大塚澪 単独ライヴ S.O.S! ~Sexy Otsuka Showtime~ のこと

最初に単独公演が発表された時は、軽くお喋りしながらネタもちょいちょい挟みつつやるんかなあくらいに思ってたけど、乳福神ラジオだかインスタライヴかで「1人でネタのみ」って言ってて、“そんなストロングスタイルで?!”って思った。
だから、1週間くらい前からほんとに心配だったの。
“うまくいくかなあ”って。
まぁでも観る側が心配しても仕方ないし、1番大変なのは本人だから、当日は気楽な気持ち行こって思った。
そう、気楽に来過ぎて、難波の駅に着いた時に肝心のチケットを持ってくるの忘れたことに気付いた。
だって基本、本公演もセカシアも事前に予約しといて現地で発券、もしくは座員さんから直接買うか置きチケだから。音楽のコンサートも最近はスマホのデジタルチケットだしね。
一瞬とはいえだいぶパニックになったよね。ほんとに引き返して帰りかけた。
でも、チケットを買ったことを証明できれば入れるかもしれないと思い、家族に電話して、チケットの写真を送ってもらった。
そして最寄りの出口に向かい外に出る。雨だった。
「チケット忘れるような奴は来んな!!」って言われてるような気分になった。
出たのは大きい道沿いで“心斎橋筋はどこ??”と少し迷ったが、持ち前の空間把握能力の高さですぐに分かった。
ライヴ会場に到着するもまだ入れるか分からないからドキドキ。開場時間になって、置きチケをさばいてるスタッフさんに事情を説明して写真を見せた。無事、入っても良いとのこと。
席に着く。
開場から開演まで15分なので、まもなく始まった。

[OPコント]
暗転の中、マネキンの胸部が置かれる。
“自分が大塚澪をTVで初めて認識したであろうあのネタだ”と思った。
が、出てきたのは巫女姿の澪。呪われたマネキンを除霊するという設定。マネキンの除霊を依頼しに来たのは肝試しでどこかからマネキンを持ち帰った男性、でしたっけ。
その男性に対し毒づきながらも除霊する澪。呪いの力が強く、普通の手段では除霊できないので、最終手段としてオペラ曲の『魔笛』を歌いながら、マネキンを亀甲縛りする。
そう、このネタをTVで見て彼女を認識したの。
[本編コント①]
『当たり屋はプロレスラー』、そう勝手に名付けました。
これはね、ちょっと僕には難解でした。パッケージはめちゃくちゃおもしろいんだけど、正面からストーリーを読み解こうとすると“ん?”って思うところが2,3あった。
ひとつは、当たり屋で生計が立てられるくらい儲けられてるのになんでプロレスラーと2足の草鞋である必要があるのかということと、「プロレスラーだから痛がるのが上手」という旨の台詞。
人によって解釈が違うし、自分が部分的に聞き逃してたのかもしれないけど、もうちょっと説明が欲しかった。
けど、このコントでのダイナミックな演技は今まで見たことのない澪の一面でした。
[本編コント②]
『カウトーク』
牛牧場と田舎訛りという設定で、昔の新喜劇を思い出しましたね。すっちー座長が座長になって2,3年目(2015,6年頃)くらいかな。清水さんが大阪での暮らしが嫌になって、北海道の牛牧場に就職するという新喜劇。
このコントはAIアプリを使って牛と会話するという設定。最初のイメージでは乳牛だったんだけど、肉牛なんです、これ。だって乳牛だったら雌になっちゃうもんね。それは台本上弊害あるからね。いや、でも乳牛(雌牛)ver.があってもおもしろいかもよ??
このコントはわかりやすく、おもしろかったです。好きな方向性のネタです。
[本編コント③]
『路上詩人はクレーマー』
このライヴでのネタは毒づくものがとても多いのですが、このネタがもっともそれが色濃く描かれたものだと感じました。
そうね、このネタを単体で見ればとてもおもしろいと思うのだけど、正直な感想としては、毒づき系のネタを立て続けに見た上でこのネタは少し胸焼けするような感じになってしまった。まぁそのへんはお笑い的な好みで感じ方が違うのでしょう。
このネタの中のエピソードや台詞には一部、澪のお父様の実話も含まれているそうです。
[本編コント④]
『貴族の授業』
鉄板ネタです。フリップを使って、普通のことをポエティックな文に変換してオペラで歌い上げるネタ。今のままでも十分おもしろいとは思いますが、中身をもっとブラッシュアップしていけばどこでも通用すると思います。賞レース優勝も全然有り得る。
[EDコント]
OPと同じ巫女の格好した澪が再登場。神社の神主さんと会話する設定。
その会話の中で本編コントで使われたフレーズがいろいろ飛び出して回収されていくの。
それと、本編コントの幕間では直前にやったコントのその後やスピンオフが澪のナレーションで語られるの。
音大出身の澪らしい、前奏・間奏・後奏がある構成。ひとつのネタが1曲なのではなく、ライヴを通して長い1曲を奏でたかのような。前奏(OP)の伴奏(設定)を後奏(ED)にも用いて違うメロディ(ネタ)を奏でて完結させたのも非常に音楽的であると思った。
最後、EDトーク。入澤くん来た。なんか安心感。何を話したのかは忘れたけど、X(Twitter)の配信でやってた乳福神ラジオを生で聴いてるような雰囲気がとても心地良かった。

そんな感じで、無事終了しました。
“うまくいくか心配”とか思ってたわりには、批評的な目で見てしまっていたわ。
それくらいちゃんとした立派な内容だったってこと。ファンを不安にさせたりしない。
ネタに関してはすごく良いものもあれば、もうちょっとっていうのもあったり。
好きだからって、手放しで全肯定するのは違うでしょ。ね??好みもあるし。

後に冷静になって気付いたけど、芸人さんの単独ライヴってこれが初めて!!
だからいつものNGKやセカシアの公演を観る感じで観てしまってたんやけど、初の単独で1人で満席にしてあのクオリティってすごいんじゃない??って、後になって思った。ネタの傾向同じって書いたけど、そりゃ同じ人がやってるからそうなってしまうよね。

最初に大塚澪に関心を持ったのって、去年の座員総選挙の時。自分が1番推しの座員さんとSNSの写真でよく一緒に写ったりしてたから。この人もフォローしとけばおこぼれでその1番推しの座員さんの写真とかちょっとした情報とか見れんじゃね??くらいの気持ちで。
で、1番最初にコンタクト取ったのはあれだっけ。1番推しの人がちょっとだけお休みして、死ぬ程心配してinstaのストーリーズからメッセージで“○○さん大丈夫なんですか?!”って送ったの。
その翌月くらいにセカシアのネタバトルイベントとXmasのZOOMイベントで初めて会ったんだっけ。
その時点でも1番推しの人は劇場出番はなくて、ずっと不安で心配で、でもどうしようもないから半分すがるような気持ちで行ったのよ。
どうにもならないけど、この人だったら自分のそういうネガティヴな気持ちを軽減してくれるんじゃないかなって、思ったから。

最初の印象は、巨乳とエロを売りにしてるだけの人、だった(させん)。
ずっと見続けてたら違った。
明確なヴィジョンを持ちながら、それに向かって何が必要か取捨選択しながらやれることをきっちりやる、聡明さとヴァイタリティを持ち合わせたひと。
自分にはとても真似できない、尊敬できる部分も持ち合わせてる。

だから今回の単独公演に辿り着いたのって、個人の成功モデルとしてすごく良い例なんじゃないかなって………、———なんか話が飛躍して、褒め過ぎか。
このくらいで、まだまだこれからやし。
これからも、目が離せない人物の1人ですね。

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