とある劇作家の日記。#1



ずっと1本の作品を書いている。
今も書いていた。
ちょっと休憩してる。

衝動で書き始めた。
舞台の上演脚本を
本気で書き始めたのは
多分、数年ぶりだと思う。
数えることすらやめてた。


脚本を書いてなかった。


最後の作品は演劇祭で発表した。
学生時代は最優秀をとったのに
その時はお粗末な結果だった。
講評会では
審査員の人にボロカスに叩かれた。
すごくムカついた。

でも、学生時代の演劇祭では
創作脚本賞をいただいた。
たぶん、一生忘れない。

当時の脚本のデータは
紙媒体しか残ってないし、
流石に今、世の中に出せるほどの
クオリティーもないので
永遠に封印されると思うが、
当時私の脚本を面白いと言ってくれたり、
上演に踏み切らせてくれた
俳優にはすごく感謝している。

あ、この文章は
本当に息抜きで書いているので
何も面白くないと思いますが
ご容赦ください。笑


小学生の頃から
物語を書くのが好きで、
一番長く続いている趣味なのだけど、
如何せん波が激しくて、
書ける時と書けない時の差が激しい。
そもそも完結した作品自体が
すごく少ない。
その代わり、プロットはめちゃくちゃある。

今も、MacBookで
4ウィンドウ分の作品のプロットが
開かれたままになってる。
(多分どれも書ききれないけど笑)

昔・・・と言っても
中高生時代の話だけど
のファンタジーチックなものが
多かったのに
最近はめっきり書けなくなった。
そういうことを考えると
想像力がなくなったもんだなと思う。

本も昔に比べて
読めなくなった。
読まなくなったが正しいかな。

ちょっと前に実家に帰ったとき
母親に
「昔は本読むの大好きだったよね」
と、言われて
「ああ、そうだったか」
とも、思った。

確かに昼休みは
図書館にいたし、
大学時代も図書館でよく本を読んでいた気がする。
それが、最近は
全く読めなくなったし
読書に対する苦手意識すらある。
何でこうなったのかはわからないけど。

そうなっていくうちに、
いつしか私は
自分が本を書くことに
罪悪感というか、
引け目というか、
そんなものを感じ始めた気がする。

社会に出た時、
負けた気がした。
そして日々がとてもつまらなかった。
追いかけるものがなくなった時、
私は、抜け殻になった感覚だった。
休日に、友達と遊ぶために
集合した品川駅で
スーツ姿のゾンビ軍団を見た時、
ああ、私もそうなんだなと思った。

手を差し伸べてくれた彼女に対しても
私は罪悪感を抱いているのかもしれない。
背中を押すだけ押して、
私はドロップアウトして、
でも、
本当は羨ましかった。

順調に前に進む彼女に対して
嫉妬もあったのかもしれない。
だから、私も
証明したかった。

私だって、本当は

もっと、もっと、

もっと、もっと、

もっと、もっと。



でも、今。
何もない。

私の目の前には
薄くなったブラックコーヒーと
冒頭から進まない台本のプロット4本。

もう、日が暮れる。

ラインを返す気にもならない。
もう少しだけ、
私には何かあると思ってたのに
現実はどうしてこんなにも
残酷で、冷たいのだろうか。
私を待っていた世界は
どうしてこんなにも。


気分転換で書いていたはずなのに
どうしてか
卑屈になってしまった。
ははは。情けない。

だめだ。頑張らないと。
もう少しだけ、
私にだって夢を見る権利はあるはずなんだ。
もう少しだけでも、
私を信じていいはずなんだ。

書かないと。
書かないといけない。

私は、この作品を
書き上げないといけないんだ。


頑張る。



よし。
いい感じに気分転換できたので
もう一度挑戦してみようと思う。
頑張ろう。
その前にトイレ行ってきます。
では。


小森

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