Chihiro Urashima

舞台作品における「演出」についての卒業論文を公開しています|mist63chr@gmail.com

3-1-a.) 「死なない」エレクトラ / 「死んだ」オレスト

インタビューに際し、まず私が明らかにしたかったのはやはり終局の「立ち尽くすエレクトラ」に込められたエーラトの解釈である。  フロイトは『ヒステリー研究』において...

第3章 エーラト演出についての解釈の試み

2012グラーツ『エレクトラ』を土台としてエレクトラの「死」というものを考えるにあたり、2013年9月13日、私は幸運にも上演地であったグラーツにおいて演出家エーラト氏に...

2-2. 分裂する評価 ―レジーテアターか「原作への忠実さ」か

では、この2012グラーツ『エレクトラ』に関する実際の批評を確認していきたい。  多くの記事において一貫していたのが、エーラトの「磨きのかかった演技指導(die ausgef...

2-1-b.) 変形するタナトス

次に、『エレクトラ』におけるタナトス(死の欲動)の要素を考えてみたい。  フロイトはこの死の欲動について、「自我とエス」では 外界ならびに他の生物を標的とする破...

2-1-a.) 抑圧されたエロース

『エレクトラ』において「性」の抑圧という要素が最も顕著に語られるのは、再会を待ち望んでいた弟に対し、エレクトラが自身の「女の成長」を語る場面であろう。この部分は...

2-1. フロイト精神分析と『エレクトラ』

今回2012グラーツ『エレクトラ』の上演全体としての評価は基本的に各批評家がレジーテアター(Regietheater)に対してどのような立場をとるかで二分された。  レジーテア...