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象と話をした少女

 11歳の少女レイが主人公の絵本『象と話をした少女』(文芸社)。ゆめのロバさんの文と高岡洋介さんの絵、2016年に出版。どことなく昭和の香りがしてきます。それは、物語の作者の口をついて出た「メロディ」、挿絵ならぬの挿し歌の譜面も載っているのですが、その雰囲気も昭和の香りが漂います。

 レイは、多くの人とはちがって、象とコミュニケーションが取れて、レイ自身が大きな耳を持っていて、象とは耳を使ってコミュニケーションをとることができ、山中で飛行機事故にあったときに(乗客は全員助かった)、象が現れ、レイは象の子どもが病気だと話ができ、そこで、乗客として乗り合わせた医者と共に象を助け、その後、象の仲間は、事故にあった飛行機の乗客を助けてもらう、というお話。

 この絵本を読んで、幼児向けではなかったこともあり、パッとは感想を言えない感じでした。

少女は、普段は大きな耳を隠しながら過ごしていました。象のことを小さな頃から大好きで、動物園に出かけても一日中象の小屋の前で過ごし、そんなレイを、おばあさんはやさしく見守り続け、海外の象のいる動物園に行こうとした飛行機で事故に遭遇です。その山中で象が現れ、レイは大きな耳をはためかせ、象と話し、その話をする姿を乗客は驚きながら見ている…。

個性的に描写されている少女レイ。おとなの私の読後感は、おもしろかったというより、物語の作者はいったいどういう人なのだろう?という思いが募った絵本でした。