今日、久しぶりに美容院へ行ったのだけど、そこで美容師さんと話をしていて、コロナに関する地元の噂を聞いた。

最近、私たちが住んでいる地方も、とうとうコロナ感染者が一名出てしまい、それに関して（デマや憶測も含めて）様々な噂が飛び交っているのだが、私もその美容師さんも、いろいろな噂を耳にしていた。

感染したのはどこに住んでいる子だとか、どこに遊びに行って感染したとか、感染した後に一緒に遊んだ友達が濃厚接触者になり、今、その友達は自宅待機をしているとか…云々。

正直なところ、どこまでが本当で、どこまでが嘘なのか、サッパリわからない。でも、信頼できる筋の人まで口にすることがあるので、ついうっかり信じてしまう。

噂を聞いた人は「本当だ」だと心から信じ、その情報を人に話したくなる。でも、噂が人から人へ渡された時、元の話にいろんな「尾ひれ」がついていき、人の口を介してまた人へと噂は放出され拡散される。

面白いことに、私が聞いた話と美容師さんが聞いた話とでは、大筋はだいたい合っているけど、細かい部分が少し食い違っていた。

結局は、噂話を聞いて受け取った人が、そこに自分の主観を付け足し、さらに自分の言葉で表現して伝えるので、どんどん微妙な違いが生まれていくのだろう。

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そんな感じで、地元のコロナ関連の話を一通りしたあと、今度は隣県の感染者の話になった。

ここで出てきたのは、隣の県で「感染者」第一号になってしまった大学生の女の子の話だった。この隣県は、私たちが住んでいる地域に接していて近いので、よく遊びに行く。だから馴染みが深い。

これは全国区のニュースにもなっている。私たちが住んでいる地方から近いこともあり、人の行き来も多いので、（隣県のことだけど）みんな関心をもって注視していた。

確か、第一号になったと報道されたのは３月くらいだったと思う。その時、新聞などの報道とは別に、私が住んでいる地方でも、その子に関する噂話が密かに流れた。

例えば「その女の子の親は、隣県内にある〇〇という所で働いている」…云々。これは私も誰かから聞いた。「隣県のことで、しかも全く面識がない赤の他人なのに、みんなどうしてそんなに詳しく知っているのだろう」とビックリしたものだ。

今思えば、それも単なる噂話で、ガセだったかもしれない。でも、それと似たような話を、幾度となくいろんな人から聞かされた。

その後、今度は、その隣県の女の子の実家は、周囲からの非難や誹謗中傷が酷くて耐えられなくなり、地元に居づらくなって他県へ引っ越して行った…という噂話を耳にした。

この時も、「どこからそんな情報が入ってくるんだろう？」と不思議だったけど、「他県へ引っ越すことで、誹謗中傷から逃れて幸せに暮らしているのなら、それも一つの方法だよなぁ…」と、そんなことを呑気にぼんやりと思った。

ところが、今日、美容師さんから聞かされたのは、「その女の子の実家の家族は自殺して、その家は途絶えて無くなった。」というものだった。

私が聞いていた話と少し異なる上に、すごく衝撃的な内容で「えっーー！？」と心底驚いた。真実かどうかわからないけど、でも、気持ちがいいものではない。どちらかといえば胸糞が悪くなるような話だ。

その美容師さんも、「私は『自殺したらしいよ』と人から聞いたよ」と教えてくれたのだけど、たとえ嘘でも本当だとしても、これは残酷な話だと私は思った。

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私も少なからず「人から聞いた話」を思わず口にすることがある。

言う方は簡単だ。自分が喋った内容は、言った先からすぐに消えていき、意識にも残らない。

しかし、言われる側にとっては、どんな話でも気持ちが悪くて嫌だろう。ましてや悪い話なら、悲しくて辛くて堪らないはずだ。
人は言われる側の悲しみを知っていながら、ついつい言う側の立場に立ち、意気揚々と喋ってしまうのだ。何の悪気もなく…。

しかも噂話一つで、会ったこともない他人の家庭が「引っ越しをした」ことになったり、「自殺した」ことになったり…。勝手にコロコロと決められた上に、「あれはこうなった」と自分の知らないところで不名誉な烙印を押されて、不確かなことまで「真実」にされる。

言われる側は、反論する余地もない。

人の口とは何と恐ろしいものか。

人の噂話は本当に怖い。

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今回のコロナに限らず、ここ最近は、いろんな噂話やガセネタがすごく飛び交っているような気がする。

安易に噂話に乗っかって、噂の拡散に加担することがないよう、自分を律していかないといけないなぁ…と思う。

ゴシップに関わらない。

ゴシップを広げない。

今はそれに気を付けよう…。