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薬物事犯の自叙伝 ✖︎ 3

2016年に薬物事犯で逮捕された有名人3人の自叙伝。
同時期に逮捕されたので依存症業界では「花の2016年組」と呼ばれてるらしいです🫢

この3冊、クラファンで全国の矯正施設に寄付しよう!という運動があり、無事に寄付ができたそう。

3冊に共通するメッセージの1つは
「薬物をやめ続けるのには支援が必要!」
ということかな?

自助グループでは仲間という言葉をよく使うイメージです。
「クスリやめたきゃ仲間の元へ行け!」

カッコ内は同義語です✋
(えこち解釈)

3冊を比較しながら、感想述べまーす。
ネタバレにならない程度に感想をさらっと。
独断と偏見による有名順にいきまーす。

薬物依存症 清原和博

生育歴 : どのように風に大人の階段のぼったか

ここで書かなくても、言わずもがな。
幼い頃から活躍して高校生の時には記憶と記録を残した有名な元野球選手ですね。

大人とはなんぞや、を親だけでなくたーーーーくさんの人から教えてもらったでしょうね。

たーーーーくさんの人から
ってところが有名人ならではの良し悪し。

オトナがそれぞれの価値観のもと、善意、時には悪意のもと、大人とはなんぞやを清原さんに教えてだんだろうなぁと、知らないプロ野球やマスコミなどの世界を想像してます。
いろんな教えがあって、取捨選択するのは大変だっただろうな。
もしかすると、この取捨選択がうまく出来ない末の薬物との出会いだったのかなぁ。

人としての弱さ : 薬物は弱い人間が使うのか

この記事で3回言います。
1回目です。

人としての弱さ、意志の弱さと薬物使用は無関係です。

まだまだ未熟者ですが、依存症の勉強をしていて知識として身につけた1つです。

プレッシャー : 有名人(人前に出るお仕事)であることは影響してるのか


有名人であること、というより本を読んでいてプロスポーツ選手でありスターの清原さんの抱えるプレッシャーは尋常じゃないと感じました。

大きな仕事の前のプレッシャー。
大事なプレゼンを終えた後の開放感。達成感。
サラリーマンでも経験することと同じことをプロ野球界で経験されていると思いますが、プレッシャーも開放感も達成感も桁違いですよね。

幼い頃からスター選手だったわけで、引退後に空虚感に苛まれるのも自然だなと。
定年退職後に図書館にあふれる居場所なくしたおじいちゃんたちと心理は一緒ですよ。心のポッカリ度が桁違いなだけで。

虚無感、その穴を埋めるためにおじいちゃんは図書館へ、清原さんは薬物へ少しずつ近づいた、、、のでしょうか。

また金銭感覚がサラリーマンと桁違いなのも悪しきものが歩いてくる一因ですよね。

ギャンブル依存症では、遺産で多額のお金が手元に来ることで、趣味だったギャンブルが依存行為に変わることも珍しくないそうです。

宝くじの高額当選者の人生が狂う、なんていうのもバラエティニュースになったりしますよね。

人気プロスポーツ選手で多額の富を得ることが作る価値観は時に酷なのかもしれません。

依存症 : 依存症なのか

専門のお医者さんを受診して、依存症だと診断されたそうです。

ちなみにお酒大好きな人が
俺アル中だから〜
とか言ったり、周りが揶揄して
ある人アルコールに依存してるよね
なんて言ったりしますよね。
そんなセリフを耳にすることもあるかと思います。

たぶんそれ依存症ではないです。
お医者さんじゃないから断定できないですが、

「やめたいと思っているのにやめられず、その結果心と体の健康が侵される。さらに、生活する上でやるべきこと(睡眠、食事などの基本的な生活習慣や仕事、学校など)が、やめたいと思っているもの・ことでうまくできなくなっている状態」

依存症とはこんな風に説明されます。

なので、サラリーマンで毎日お酒飲んで騒いでも、自分の身の丈にあった金額を使い、仕事をしていれば依存症ではないのです。

毎回数十万円ギャンブルに使ったとしても、月収が7桁でギャンブル以外は質素な生活に満足していれば趣味の範囲で遊んでいるだけなのです。

依存症ではなくても、飲酒量によっては内臓疾患を引き起こす健康被害の確率が起こったり、ギャンブルによる金銭感覚のズレから他の金銭トラブルを巻き起こす可能性が高くなったり、上二つの例はそれ以外の問題が起こりそうですが。
依存症ではないのです。

あ、清原さんから話それた。笑
依存症というテーマから話それますが、本の中で清原さんは質素に暮らすこと(清原さんにとっての質素。たぶん普通の人の普通の暮らし。今までが豪快すぎたのだと思う。)で得られる喜びが心地よいということも書かれています。

自助グループ : 自助グループにつながるべきか

担当医からずっと勧められていて拒否していたけど、意を決して参加したらとても気持ちが楽になったそうです。

この3人に限らず、自助グループにつながり、居場所を感じられた人たちは自助グループの存在の大きさをとても強く語ることが多い印象です。

松本俊彦「薬物依存症」という本で、自助グループで成功するのは依存症患者のエリートという記載もあります。

自助グループについてはまた書きたいなぁ。

人生の棚卸し

自助グループの活動の一環で行う事が多いようです。

就活の時に自己分析した方も多いのではないでしょうか?

何か大きな壁や人生の節目で、自分の人生を振り返り、得られる気づきってありますよね。

犯罪という大きな出来事を無かったことにせず、
清原さんの例だと、
薬物を見ないふりせずに再使用せずに生活するために、
人生の棚卸しのための著作なのかなぁなんて勝手に思っています。

啓発活動

今回の本の3人の他数名で行われた厚労省のイベントにでた様子が本に書かれていました。清原さんのYouTubeでも薬物関係のことを話しているものもありますよね。

ちなみに清原さんが取りたいと書いてる依存症予防教育アドバイザー、わたしも狙ってます!

依存症予防教育アドバイザーとは、、、
NPO法人ASKが主催している資格です。
厚労省から補助金を得て行う事業だそうで、今年は秋に開催されています。来年いつ開催されるかは補助金次第なのでまだ未定だそうです。また、毎回応募者が多く、選考漏れする方も一定数いるそうです。来年は取りたいなぁ。


高知東生 生き直す

生育歴 : どのように風に大人の階段のぼったか

壮絶です。
一般家庭とは程遠い。
何をもって一般というか、人によって違うけど、それでも言える。
一般家庭で育っていない。

本かYouTubeでご自身のことをアダルトチルドレンだと思うと話してましたが、うーん、、納得するかも。

やくざの抗争に巻き込まれて、目の前で母親が背中を日本刀で切られるとか。
そんなエピソード満載です。どのシーンを切り取っても再現ドラマができそうです。

詳しくは本やYouTubeでどうぞ。

人としての弱さ : 薬物は弱い人間が使うのか

はい、2回目。

人としての弱さ、意志の弱さと薬物使用は無関係です。

人間みんな弱さも強さもあるもんね。

でも、弱さにつけ込むのが上手なのが悪なのかも。薬物しかり、他の犯罪しかり。

高知さんも弱い人間だから薬物使い続けていた訳ではないと思います。

もってる強さで弱さをカバーするのがちょい下手だったのかな、と。

プレッシャー : 有名人(人前に出るお仕事)であることは影響してるのか

有名人の影響より、育ってきた環境とかそこで培われた立ち居振る舞いとかで、目立つこと≒有名人になりたいという意欲を即断しやすい思考回路なのかなぁと推測しています。
目立つことで自分を奮い立たせていたり、価値を測っていたりすることもあったのかなぁとも。

その延長線上に薬物があり、手を出すことになってしまった、、みたいな。

本人が読んだら、いやいやいやいや〜と思うだろうけど、noteの一記事として読んでもらえたら嬉しいです。

依存症 : 依存症なのか

高知さんも清原さん同様、専門のお医者さんを受診して、依存症だと診断されたそうです。

依存症は慢性の病気。つまり一生完治しない病気です。一生付き合わなくてはいけないのです。

これを宣告されたら、、、へこみますよね。

でもね。一生の病気だけど、薬物を使わずに生活を続けることもできるのですよ。

糖尿病が治療を続けていれば悪化せずに生活できるのと同じですかね。
糖尿病だと納得されるけど薬物だと違和感を持たれてしまうのは、やはりまだ薬物依存症とはどんな病気なのかが知られてない証かな、なんて思います。

自助グループ : 自助グループにつながるべきか

この方はとても自助グループ推しですね。
本でも書かれてますが、YouTubeみれば自助グループに助けられてることをよく口にされています。

今はどの程度自助グループのミーティングに参加されているのか、ちょいと気になる。
忙しいから全然行ってない、、、なんてことだったら悲しいな。(どの目線で悲しいと言っているんだか。笑)

人生の棚卸し

とても辛い作業だったことが書かれています。

アダルトチルドレンだとしたら、その過去に向き合うのはとても重労働です。できたら誰かにケアしてもらいながら行うのが良いくらい。

どの程度詳しく棚卸ししたのか知らないですが、一つの作業をやり切ったということが薬物に向き合い、前に進んだと感じられるんじゃないかなぁと思いました。

啓発活動

いまもYouTubeでバリバリ啓発してますね!

わたし海外の俳優にとても疎いので名前全然知らないのですが、海外には薬物やアルコールなど依存症になっても、治療をしたのち、芸能界に戻ってくることも珍しくないそうです。

芸能界に戻ってきた人をサバイバーと呼ぶそうで、高知さんは日本のこれを目指しているとか?


塚本堅一 僕が違法薬物で逮捕されNHKをクビになった話

打ち込んで思いました。
長いタイトルだ、と。笑
最近のちょい長めのドラマのタイトルが略されるのもわかるわ。笑

茶化しました、ごめんなさい。
前書きにも書かれていますが、はからずも薬物の世界に身を投じることになった塚本さんが薬物に対する偏見をなくすためにこの本を読んでほしいと。随所に塚本さんの柔らかい人柄が伝わってきて、個人的には3冊の中で1番好きな本でした。


生育歴 : どのように風に大人の階段のぼったか

特段書かれてないですが、NHKのアナウンサーという狭き門をくぐった優秀な方なのだろうなと想像しています。

人としての弱さ : 薬物は弱い人間が使うのか

3回目!

人としての弱さ、意志の弱さと薬物使用は無関係です。

塚本さんってとても繊細で、自分より他人のことを先に考えちゃうタイプの人なのかなぁなんて思いました。石橋を叩いて渡る的な慎重さも感じました。

そんな塚本さんがなぜ薬物に手を伸ばすことになったのか、については本をご覧ください。

プレッシャー : 有名人(人前に出るお仕事)であることは影響してるのか

薬物を使った経緯に有名人としてのプレッシャーはないように感じました。
が、逮捕後に公共放送機関の職員、ということが重くのしかかったようです。
そりゃ、アナウンサーじゃなくても大企業で犯罪犯したら居場所見失いますよねー。その感覚かな?

逮捕された後も、退職後の初仕事のフォーラムの司会の時も、NHKの職員としてという目線を常に持って(持ち過ぎたがゆえに必要以上に苦しくなってたようにも感じる)、考えて行動しているのは、社会人として見習うべきところだとも思わされます。

依存症 : 依存症なのか

清原さん高知さんと同じお医者さんを訪ねて、依存症ではないと診断されたそうです。
じゃあ2人に比べて軽症なのか、というとそのベクトルだけではかる事ではないと思います。

違法薬物に手を出したのはご自身ですが、職を失い、心のバランスが崩れて、うつ病を発症されたそうです。

薬物使用の二次的被害で苦しんだのだろうなと想像します。

自助グループ : 自助グループにつながるべきか

結論、塚本さんも自助グループにいかれたそうです。

得体の知れない団体に潜入捜査の気持ちでいく、
というようなことが書かれていました。職業病を発症してるな、と読みながら笑ってしまいました。でも職業病発症するくらい、お仕事好きだったんだろうなと思うと切なくもなりますね。

薬物に問題を抱える人に偏見を持って欲しくないという思いもあり、本を書かれてそうです。

自助グループでたくさんの薬物依存症を発症してる人にあったけれど、ヘロヘロのゾンビみたいな人はいないと。

ドラマ相棒でシャブ山シャブ子さんが放送されて問題視できる人を増やすことが大切だなと思います。

啓発活動

YouTubeやラジオなどで塚本さんをお目にかかります。東ちづるさんなどエネルギーが全面に出る方といると塚本さんの良さが引き立たされるように感じます!


雑記
自叙伝って読みやすい。そういうイメージありません?
内容が重くてもサラーっと読めちゃう。

みんな人としての生きてるから、生きてる人の物語は自分とは違っていて想像しやすくのめり込みやすいからかな?

というわけで、どの本も読みやすいです。
それぞれに著者の人柄が滲み出るから面白い!
有名度は清原さんがダントツだけど、わたしは塚本さんに啓発活動がんばってほしいなぁと個人的に思います。
人前に出る仕事で有名人といえど、やはり元一企業のサラリーマンですからね。一般人なんですよ、塚本さん。感覚も一般人。なのに薬物によって謎に有名人にされちゃった。感覚も狂わされちゃった。その辺のバランス感覚がみていて心地よいのです。なんか塚本さんの喋りとか話されてる内容って安心感があるんだよなぁ。派手さはないが確実性は高い。みたいな。

最後は謎の塚本さん推しになってしまいました!笑



薬物やってる人は終わってる。
褒められた人間関係を築けない。
自分にも甘い、だらしない人が薬物をやる。
そしてやめられなく、もっとだらしなく堕落していく。
さらに犯罪者。

こんなイメージを持たれる薬物。
この五行では最後の文だけは事実ですが、それ以外は意義ありですね。
犯罪者であったって、罪を償い真っ当に生きる権利は持っている。
でも薬物やってるんだもんねぇというレッテルがつきまとう。

そんな中で本を書いて自分をさらすのはとても勇気のいる行動だったのだろうなぁと思います。
でも本を書くことでご自身の回復への道をご自身で作られてるのではないかとも感じました。

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