MIND MAPS I の蛇足

 M3-2019秋にて頒布しましたMIND MAPS  Iのライナーノーツ的なものです。総集編アルバムなので、すでにどこかで話した内容も含めて改めてここに記録しておこうと思います。あなたはこの文章を読んでもいいし、読まなくてもいい。

 これまでにInstrumentals シリーズに収録したMind Mapというシリーズがある。これらはある程度のルールに則って作曲をされている。
1.まずギターあるいはキーボードで、1音あるいはコード1ストローク、色々なエフェクトを使って鳴らす。
2.そこに付随するフレーズを作る。
3.必要であればストレッチ、リバース、空間系エフェクトなどの処理を施す。
 概ねこのような過程を経て曲ができている。
 なんて単純なんだ。
 このはじめの音を手がかりにして次のフレーズの展開を探っていくというやり方が、マインドマップの作成法に近いと感じたので、こういう曲名になったのだ、ということは明記しておかねばなるまい。
 ミニマルやテクノに近いような即興演奏に近いような手法で作曲して、いつネタが切れるやらと思いながらどうにかこうにか10曲ほど集まった。これからもこの手法が使えるのかはわからないが、とりあえずこのタイミングでまとめておこうとなったわけだ。

1. Mind Maps A (Freezing Coffin, 2013)
 これが発端になってシリーズが始まっている。当初は初音ミクを使ったボーカルのミニアルバムの穴埋めのために入れた曲だった。シンプルで短く綺麗にまとまっていて、思ったより出来が良かった。なんでも1番目がいい出来であとが続かないものだ。

2. Mind Map F# (Instrumentals 3, 2015)
 ピアノの音から始まる。11分あるわりに、あまりフレーズに脈絡がなく、ただゆったり鳴らすことを念頭に作っている。アンビエントの要素を少し強めにしている。エレピアノはもう少し音数少なくても良かったかもしれない。アンビエントを強めにしようと思うと、音と音の間隔を長く取るようにするのだけれど、この頃は間が怖くて音を入れてしまっている。これはこれで成立しているから良しとした。

3. Mind Map C (Instrumentals 3, 2015)
 Mind Map Aのロングサスティンのギターをもうちょっと大々的に使いつつ、細かいギターフレーズが入ったミニマルっぽい曲に仕上がっている。ちょっとしたギターフレーズ的なものも入り、だんだん盛り上がっていく感じもあり、12分という長尺で…という、ELSINOLAとして作る曲の一面が現れている曲。

4. Mind Map D (Instrumentals 6, 2017)
 比較的新しい曲。オリジナル版は実はギターの音が外れていたので、その部分だけ録音し直している。オリジナルをお持ちなら聴き比べていただきたい。ほぼ気づかないかもしれないけれど。
 この曲は珍しくドラムを入れている。Heliosとか聴いてたせいかもしれない。入れなくても成立していたけれど、気まぐれにドラムを入れてみたら、意外とかっこよかったので、採用した。入れないバージョンもあるので、それはまた別途収録する予定がある。

5. Mind Map G2 (Instrumentals 8, 2018)
 これも最近の曲。ロングサスティンとリバースのフレーズが絡み合って、なんとも言えない空気感が出ている。偶然にしては上出来。これを狙ってできるようになれば曲作りが楽になるのだけれど。音色含めてロバート・フリップあたりが作っていそうな曲、というのは自画自賛がすぎるか。

6. Mind Map C13th (Instrumentals 6, 2017)
 ピアノとストリングスを使った曲。ロングトーンの組み合わせで作っている。Cのコードを中心にして上下に三度、五度、七度…と上げたり下げたりした音をそれぞれ楽器に割り振っている。正確ではないけれど、概ねそういう作り方をしている。楽器が揃えば、生演奏もできなくはない。ディレイとリバーブのおかげで良い空気感が出ていると思う。エフェクトをかけたピアノの音をきっかけにしてこういう曲になるというのは、作ってみるまではわからなかった。

 まだ収録していない作品は近々調整をし直して頒布します。
 楽しんでいただければ幸い。心に残ればなお幸い。

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