偏差値45~55の世界で

自分自身について、しばしば「偏差値45~55の世界に生きている」という話をするのだが、これは自分の能力と周囲の環境の事であり、友人にその話をすると「まあ、そうだろうな」という反応なのだが、相手が同僚の場合は同意しつつもどこか不満げな顔をされる事がある。
おそらく「は?…私はもっと上ですが?」と自身を評価しているのだろうと思うが、もちろんそんな事は全くない。
もしそうなら、君はとっくにこの会社を飛び立っているはずだ……などというと、波風が立つので言わないでいるが。(このテの話をすると厄介な自意識の持ち主の炙り出しにはなるが、ほぼ間違いなく悪感情を抱かれるので理解がありそうな人以外にはしないようにした)

偏差値45~55というと、上位30%~下位30%の中間40%の世界になるが、上位3割あたりに位置する人材と下位3割に位置する人材とでは相当な開きがある。そんな世界で比較的上位人材にあたる人物は自分自身を大変有能だと認識してしまう傾向にあるようだが、実際には全くそんな事はない。

10年以上前に在籍していた会社では、私というのは間違いなく下位10%圏内のお荷物人材であり、仕事内容も全く理解出来ないまま指示されたように動き、しかし全くとんちんかんなものを制作していたりした。
その会社が無くなったため、仕方なく他の会社に再就職したのだが、途端に過去一スキルの高い人材がやってきた…などと持ち上げられるようになった。

要するに、何かの間違いでスキル偏差値60以上の会社に就職してしまい、偏差値45の会社に再就職しただけの話なのだが、長い事「あの会社に4年半もいた割には何も得られなかったな」などと思っていた。
しかし今思えば、「自分の能力を高く見積もってはならない」という基礎的な考え方を習得する良い機会になっていたのではないだろうか。

まあ、4年半も下位10%人材として踏み潰され続ける必要はなかったが。

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