという内容でありました。
基本的に来た仕事をそのままうけるのではなく、
いったん考えて自分がお願いしてもやりたいものか考えてから
引き受けるようにしておりまして
どう考えても
「そもそもマラソン観ない人が
  本なんて買うわけないじゃないですか」
と思ったので、お断りしていたのですが、
担当の方に漂う
「このままでは社に帰れない感」
を察しまして、
如何に自分がMGCを楽しみにしているか。
という話を延々と喋り始めることにしました。
「なんか面白い話をしてお茶をにごして帰ってもらおう」
そう考えたのです。

コース図を観ながら
「沿道には選手の家族や大学のOB、
 そして大学時代の監督などが声援を送っているはず
 隣で観ることができたら、その選手のストーリーの一部に
  遅ればせながらも参加することができる」
と、担当の方に話しているうちに
あれ、これ面白いかもしれないぞ。
そう思い始めたのです。
ほとんどの人がテレビでMGCを観ることでしょう。
そのときに隣に沿道に立って声援を送っているOBや
関係者と一緒にテレビを観ているような話が聞けるといいんじゃないか。
なんだったら、テレビに映っている映像がどのような考えで
演出され、そのスタッフはどのような人たちか?
そこまでわかっていたら、よりテレビを観るのが楽しくなる。
つまり、MGCのテレビガイドがあったらいいんじゃないか。
そう考えたのです。

「あっ。すみません。やりたいことができました。」

できたのは「誰と一緒にMGCを観る?」という企画。
この人と一緒に沿道に出たり、
一緒にテレビを見ながら話を聞けたら
面白くなるだろうなというひとを
かなり偏ったフィルターで選んだのでありました。
いくつかのプランの中で実現したのはこんなひとたち。

・そもそもMGCを考えたひと
・そのMGCを放送することになったひと
・青学OBたちとMGCをみる
(東洋大は生島淳さんが酒井監督にびっちりインタビュー)
・ラストスパートと佐久長聖

こんなテーマでキャスティングとインタビューを
この2週間で行っていったのでありました。
(よくできたよなぁ)

今朝の一枚は2014年日本選手権10000mのもの。
昨日、インタビューにうかがったのは立教大学のグラウンド。
「ラストスパートと佐久長聖」というテーマの取材です。
Mr.ラストスパートこと、上野裕一郎さんに
MGC出走メンバーリストを見ながら
それぞれの選手のラストスパートの脚質について
じっくりお話をうかがったのでありました。

佐藤悠基選手と大迫傑選手のキックの違い。
肝がすわっている選手とそうでない選手。
ラストスパートがキレるのは
佐藤悠基や大迫傑だけじゃなく、井上大仁もいる。そして、藤本拓も。
ロングスパートをするなら、この二人。
レース終盤までついていけることと、自分で主導権を握ることの違い。
年間を通してコンスタントに試合で走れている選手じゃないと
MGC本番では走れないこと。
いろんな選手の名前が飛び出したのですが、
MGC出場選手の中でも中心となる選手たちが
この2014年の10000mのスタートラインにいます。
(画像をクリックして拡大してみてください)

当時、トラックで日本記録更新を目指しながらしのぎを削っていた選手たちが、5年後、ステージをトラックからフルマラソン、
そしてMGCへと移行した。

2012年から2014年までの日本選手権の25Lapsは
次から次へと先頭が入れ替わる熱いレースが続いてました。
MGCの終盤もこのときのような先頭が何度も入れ替わるような
ラストスパート合戦が見られるかもしれませんね。

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