人生を損なう「面食い」という病

「面食いを自称する容姿のイマイチな人」を何人か見かけるのだが、やはり本人の容姿に難があるためか、希望しながらも結婚出来なかったり、大幅に遅れて容姿が並以下の人を掴んでいたりする。

そんな人々を横目に見ながら、顔にこだわっても良い人は掴めないけどなあ…などと思っていたのだが、最近になって「面食いと言いながらも、その実、顔そのものはそこまで重要でなかったのでは」という気がした。

過去見てきた中で悲惨だったのが、クズ拾いのボランティアをしているのかと思うほどクズにばかりぶち当たっているメンヘラ気質の女性だった。
本人は良い男を選んでいるつもりなのだが、誰一人としてマトモな人がいたとは思えないので、さすがにもう少しマシなイケメンもいるだろうに…などと遠くから眺めていたのだが、とどのつまり

彼女はクズが好みであったのだ。

基本的に男にはややアスペ傾向があり、悩みに悩んだ末「ひとり暮らしの彼女にはこれが必須だろう!」と電動ドライバーセットをプレゼントしてしまうとか、「俺の好きなものを彼女とも共有したい」と思うあまり、蒼天航路全巻セットを贈ってしまうような剛の者が割といる
当然のごとく贈られた側は9割5分当惑するのだが、本人は至って真剣であり、周囲から指摘されてズレに気付ければ良いのだが、勘が悪いといつまでも己の失敗に気付かない。
そしてこういう人はまずモテてはいない。

彼女は「好みの顔であるのはもちろん、ユニークで優しく気遣いが出来てコミュニケーションにも苦労しない空気の読める男普通」などとファンタジーに浸っているのだが、その条件を満たすのはお調子者でやたらと嘘を吐き、かつ浮気癖のあるモテ男が多数を占める。
コミュ力の高いクズはモテるのだ。(女の場合は全方位に愛想を振り撒き、釣り針を数多く垂らしながら人を利用するタイプが相当する)

とは言え、大多数は主に外見から入るはずで、面食いだけが何故割を食うのかと言うと、人を見る能力が極端に低い事に尽きる。
いつまでも年相応の能力を得られないため、恋人に裏切られるばかりか、通常の人間関係でさえ選択を誤り、自分に都合の良い解釈をしてどんどん人生を損なっていくのだが、本人がそれを自覚する事はほとんどない。

前回の「危険な人物の見分け方」とも被る話になるのだが、こうした人は騙されていても騙されたと気付く事すら出来ない事がままある。
また餌食になっていてやがて離れた場合でも、方向性が違っていたとか相手に合わせられなかったなどと言い、何故か好意的に解釈している場合も少なくない。そのため反省する機会を得られず、年を取っても一向に磨かれていかないのだ。

「面食い」というのは顔だけを差すのでなく、話し方や声のトーン、所作、表面的な印象までを含めたものであり、パッと見良さそうに見える者に好感を抱き、疑うことをしない時点で、詐欺師に騙されやすいカモと同じ人種だと言えるだろう。



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