見出し画像

英語力だけでは不充分?TOEICスコアを伸ばすには

twitterでは便利な表現を配信中!

 みなさん、ごきげんよう。

 ある生徒とカウンセリングをしていた時のことです。その方が過去の英語学習について話してくれました。

 その方は以前、シャドウイングを中心とした指導を受けていたらしいのです。「とにかく耳で聞いたことを真似して言ってみましょう」というメソッドで、よく意味の分からない英文をひたすらシャドウイングしていたそうです。

 その方としてはTOEICのスコアが必要だったそうで、教師にもその旨を相談してみたところ、「シャドウイングをしていればTOEICのスコアも上がる」と言われ、その言葉を信じて毎月TOEICを受けたそうですが、スコアは上がるどころか下がることもあったそうです。

 私はこの話を伺ったときに自分の中に沸き起こる憤慨を抑えられませんでした。

 こんなことを言う英語教師がいるのか!これでは真面目に勉強している生徒を食い物にしているようなものだ!

 言葉が過ぎるかもしれませんが、同じ英語教師としてそう思わずにはいられませんでした。

 今回はTOEICのスコアを伸ばすために必要なことを考えてみたいと思います。努力を無駄にしないために参考にしていただければ幸いです。

1.何が試されているかを知ることが大事

 当たり前のことですが試験を受けるときには何が試されているかを知ることが最も大事です。

 TOEICの公式サイトを見てみると<「聞く」「読む」英語力を測る>という記述があります。英語のテストですから当たり前のことです。

 しかしさらに子細に見てみると「問題用紙に印刷された図などで見た情報を関連づけて解答する設問もある」「設問を読み、4つの答えの中から最も適当なものを選び解答用紙にマークする」という記述があります。

 近年のTOEICに顕著な傾向ですが、TOEICは単に英語力のみを測るのではなく、「情報を収集する能力」や「適切な選択する能力」が試されているのです。

 これはTOEICが主にビジネス界での英語力の指標として活用されるということを考えれば当然と言えるでしょう。単に英語が「聞ける」「読める」だけでは物の役には立たないのです。

 この点を意識することなく「とにかく英語力があれば大丈夫!」と考えるのは危険です。もちろん英語力は必要ですが、そこにプラスアルファが必要なのです。

2.文法問題ばかり練習しても…。

 市販のTOEIC対策本の中には文法問題にアクセントを置きすぎているものが散見されます。

 それを素直に信じて「日本人は文法問題でスコアを稼がねば!」と頑張っている人もまだまだたくさんいらっしゃいます。

 しかし現在のTOEICでは文法問題はほぼ皆無です。Section5でも文法問題よりも語法問題が主流になっています。しかも素早く内容を理解しないと正答が得られない語法問題がメインになりつつあります。

 文法偏重型の対策本を信じて学習する人に罪はありません。罪深いのはそういった本を「TOEIC対策本」として出版する著者であり出版社です。

 私はTOEICでスコアを伸ばすために文法が不必要だとは全く思いません。文法はリーディングやリスニングの基礎ですから、文法学習は決定的に重要です。

 しかし文法問題学習に過度のアクセントを置くのは考え物です。出題されない問題に時間をかけるのは賢明な学習法とは言えません。

3.効果的な学習素材を選ぶことが重要

 大切なのは効果的な学習素材を選ぶことです。このポイントを外してはせっかくの努力が無駄になってしまいます。

 たとえば多読段階に入った後のリーディングではTOEICで問題となりがちなトピックを扱う素材を使うべきです。

 英字新聞を読むにしても政治関連の記事や社会面記事などを読んでもTOEICとはつながりが薄いので効果が出にくいのです。やはりビジネス記事を読むべきです。

 リスニングの練習をするとしても政治関連のニュースをたくさん聞くよりはビジネス関連のニュースを聞くべきです。

 自分で素材を見つけにくいならば公式問題集をやりこむことが有効です。公式問題集をやるときも最新のものからやるべきです。そして余裕があれば徐々にさかのぼって古いものをやっていく方がよいでしょう。

 TOEIC用の単語集を選ぶ時も慎重になった方が良いでしょう。TOEIC関連の教材は、はっきり言って玉石混交状態です。非常に良心的な、TOEICをよく研究しているものもあれば、英検対策本や受験英語対策本を焼き直しただけのようなものもあります。

 SNSが隆盛の時代です。口コミなどを参考にしながら自分に合いそうなものを試してみるのが良いでしょう。

4.基礎英語力をつけた後は情報収集がすべて

 もちろんTOEICは英語の試験ですから基本的な英語力は不可欠です。しかし現在のTOEICはそれだけでは高いスコアは望めません。

 独学で勉強を進めるにしても、スクールに通うにしても、最初は多少時間がかかっても慎重に情報収集をしましょう。

 独学で教材を使って勉強する場合は「見切りをつける」ことも大事です。「せっかく買った本だから…」と最後までやり切ろうとする気持ちはよく理解できますが、「これはちょっと…」と思ったら思い切ってほかの教材に乗り換えることも大切です。

 スクールの場合はそうもいきません。初期費用も掛かりますし、簡単に他のスクールに乗り換えるわけにもいきません。ですからスクールに通う場合は事前の情報収集をしっかりしましょう。できれば実際に通った人の声を聞いておきたいものです。

 TOEICには賛否両論あるとは言え、社会的にはまだまだ信頼されている指標です。就職や昇進の条件にTOEICのスコアを要求する企業は増えるばかりです。

 TOEICのスコアを真摯に求める人の数が増えるに比例して、そこをビジネスチャンスととらえる人も増えるのは仕方ないことですが、先ほども言ったようにTOEIC指導業界は玉石混交です。

 時間や努力、お金を無駄にしないためにもまずはTOEICという試験をしっかりと知って、情報を集めて、自分に合う選択を行うことが重要です。

 最後まで読んでくださりありがとうございました。
 この記事がお役に立ちましたらぜひ「いいね」「フォロー」をお願いします。
 それではまた。ごきげんよう。


この記事が参加している募集

スキしてみて

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?