右代選手選出に関して記者会見より

日本陸連の麻場一徳強化委員長より。

今回のことの発端となった世界選手権日本代表選手選考は
アジア選手権のチャンピオンで日本選手権の優勝者を内定とする。
そういう情報があり、その情報にしたがい選考要項を作成した。
右代選手は内定ではあったが、そこ(選考要項)に不備があった。

その原因と理由について

選手の選考要項は国際陸連から出される
エントリースタンダードにしたがって
日本代表選手を最大限、
出していきたいというスタンスですすめてきた。
そういう形で要項を作ってきた。
今回、不備がうまれたのは、
国際陸連からのエントリースタンダートのなかに
個人競技者という項目の2番目の最初にある
エリアチャンピオンは個人種目においては出場権を獲得できる。
ただし、10000m、3000mSC、混成、ロードにおいて
競技のレベルにもとずいて人数制限をかけるということも
ありえるというもの。

これについて日本のアスリートが
ここにひっかかるとは考えていなかった。
右代選手はアジアチャンピオンである前に
リオオリンピックの代表でもある。
この条項にひっかかるとは思っていなかった。
想定、見積もりが甘かったということであった。

これはいいわけになってしまうが、
今回の世界選手権はワールドランキングが適用されることで
すすんできたが、最終的には標準記録になった。
これがわかったのが去年の末くらい。
選考競技会がはじまる前にわれわれは
選考要項をつくらねばならなかった。
そのためワールドランキングを想定して要項を作ってきた。
今回の選考においても日本選手権とワールドランキングから選ぶとあり
スケジュール的にIAAFより先に要項を作る必要があった。

その上で、現在に至る経緯と状況について

9月6日金曜日。IAAFから条項の対象者として
右代選手がはいるという連絡があった。
これを日本陸連も認めるわけにはいかないので
IAAFが地域選手権の価値をたかめていこうという取り組みをしていること。
東京オリンピックではワールドランキング制を採用すること。
そして、右代選手のランキングは現在25位。
競技進行のさまたげになる選手ではないことを主張した。


9月8日に担当の松田コーチに連絡。
松田コーチに現状を説明するとともに、
右代選手を指導する岡田監督に状況を説明してくれるよう依頼をした。
岡田監督とも相談。
「日本陸連も期限までやれる手を尽くしてほしい」という意向をうけ
本人にはまだ伝えないこととなった。

9月9日深夜、IAAFより検討した結果、
右代選手のエントリーは認められないという見解がきた。
9月10日に松田コーチに連絡。
「世界陸上へのエントリーができない」ということを
松田コーチから改めて岡田監督に伝えられたが
これからでもできる限りの手を尽くすことを約束した。

日本陸連では他国の状況、特に近隣諸国の状況、
アジア選手で優勝した選手の状況を調査を開始。
ファイナルエントリーは15日までなので
追加エントリーの可能性、
つまり、アジア選手権の優勝を考慮してほしいと
IAAFに要望をだした。

9月13日
IAAFより追加はないという連絡がきた。
最終的に参加選手が決まるのは
IAAFからエントリーリストが発行されてようやく決まるもの。
現状ではスタートリストには載せてもらえない状況にある。

9月14日
松田コーチから岡田監督にも
追加エントリーはないという状況は伝えられているが、
この時点では本人には伝えられていない。

9月15日はMGC。

9月16日の午前中に壮行会を翌日にひかえ
本人が知らない状況はまずいとなり
強化委員長からも岡田監督に
本人に伝えてもらえるよう要請をしたが、
ギリギリまでがんばって手を尽くしてほしい。
という要望もあり、本人にはつたえられることはなかった。

17日午前中、陸連事務局長から
今日の午前中にも話ができないかと打診したが、
そのまま伝えられず壮行会がはじまり、
その後、右代選手からツイートがあった。

こういう思いをさせてしまったことを
申し訳なく、残念でもあり、無念である。
リオオリンピックで、
塩尻選手がギリギリでエントリーが出た例もある。
まだ諦めてはいない。
しかし、ここでくじけることなく
来年は東京の舞台にたってほしい。

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