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呼吸するように旅をしたい~旅ルミネで群馬・高崎と再会する~

今月、私は私用で上京し、2泊3日で東京に滞在した。全てのスケジュールを終えた3日目のお昼頃、私は高速バスに乗るためにバスタ新宿に向かった。ちょうど連休中と重なったため、新宿駅の中はたくさんの人でごった返していた。人混みを避けながら私はテクテクと南口へと歩いた。外は雨が降っていて、それが結構な本降り。傘なしだと数分のことでもずぶ濡れになりそうなので、私は横断歩道を渡る前に、慌てて折りたたみ傘をバックから取り出した。傘を開き、足早に道路の向こう側へと進む。旅にアクシデントは付き物だけど、その中でも「雨」は移動の手間を増大させる。事故や紛失物と比べたら何でも無い軽いことだけど、それでも雨は厄介だったりする。

無事に道路を渡りきり、建物の軒下に入る。傘についた水滴を適当に払って、私は傘を丁寧に折りたたみバックにしまった。これで今日はこのまま高速バスに乗り込むから、もう傘を開くことはない。しかし、バスの発車までしばらく時間があるので、ここで簡単に昼食を済ませることにした。新宿ルミネの中にあるレストランに行ってランチを食べる。店内もやはり込んでいて、食べ終わった後にのんびりくつろぐことも出来ず、次に待っているお客さんのために慌ててそそくさと席を空けることにした。お勘定を済ませて、とりあえず店を出る。キャリーケースをもったまま、一瞬、途方に暮れたけど、ふと思いついて目の前のエスカレーターに乗ってみることにした。

エスカレーターで1つ下の階に降りると、何やらイベントをやっている様子。何だろう?と思い、中を覗いてみた。

旅ルミネ?初めて聞いたよ。

地域活性化のイベントかな?興味本位で覗いてみることにした。

中はこんな感じてすごく賑やか。すごく楽しそう。ところで中之条って何処?・・・と思い、入り口でいただいたパンフレットを見たら、群馬県だった。

このまま中に入っていくと、すぐ目の前に本屋さんのブースがあった。こんなところで本屋さんなんて珍しいなぁ・・・と思い、立ち止まって商品を見ていたら、お店の人に声を掛けられた。聞くと、群馬県高崎市の本屋さんで、屋号は【REBEL BOOKS】だそうな。

文学青年風の若い男性と、同じく文学少女風の若い女性が店番をしていて、お店のことや本のこと、高崎の街のことなどを教えてもらった。

そこで、ふと思い出す・・・。「あれ?私、高崎に行ったことがあるよ~!今年の4月、鉄道で東日本を一周する旅をしたとき、新幹線の乗り換えで高崎駅に降りました~!」と。

すると、REBEL BOOKSのお二人さんはすごくビックリされ、私も驚いた。あの旅の途中で、新幹線の乗り換えという何でも無い理由で高崎駅に降り立ったのだけど、それが私にとっては群馬県初上陸であり、あれから3ヶ月後、今度は東京の新宿で、偶然立ち寄って最初に覗いたブースが何と高崎の本屋さんで、高崎の人とこうして話をしているのだ。なんとまぁ不思議なご縁・・・。

私は、「高山からたまたま私用で上京してて、今から高速バスで帰るんだけど、その前に時間があったので、たまたまここを通りかかったら、このイベントをやっていたので、興味本位で覗いてみたのだ・・・ということを話した。

群馬県と岐阜県、高崎と飛騨高山。関東地方と東海地方で地域が全く違うし、交通網も繋がっていない。ましてや生活や文化も全く異なるから、別世界で全く接点がなく、非常に遠く感じられたのだけど、よくよく考えたら、長野県を挟んでいるだけで、距離的にはそれほど遠くない。新幹線なら、富山まで出て北陸新幹線に乗ればすぐに行けるし、車を使うなら安房トンネルを抜けて長野県松本市まで出れば、あとは高速道路を使って群馬まで直で行くことが出来る。

この時、ふと「今度は高崎に行ってみたいな・・・」と感じた。行き慣れていない新しい場所に降りたって、街を歩き、その土地のエネルギーを感じてみたい。北関東は私的には未開の土地なので、是非旅してみたいな・・・と思った。

この不思議な出会で繋がったご縁を忘れないために、群馬のことを紹介したカッコイイ本と、本を入れて持ち歩くのにちょうど良いオリジナルの巾着袋を購入した。

この本、昔のクーネルっぽい感じの雑誌で、とてもお洒落。るるぶ等の旅行雑誌と異なり、とてもクールで文化的。これを読んでいくうちに「絶対に群馬に行こう!」と心に決めた。

中身はこんな感じ。

この雑誌を通して、群馬ってとても文化的で洒落た人が多く住んでいる街なんだなぁ・・・と感じた。最近は、東京の都心よりも、地方の方が文化レベルが高くて魅力的だと感じることが多くなった。ネット社会になり、いちいち東京を間に挟まなくても、ダイレクトに自分たちの街の魅力を発信できるようになった事も大きいと思う。それこそ昭和の時代は、東京の人が喜びそうなネタを忖度して街全体を作り替え、都会の人々が満足感を得るように売り込むことが必須だったけど、今や地方のターゲットは東京じゃない、世界だ。もう日本の都会の人の嗜好に合わせて自分たちを作り替える必要は無く、自分たちの暮らしぶりがそのまま発信力となる。スッピンのままで勝負できる時代になったのだ。こんなとき、重厚な伝統と特色ある文化、地域の人間力に支えられた街は本当に強い。それをここでも強く感じた。地元に住んでいる人の地域力・・・。これが今はすごく際立っていて面白い。

そして、REBEL BOOKSさんオリジナルの巾着袋。群馬県は温泉宿がたくさんあり、明治の頃から文豪に愛された所らしい。だから「温泉と本」というテーマになっているのだそう。この巾着を下げながら温泉街を歩いて欲しいという願いと、本をバッグに入れて持ち歩くと、本がバッグの中で動いて傷むのことがあるので、この巾着袋に入れて本を保護して欲しい・・・という2つの願いが込められているそうな。

私の場合は、バレット・ジャーナル専用の巾着袋に使うことにした。サイズがバレットジャーナルにぴったりだった。ジャーナルの青色と巾着の藍色がブルー系でピッタリマッチして、とっても良い感じ。ちなみにジャーナルの表紙に貼っている丸いシールも、REBEL BOOKSさんから「おまけ」でいただいたもの。

東京を間に挟んで、飛騨高山と高崎が繋がったなんて、本当に面白い。これだから旅は本当に楽しい。遠く感じる場所も、その土地と人に触れることで身近に感じられる。これからも呼吸するように旅をして、私は「世界」を近くに感じていきたいと思う。

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