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猫の動画見てる人は闇深そう

youtubeでもネコ動画というのは一定のジャンルを気付いていて、ツイッターでも猫の面白シーンみたいなものをリツイートしている人がいる。

そのアカウントも何かに対する愚痴のものだったり、暗めの内容のことを書いているブログでもネコの写真があったりする。


これも結局世の中の人々が「疲れてる」という話であり、そんな暗いものや愚痴アカみたいなものを見ている自分も含めて同類の存在である。
猫動画の再生数やリツイート数はかなり多いし、その数=現実に疲弊している人の数でもある。

実際に猫を飼うことも出来ず、ネット上の猫の動画や画像に癒しを求める現代人の実像というのは考えてみたら結構闇が深い。

皆それぐらい疲れてるんだろうなぁ、と斜に構えてひねくれた目線で見ている自分はアイドルの動画を見て癒されている立場だ。

それも言葉もわからない海外のアイドルやユーチューバーがご飯食べてるだけの動画を見て「俺はリスニングで外国語の勉強してるだけ」と言い聞かせている自分も十分闇が深いだろう。

(本当はただアイドルの動画見たいだけだぞ)


それで自分自身いえば18禁の動画や画像にエネルギーを使う機会や時間も明らかに減衰しており、ひたすら1時間以上言葉もわからない外国人の食事シーンを見る方が楽しくなってきている。お酒飲みながら海外のアイドルやユーチューバーをみることに癒しを求めている自分が、ネコ動画を見て癒されている人を批判することはできない。


それくらい世の中がブラック社会になってきているし、壮大な未来や希望を見出せない人の方が多いんだろうなとも思う。

都会の狭いマンションでペットも飼えないという生活は自分もしたことがあるし、その時は結構生き物関連の動画を見ていた。今思えば結構自分も猫と動画見てたなと思うし、あの頃も病んでたなと思う。


生き物の狩りシーンの動画もよく見ていてヒョウやチーターが獲物を狩る動画はちょくちょく見ていた。タカやワシの空中戦の動画も結構面白かったし、昆虫や爬虫類の捕食シーンも中々見ごたえがある。

残酷な狩りを見て、狩猟本能を刺激して元気になるというのはFPS(射撃ゲーム)の映像を見て元気になることとも似ている。

サッカーの本田圭佑もゴールを得るためのヒントとしてライオンの捕食動画を見ていると語っていたように、男性は比較的狩猟動画を見る人が多い。

逆に女性はそれこそネコやイヌの癒し動画を見ているだろう。


フェイスブックやインスタグラムなんて見ても同級生が「子育て頑張ってます」的な幸せ自慢や、どこかにリア充旅行をして「インスタ映えの写真とりましたわ~」みたいなものしかないし、ツイッターのタイムラインには「私今日このコーデで行きます(パシャッ」みたいな画像しか上がってこないわけだ。


そういう現実につかれた人が、ネコ動画に癒しを求めることを誰が批判できようか。むしろそういう癒しを求める疲れた人々が増えてきている。

「女子旅」や「カフェめぐり」のようなものもそんなしょっちゅうできるようなものでもないだろう。

おしゃれなスポットに行っても浮かないように頑張ってメイクしてコーデを決めて行くのなんてこれまた疲れるに決まっている。インスタ女子もがんばってイイネ!のためにいいものを見せようと結構苦労しているのだと思うと、「白鳥が優雅に水面を動いてるように見えて水面下ではバタ足をしている」というけいおん!のDon't say lazyの歌詞は正しかったんだと思わせられる。


似たような話でいえば「結婚できない人は猫を飼わないほうがいい」という話も聞く。

猫や小型犬を室内で買うと簡単に孤独が癒されるようになって、婚活をがんばらなくなるという理屈らしい。

確かにそれは思う、ペットの依存すると人間に癒しを求めなくなってしまう。猫は自分に悪口を言ってくれるわけでもなく、同じ空間にいてくれるし可愛い。犬なら自分に忠実で常にかまってくれる。

しかし頑張ったところでどうせ幸せな結婚なんてできない世の中なのだから、最初からペットに幸せを求める生き方ももはや現実的な選択肢になっている。

悪いのは頑張っても幸せになれない世の中のほうであり、癒しを求める個人個人は悪くない。


それどころかもはや猫を飼うことすら難しい時代になってネコ動画を見る時代になっている。

車に憧れる時代が、いつしか車のプラモで満足する時代になり、そして車のプラモすら高いからネットの動画だけ見るという時代になった。

エアガンも買えないし、撃つ場所ないし、ゲーミングPCは手が届かないし、それどころかテレビゲーム機も手が届かないし、しかたなくゲーム実況動画見てFPSした気になります、みたいな人も増えてきている。

それでいえば自分だってシャムネコのような高い猫を飼えないから、しかたなくネットのシャムネコ動画を見ているし雑種の猫ですらいろいろ費用を考えると遠い存在だ。自分の場合家で買えないという事情もあるが、ネコをペットとして維持する費用は結構高いのが現実だ。

そんな時てっとり早くネコ動画というのはちょうどいい存在なのだろう。

現実にみんな疲れているし、ネコを飼うことも難しくなってきている。

現実につかれた人々がささやかな癒しを簡単に見れるものに求めて即自的に癒される、そういう時代になってきているし、それしかできない時代にもなっている。

日常アニメとネコ動画を見て癒されて、ユーチューバーを見て疑似的な友達感覚や恋人感覚を満たす、そしてリツイートやいいね!の数に共感を求めて孤独ではないはずだと自分に言い聞かせる。

それが現代人の平均的なライフスタイルになってきているのかもしれない。

そして皮肉なことに自分も似たようなことをしている一人なのだ。

現代は闇が深く、将来に希望がない、そんな時代に懸命に生きてる個人を誰も批判はできない。

面白いとおもたら銭投げてけや