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サポートをするときにもお願いするときにも大切なのは勢い、素早さ、心地よさ 【Short Letter】


長年連れ添った自転車(ママチャリ)がとうとうお別れの季節を迎えました。

もっと丁寧にメンテナンスしていたら長生きできたと思うんだけど、雑な持ち主でごめんなさい。でも計算したら10年で2万数千キロくらい走っていました。長い間付き合ってくれてありがとう!

この自転車を買う時にお願いしたのは、「見た目と金額には強くこだわらないので、とにかく丈夫でメンテナンスが楽なのプリーズ」。あとは「おしりにやさしい良いサドル」だけでした。町の小さな自転車屋さんでしたが、私の考えをガッチリ理解してくれて、希望通りの自転車を選んでくださったんだなと10年目にして強く実感しました。

長年連れ添った自転車とのお別れを決めた日、仕事帰りに寄れそうな大きな自転車屋さんを探すと、バスを使えば辿り着けそうなお店を一つ見つけました。そこで、慌てて閉店間際にお店を訪問し、前回と同じ注文をしてみました。

「見た目と金額はこだわらないので、とにかく丈夫でメンテナンスが楽なのプリーズ」(サドル問題は尻に贅肉クッションが装備され解消されました。)

すると、帰ってきた答えは

「いや、丈夫とか言われてもメンテナンスによるんでわからないっす」


あかん。言ってることは間違っていないんだろうが、私が伝えたいことは何一つ伝わっていない。時間もないし、諦めて出直そうと考えていた時に、「電動は考えてないんですか?」と声かけられました。

まったく考えておりません。

その場でうまいことセールスしてくれれば良かったのですが、あからさまに「この客めんどくさい」と思われている雰囲気だったので店を後にしました。

店を出てから気が付きました。

帰りのルートまったく考えてなかった!!!


自転車屋さんから自宅までのルートを絵にしてみましたが、このような感じ。

通学路


直線でいけば3キロ少々くらいなのに公共交通機関を使うとぐるっと大回りで1時間以上かかってしまうのです。その日はすでに仕事で1万歩近く歩いていたため、徒歩という選択肢は0.1秒で斬って捨てました。虚弱。

だいたいこうなったらヘイタクシーなんですが、何故かこの日、登録だけして一回も使っていないシェアサイクルのことをふと思い出しました。


探してみるとすぐ近くにシェアサイクルのポートがあるではないか!

今考えると「電動は考えてないんですか?」の一言で、なんとなく電動アシスト付きの自転車に乗ってみたくなったんでしょうね。

初めての電動は……
控えめに言っても最強でした。道中に坂道がこれでもかというくらいあったのに、まったく気にならない。頼りになるよバッテリー!
ひとこぎですいぃぃぃぃーっと進むんです。想像よりずっと進むんです。びっくり。


アシスト(=サポート)はいらないと思っていた。

その日に至るまで、電動アシスト付き自転車を買おうだなんて、まったく思っていませんでした。アシストが必要なのは、前や後ろにチャイルドシートを付けている自転車や、高齢などの理由で漕ぐパワーが足りない場合のみ。

子どもも連れてないのに電気の力を借りるなんて、私なんかが電動アシスト車を買うなんて、おこがましいとすら思っていました。

結局その気持ちはなかなか抜けなくて、買おうと決めた日から実際に買うまでには2ヶ月もの時間を費やしていました。その期間に何度も何度もシェアサイクルに乗るうちに、電動アシスト車の良さというものを痛感してしまいました。

デンキヨデンキ、ワタシヲサポートシテオクレ! 
やっとそんなふうに言えるようになりました。

電動チャリ私の


(写真)私の電動アシストママチャリ!

ネットで評判を見た時に「虫みたいな色」と書いてあるのが気に入って購入。高級な虫みたいでお気に入り。


サポートがあれば、かなり選択肢が増える。そして楽しい。

坂の多い街に住んでいると、なるべく坂を通らないルートを探すので、変な遠回りをすることがたくさんありました。特に気に食わないのが、位置エネルギーのロスです。一方的に登るのみであれば納得もできるのですが、登って下って登るみたいな感じになっていると、せっかく登って得た位置エネルギーを下りで使い果たしてしまい、すごく損した気分になるのです。また登らなきゃいけないのに!

それが、電気の力があるとそんな気持ちにならないのです。坂のぼりがしんどくないので、損した気分にならないし、それどころか自転車を降りて押さないと登れない坂すら登れるので、ルート選定の選択肢が激増するのです。

結果何が起こったかというと、ついつい自転車で意味もなく遠いところにでかけるようになりました。帰宅の時なんかもちょっと遠回りしたりして、運動不足が少しだけ解消されました。やっぱり風をきって走るのは気持ちいいよね。


そんなわけで、今私は電気の力を足元に携え、サポートにありがたく感謝し生活しているわけですが、迷った2ヶ月がもったいなかったなと思っています。


今回痛感しました。必要なサポートはさっさと勢いでお願いするべし!
昔を振り返っても、私なんかがっていう考えは、ただひらすら無駄でひとりよがりで、いまいちな結果になることが多かった気がします。必要かどうかいまいちわからなかったら、有識者に聞けばいい。それすらなしに、私なんかがっていうのはもったいない!


サポートをお願いするときにはカジュアルに、すばやく

思えば、電動アシスト自転車が出始めた頃から、気になってはいたのです。面白そうだから。なのに、その気持ちに蓋をして「私なんかが」と思ったから、手に入れるまでに時間がかかってしまいました。電気に遠慮とか、今になって考えると意味がわからない。でも対人だと、割と似たようなことってあるんじゃないかなと思います。

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