見出し画像

八重山旅後記

11月の終わりに、三線弾きの中川樹海ちゃんと石垣島にいってきた。

樹海ちゃんとの石垣島、離島は二度目。
1度目は初の沖縄ということや樹海ちゃんに誘われて急遽決めたこともあって、沖縄、海、あったかいところ、くらいのぼんやりした情報しかなかったので、とりあえずすべてが新鮮で、驚いてばっかりだった。
しかもその頃は人や街や情報、毎日のやることリストに目を回して、多忙な日々に大混乱&どん詰まり状態だったから、自分の日常とのギャップを激しく感じ、何度も、私はサンダルで地面に立っている…と確かめて、うれしくて仕方なかった。身体中から毒素が抜けていく感じがしたのを覚えている。

今回は沖縄の魚を見るべく、初のシュノーケリングをすることが目的だった。
樹海ちゃんとはこれまで野鳥観察や水族館、こうもりの洞窟に、生きもの展示など見たり話したりしてきた。
一緒にいると生きものに遭遇できるラッキーがよく起きるから、きっと今回も何かしらいろいろ会えるかもとわくわくした。

シュノーケリングは米原ビーチの浅瀬を潜った。浅瀬にこんな大きな魚もいるのか!と驚き。そして人慣れしてるのか魚たちの距離が近い。
スズメダイ、チョウチョウウオ、モンガラカワハギの仲間、ベラの仲間、カンモンハタやオジサン、ヨウジウオ、イラブチャー、クマノミなど。
水族館ではいつも外側からみてきた魚たちが同じ空間にいて、じっくり観察できることにすごく興奮した。爆発的にうれしかった。
楽しすぎて時間を忘れそうになる。二人で大きな白いボラのつがいを追っかけたりした。また絶対潜りたい。

吹通川のヒルギ群落でミナミトビハゼ。
水族館ではみてたけど、野生に会えるなんて!とうれしかった。そこらじゅうにいて、川に石をスライドさせて投げるやつみたいにきれいに飛んで逃げる。トビハゼはかわいい。

竹富島滞在中にであったヤシガニ。
ヤシガニをみてみたい、会えるといいね~と言ってた直後、道端であっさりと出会い、みんなで大笑いした。しかもその夜に二度も。
初めて見るヤシガニはモンスターという感じでかっこよかった。
大きなヤシガニに挟まれる力はライオンが噛む力と同じということや、海に卵を産みにいくことなど初めて知った。
丁度平坂寛さんのYoutubeチャンネルでヤシガニに挟まれた時の対処法みたいなものも紹介されてて、タイムリーだった。

竹富島の西桟橋の浅瀬にいたウミヘビ。

アオミオカタニシ。竹富島で樹海ちゃんと散歩中に発見。ネットで調べたら顔出しているところがとてもかわいかった。準絶滅危惧種みたい。

ジンガサハムシ。

かわいかったけむし。

オオコウモリ。
竹富島の夕方散歩中、樹海ちゃんが、このようなフクギの木などにオオコウモリはきまして、ペリットなどを落としていきますよ。あ、落ちてますね、オオコウモリがきてる証拠ですね、会いたいですね、などと解説していたら、その直後に本当にオオコウモリが飛んできて二人ともびっくり。
しかもその一帯に何度もやってきて、こちらと目もあった。
しかも四つ足で木から木へ移動する猿みたいな姿もみることができた。
見れても夜だろうなと思っていたので、こんな明るい時間帯にしっかりみることができるとはと、二人とも大興奮だった。

小浜島のバリケンという鳥と池につかる水牛。

そのほか、竹富島の星の砂ビーチの浅瀬で巣穴を守っているオトメハゼ(たぶん。いろんな水族館で見てきたから感動した。)や、ソデガラッパというカニ、浅瀬で群れてるヤガラの幼魚、樹海ちゃんが私にぜひ見せたい!と言っていた八重山諸島の留鳥ムラサキサギ(恐竜みたいでかっこよかった)、リュウキュウヒヨドリ、野生化した孔雀の群れなど。
たくさんのいきものを観察できて本当にうれしい。樹海ちゃんの観察眼と調査能力に感謝だ。

石垣島の滞在はゆいシネマを守る会の竹内真弓さん、作家の竹内佑さんのところで数日間、大変お世話になった。
佑さんには車でガイドしていただき、曲がり角に置かれた石敢當という石のことや、石垣島の民家の屋根の瓦が赤い理由と歴史的な背景について、途中でみえたマーペーという、つまんでできたような山の民話のこと、沖縄には神社はほとんどなくて、かわりに御嶽というものがあるということなど、知らなかったことをたくさん教えてもらった。これまでは石垣島や竹富島のことを沖縄と大きくひっくるめて考えていたけど、沖縄本島と八重山諸島とで少し意識が違うんだということもなんとなく知った。

伊原間の赤口という、魔物が出てこないように見張っているえらいシーサーのいる場所へも連れて行ってもらった。静かな場所に大きなシーサーがじっとしていてかっこよかった。

竹富島の滞在では竹富島の植物を使った染め・織りをされているAyoiのアキさんに大変お世話になった。投網漁をみせていただき、みじゅん、はだらーというイワシの仲間の魚を獲った。みんなで下処理をして、獲った魚は天ぷらと温かいおそうめんにしてもらった。おいしかった!

この日は公民館長さんもやってきて、樹海ちゃんの三線、みんなのうたと踊りで島の濃い宴が開催された。竹富島では1年に1度、種子取祭というお祭りがあって、伝統芸能を神さまたちに奉納するそうな。そんな島の人たちだからか、音楽がとても身近なんだなというのがよく分かった。
伝統文化の継承活動を行っている公民館長さんの踊りは流石で、手つきや目つきの所作一つ一つが目を引くし、面白くって、素晴らしかった。泣いてる赤ちゃんも笑顔になる舞。樹海ちゃんはじめ、みんな、楽しい時間をつくれるすごい人たちだな~と感心しっぱなしであった。

濃い旅だった。
知らなかった土地に足を運ぶと、そこで生活している人々の考えていることや生きざま、長い歴史があることを少しずつ知って、なんだか不思議な気持ちになる。
そして改めて沖縄や八重山のことを何にも知らないなと思った。
もっとたくさんのことを知りたいと思う。
そんでまたみつけられなかった生きものを樹海ちゃんと探しにいきたいな。

エマル

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?