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ハッピーエンドとメリバの間


私はハッピーエンドのつもりで書いたものに、「メリバ」という感想を頂くことがたまにあります。

全然嫌ではないのですが、でも不思議だなとは思っていました。

メリーバッドエンドとは、読者や観客側の解釈と劇中の登場人物側の解釈によって幸福と不幸が入れ替わる物語の形式を指す言葉。略称は「メリバ」。インターネット上で生まれた言葉であり、広まるにつれて解釈が変化しつつあるようで意味合いは曖昧かもしれない。

この場合、どちらかといえば下記の狭義の利用に当てはまるかと思います。

発祥元における狭義では「相互依存を描いた物語の悲劇的な結末」という意味で、読者側から見るといわゆるバッドエンドであるが、登場人物達からするとハッピーエンド(幸福的な結末)であること。もしくはその逆の結末のことである。


個人的には、監禁されて出れないエンドとか、どちらが死ぬエンドなどに使われることが多い印象です。

相互依存的だといえば多くの恋愛物語はそういう側面があるし、じゃあハッピーエンドって何なんだろう?とぼんやり考えていました。

何がハッピーエンドで、何がメリバなのか。

その考えたことの結果として、自分なりの短い「メリバ」本を3月に出しました。それが「そして今日が始まる」です。

短い本にしたのは、メリバという性質上後味がやや苦くなることが想定されたからです。

読み終わるのに二時間も三時間もかかる長編で苦い後味にはしたくなかったので、文庫で70pという短さにしました。

そんな本ですが、最近、ハッピーエンドになる続編を書きました。

もともとメリバと思って書いたもので、決してバッドエンドではなかったつもりです。ただ、読み返すとこのエンドがけっこう辛い。

上記のメリバの定義には「解釈によって幸不幸が入れ替わる」とあります。pixiv百科事典では「オープンエンド」とも書いています。

メリバには宙づり感がある。それが心地いい場合もあるけれど、宙づり感を覚えると、どうしてもそれを着地させたくなる。

ハッピーエンドとはたぶん、「ここから先は歩いていける」という着地なのだと思います。続いていくという感触、安心感。

これからも色んな苦難があって、楽なことばかりではないかもしれないけれど、でも、二人で歩いていける。

宙づりでないメリバも思い浮かぶので(心中とか)、随分ふわっとした定義ですが、今回考えたのはそんなことです。

上記の本は合本版としてkindleでメリバな前半・ハッピーエンドな後半を合わせたものを配信中です。

紙版は前半のみの収録なので、後半のみをお読み頂きたい方は下記pdf版をご利用下さい。マイナーな本の続編というどマイナーな本なので、紙で刷る予定はありません。


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