サマーソニック東京初日の上原ひろみ×熊谷和徳×ハナレグミが素晴らしかった件

今日のサマーソニック東京初日のオオトリの上原ひろみは信じられないくらい良かった。上原ひろみの凄さを今日ほど実感したことはない。上原のアコースティックピアノと熊谷和徳のタップだけでロックフェスの客を釘付けにするとかありえない。体験できて僕は幸せだったと思う。これからも語り継がれるようなライブだったと思う。

そして、アンコールに出てきたハナレグミ=永積タカシが素晴らしくて、僕は涙が出たらどうしようかと思ったくらい。目頭は熱くなった。あの曲のCDは買わなきゃ。上原ひろみの伴奏も良かったし。「深呼吸」って曲らしいです。

感動して終わってから動けない人が沢山いた。アンコールの最中に「終わるな」「もっとやれ」「まだ聞きたい」って声が沢山聴こえた。もちろん「すげー」「やばい」って声も。泣いている人もいた。

今日のショーは全てがどこまでもスペシャルだった。あのステージだけでもサマソニに行ってよかったと心から思える。フェスティバルって場所だからこそのマジック。フェスっていいなって思ったよ。

ちなみに今日の上原ひろみは熊谷さんのことも考えつつだったからかブギウギっぽいスタイル多めで、左手とかゴリゴリでリズムが強くて面白かった。でも、元からソロピアノやるとこの感じは割と出てるから、「ビバップ以前のジャズ」の要素がかなりある人なのかもしんない。もともとオスカー・ピーターソンとエロル・ガーナーが好きみたいな人だし、不思議じゃないけど、それにしても今日のはえっらいゴリゴリだった。そのリズムに応えるように高速で、しかも、フレーズを紡ぐように高速でタップを踏み続ける熊谷。タップとピアノのインタープレイ/コール&レスポンス。タップダンスのイメージを完全に覆されるパフォーマンスにもオーディエンス釘付け。

そして、個人的に感動したのが、上原ひろみのピアノのコントロール。全ての音の質感が完ぺきにコントロールされてて、立った音でぎゃんっと煽ってみたり、艶々の音できらきらと瞬かせてみたり、かと思ったら、さらっとした滑らかな音色でバラードを奏でてうっとりさせたり。あのダイナミクスをあの素晴らしい音色でやられるとそりゃみんな聴き入るよなと思う瞬間も多々。

そういえば、今日のステージはアンソニー・ジャクソンとサイモン・フィリップスがいなかったことで急遽組まれたセット。ハナレグミにオファーしたのは当日だったとか。でも、ジャズファンは知っている。レイ・ブライアントのモントルーのようにトラブルで急に組まれたセットだからこそ生まれる名演があることを。

それにしても、サマソニ規模のフェスでアコースティックのピアノで勝負して、圧勝できるジャズピアニストがいるってすごいことだよなぁと。なんだかんだで今回のサマソニで最も感動したのはこの夜だった気がする。


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柳樂光隆

柳樂光隆の音楽評論

柳樂光隆が書いた音楽に関する論考的なものを中心に。ここだけに公開するインタビューもあります。
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