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3mリードで犬の引っ張り癖は直るけど直らないこともあるよ

最近では、犬のお散歩トレーニングをするのに3m以上のロングリードを使うことが多い。
イタリア発(だったと思う)のこのトレーニングは、簡単に説明すると、通常犬は3m以上飼い主から離れないので放っておいても自発的に飼い主の元へ戻ってくる。
そこをトリーツなどを与えて正の強化をし、引っ張らない犬に育てていくわけだ。

日本でも多くの子は、このトレーニングがうまくいくと思われる。
本来満たされるべき欲求が満たされていて、パピー期に社会化に成功している子なら、このトレーニングはとても良い。

だが、うまくいかないケースももちろんある。
そんな時、トレーナーにこう言われたはずだ。

「30分ほど遊ばせてからトレーニングしましょう。」
「外の刺激よりも魅力的なトリーツを見つけましょう」

実は、3mリードを使っても、
【戻らない・振り向きもしない・がむしゃらに突っ走る】
子は結構いる。

これは、体力が有り余ってるとかトリーツに興味を持たせるとか言う問題では無い場合がある。

海外から入ってくるトレーニング方法で、そのことに触れている文献を見たことが無いのは、欧米には少なく日本に特有のケースだからではないか?

以前書いたように、日本には8週齢前の販売に規制が無く、販売後のケアもできるインフラがないので、子犬の社会化が未熟な場合がほとんどだ。
そのことによる

認知機能の低下

が、欧米には少ない引っ張り癖を産み出していると考えられる。https://note.com/elfdogschool/n/nc44f937678d6
その証拠に、引っ張りが酷く、振り向きもしないトリーツも食べない犬に、認知機能を高めるトレーニングを施すと改善することが極端に多い。

3mリードトレーニングは犬に負担をかけないし、結果も出るトレーニングだ。
しかし、どんな素晴らしいトレーニングも方法ありきで考えてはいけない。

欲求を満たすには犬の動物行動学を理解すべきだし、認知機能の向上はドッグトレーニングとは別の概念だ。

問題と思われる行動には、こうして様々な要素が複雑に絡み合っている。

この方法こそパーフェクトなんて方法は皆無

だし、ポイントのズレた指導をして改善するわけないのに「トレーニングはショートステップで前進を目指しましょう」なんてすぐ言うトレーナーを選ぶべきではない。