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時代は中距離

世界陸上オレゴンのレースのたびに「時代は中距離」だなあと感じては、その都度、「時代は中距離」とツイートをした。

うざかっただろうが、しょうがない。時代は中距離であるのは確かなのだ。だからといって、800mや1500mといった中距離こそが陸上だ!みたいなことをいいたいわけではない、今回の世界陸上において、5000mや10000m、そしてフルマラソンといった長距離種目においても、最後は「中距離的なスピード」が決め手となる。ということが明らかになったから。

たとえば、タイムではなく着順を競う決勝レースは序盤はジョグのようなスローペースで始まる。しかし、最終的にトップは5000mは13分10秒、10000mは27分30秒を切ってくる。これが気温の低い日本の11月や12月ならまだしも、涼しいとはいえ真夏。日差しも強い日中オレゴンのレースでのこと。男女とも長距離種目はラスト1000mからのペースアップは中距離選手のスピードへ。いくら終盤までいいところにつけていたとしても、ラスト1000mからよーいどんが始まると勝負に参加すらさせてもらえない。田中希実選手が近年、800mや1500mをやりながら5000mを走るのも、このラスト1000mのスプリントのためでもある。今後は、現在1500mを走っているような選手が5000m10000mへ距離を伸ばしてくるであろうから、その傾向はさらに強くなる。

今回、現地で観ていた日本指導者たちも、長距離トラック種目で世界と戦うということを視野にいれた場合、中距離種目は外せないことを肌で感じたことだろうし、来シーズンから、シーズン序盤は数多くの長距離選手たちが中距離レースにも参加してくることだろう。金栗記念の1500mに3000mSCの三浦龍司と5000mの遠藤日向が走る。みたいなことが増えてくるはず。世の中の人たちはまだ気づいていないけれど、確実に「時代は中距離」なのだ。

TWO LAPS Middle Distance Circut は「時代は中距離」となることを予見していたかのようなタイミングで企画されたレース。昨年は大阪、福島、東京と三箇所で。第二回目となる今年は福島、東京、兵庫の3箇所での開催となる。横田真人さん率いるTWOLAPSの選手たちが自らディレクターとなり企画・運営をすすめる大会なのだけど、立ち上げからずっとお手伝いをしている。よくあるゲストランナーみたいな扱いではなく、企画打ち合わせから、宣伝、財務、事務作業的に物販まで、選手たちに担当が割り振られ、練習や合宿の合間を縫いながら準備がすすめられている。

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個人的にこの大会を一番オススメしたいのは、中高生の陸上部員たちだ。TWOLAPSだけでなく日本選手権クラス中距離選手たちがガチ勝負を繰り広げるだけでなく、ペースメーカーとして公認レースで選手を引っ張ってくれる。日本トップレベルのペースメークにのって走ることで、記録会や同級生との勝負だけでは得られない経験や刺激を得られるはずだ。写真にある飯野選手、館澤選手、上野監督と公認レースで一緒に走る機会は自身が日本選手権に出ない限りは得られない笑

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今年のMDCは東京と兵庫の残り2回。
9月17日に駒沢陸上競技場でMDC東京。
10月15日に神戸ユニバ記念競技場でMDC兵庫。
特にMDC兵庫は兵庫リレーカーニバルの中距離版として
育ってくれるといいな。と思ってます。

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いまはMDC東京エントリーを受付中。
中高生の部活やクラブチームでのエントリーをぜひ。


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