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【写真日記】冬の飛騨高山・雪の町並みをお散歩する

年末からの寒波の影響で、ここ飛騨高山も雪がしっかり降り、気温も下がってぐっと冷え込みました。
寒波が去った後も、最低気温はずっと氷点下です。朝晩は-5℃前後まで冷え込む日が続いています。そのため、市内のあちこちに、まだ雪がたくさん残っています。

先日、高山市図書館(別名「煥章館かんしょうかん」)に行ってきました。
この日は、最高気温も氷点下という非常に寒い一日でしたが、とてもお天気が良く、図書館での用事を済ませた後、そのまま家に帰るのが、何だか非常にもったいなく感じました。「せっかく街中に出てきたんだから…」と、お出かけついでに市街地を散策してみることにしました。

こちらが高山市図書館です。

高山市図書館「煥章館」について

高山市図書館のことを、なぜ「煥章館」と呼ぶのか?といいますと、以下の理由です。

煥章館の名は、建物が立地している場所が学制発布時に創立した煥章学校(現・高山市立東小学校)の所在地であったことに由来する。
煥章学校は瀧井孝作の祖父である大工の瀧井與六が建築した飛騨地方初の近代学校であった。
「煥章」の語は『論語・泰伯』の一節「乎として其れ文に有り」を典拠とし、中国神話上の君主・(ぎょう)の時代の活発な文物の探求を意味し、単に煥章学校の名を受け継いだだけでなく、煥章館が高山市の生涯学習・文化振興の核となるようにという高山市当局の願いを含んだものである。

Wikipedia「高山市図書館」より抜粋

2004年に今のこの図書館が新しく建てられたのですが、この時、明治時代に飛騨で初めて建てられた学校(煥章学校)の建物を再現したことから、「煥章館」と名付けられました。

この図書館の2階には「近代文学館」(入場無料)があり、文学好きな観光客も楽しめます。

◇◇

今回は、この「煥章館」をスタート地点にして、ぐるりと街中を散策します。

図書館の駐車場出口のあたり。雪が結構積もっています。


図書館からえび坂へ

図書館の駐車場を出発して、えび坂の方へと歩きます。

ご覧の通り、街中は結構雪が積もっていて、あちこちで雪かきをしている人の姿を見かけました。

雪かき中に立ち話しているおじさん達。

車が通る道(道路)は、除雪車が定期的に雪をかいていくのですが、その代わりに、歩道や家の前に、除雪車がかいた雪が残ります。それを市民が、せっせと「またじ」(※飛騨の方言で「片づける」という意味。飛騨では「雪かき」のことを「雪またじ」とも言います。)しています。

道が凍みて滑るので、転ばないようソロソロ…と歩きます。
溶けかけて、また凍結している箇所。そこが一番滑りやすくて危険なんですよね。

こちらが「えび坂」。
海老の背のように反っている(急坂)だから「えび坂」の言うんだよ…と、昔、子供の頃に大人から聞かされた記憶があるのですが、本当のところはどうなんでしょう?

えび坂の上から、高山の街を見下ろします。

私の母は、昔、子供の頃に、冬になると、このえび坂で友達とよくソリ遊びをして遊んだ…と話していました。まだ車が走っていなかった昭和20年代頃の話です。
現在は、この坂道を車がよく通るため、事故防止で融雪工事が施され、今はご覧の通り…雪が積もらなくなりました。お陰で、ここは凍みることがありません。
車だけでなく歩行者も、滑って転倒する心配がなくなりました。
ありがたいことです。

えび坂の下にある平瀬酒造店さん。「久寿玉」が有名。


雪が凍みる「さんまち通り」を歩く

えび坂を下り、横断歩道を渡って「さんまち通り」に出てきました。

マウスで書いたので下手っぴーなラインと字ですが、こんな順路です。

観光客のなかには、「さんまち通り」のことを、古い町並み(上三之町)のことだと勘違いしていらっしゃる方が多いんですが、「さんまち通り」とは、上の地図の「赤いライン」で示した道のことです。

ここが「さんまち通り」です。

車道の雪が、道路のわきに積まれていて、ちょっとした壁になっています。
街中は、雪を捨てる場所がないので、こんな感じで雪がどんどん溜まっていくんですよね。

さんまち通りの北側。日陰になる場所は凍みやすいので、歩道にも雪がたくさん残っています。
雪の下は氷。
寒冷地仕様のブーツ履いていてもツルっと滑るので、ソロソロ~と歩きました。
凍みた道を歩くのは、本当に久しぶり。
温かい冬に慣れきってしまった体には、結構いい運動です。
雪の中からのぞくマンホールの蓋。

久しぶりに、テカテカに凍みた道を歩きました。
昔、私が高校生だった頃は、こんな感じでバリバリに凍みた道を、自転車通学していたんですよね…。
朝、氷点下15℃くらいまで気温が下がると「ダイヤモンドダスト」現象が起きるんですよ。そんなキラキラと空気が輝く早朝の街中を、私たち高校生は、まつ毛や眉毛をバシバシと凍らせながら通学していたんです。しかもセーラー服で…。
今思えば、ホント、猛者だったわ…😅。(恐るべし昭和時代)
あの頃と比べたら、温暖化で「温かい冬」が多くなりました。

お正月のしめ縄。


筏橋から宮川沿いへ・昔話「味噌買い橋」を知っていますか?

筏(いかだ)橋に出てきました。ここも結構な雪。

宮川にかかる橋の一つ「筏橋いかだばし」に到着しました。

この筏橋は、昔、「味噌買い橋」とも呼ばれていました。
この橋の向こう側(宮川の西側)に住んでいた人たちが、現在のさんまち通りの西角にあった角屋藤兵衛さんの店へ味噌を買いに通ったところから、そう呼ばれていたそうです。
そんな味噌買い橋が舞台となった昔話があります。
物語のタイトルは、そのまんま…『味噌買い橋』です。

私が子供の頃に放送されていた番組『日本まんが昔話』でも紹介されたんですよ。

筏橋の上から、宮川上流を眺めます。奥に見える赤い橋が「中橋」です。

太陽の光を受けて、水面が輝いています。


さて、今度は、筏橋から中橋の方へと歩いてみましょう。

宮川沿いの道。

この道も雪がたくさん積もっていました。
そして、やっぱりバリバリに凍みて路面はツルツル~。転ばないように気を付けて歩きました。

中橋までもう少し。ここは日当たりが良いのかな?雪は解けていました。


人が少ない中橋周辺

赤い橋「中橋」に到着しました。

ここはしっかり除雪されている上に、日当たりがいいので、凍みていませんね。すごく歩きやすいです。

中橋から、宮川下流を眺めます。向こうに見えるのは、さっきまでいた筏橋。

この中橋の辺りは、インバウンドで外国からの観光客が多かった頃は、平日・休日関係なく、たくさんの人でにぎわっていました。
今はコ〇ナで国内からの観光客がメインで、そのほとんどが日本人です。日本人は休日に観光でいらっしゃるので、平日は空いているんですよね。
この日は通行する車も人も少なく、写真が撮りやすかったです。

橋の朱色と雪の白色がきれいです。


中橋から、古い町並み方面へ…。振り返って見ると、景色は雪で真っ白。

野川のうどん屋さんと人力車。
料亭「洲さき」さんの格式ある店構え。
岐阜県で最も古い料亭「洲さき」の玄関。風格があります。
閉まっているお店が多くて、ひっそりしていました。


さて、こんな順路でお散歩をしています。宮川沿いを歩き、次は古い町並みへと続きます。

緑のラインを歩いてきました。次は青のラインを歩きます。


古い町並み・上三之町・(お散歩動画あり)

古い町並みで有名なエリアを歩いてみましょう。

ここから古い町並みへ入っていきます。
凍みている箇所があるので、気を付けて歩きました。

この道は融雪工事がなされているのですが、それでも凍結しているところがあり、ソロソロ~と気を付けて歩きました。

ちなみに、この通りを散歩した時の風景を動画に撮ってみました。

おさんぽ動画①(約42秒)・音入り

よちよち歩きながら撮ったので、画面が少し揺れています。
こちらはスマホを用いて、無料の動画編集アプリVLLOを使って編集しました。

おさんぽ動画②(約38秒)・音入り

こちらはパソコンを用いて、Windows10「ビデオエディター」を使って編集しました。①の続きです。
(※編集ミスで、最初のスタート時の音楽がダブっちゃって聴きづらくなっています。あと手振れも…。スミマセン~)

動画の撮影&編集はまだ始めたばかりで、下手っピーで申し訳ないのですが、町の雰囲気を味わっていただけたら嬉しいです。

郵便配達のシーンに遭遇

インバウンドの賑わいがすごくて、もうすっかり忘れていたけど、昭和時代は、冬季の平日となると観光客はまばらで、こんな感じで静かだったんですよね。

かつてこの街を訪れ、この街を好きになった国内外の旅人の皆様が、今もご無事でお元気に過ごされ、また、この街を再訪して下さることを心から願っています。

この通りは、昼間もいいですが、夜歩くのも素敵ですよ。
家の外灯がともり、とてもいい雰囲気です。


匠バスを発見

市街地を歩いていたら、カラフルな色彩の「匠バス」に遭遇しました。

高山祭の衣装の柄を模した「鳳凰(ほうおう)」号

観光客向けのバス「たくみバス」です。
もちろん市民も乗ることができます。
私はこのバスに乗ったことはないのですが、車体の模様だけでなく、車内もいろいろ凝った工夫が施されていて楽しめるようです。(詳しくは、上のサイトをご覧ください)

色鮮やかでかっこいい。

こちらは、高山祭の祭り行列をイメージした「かんかこ」号。

爽やかな青と白が印象的。

今度、お試しで乗ってみようかしら。
乗車すると、お得な特典(指定の駐車場無料・市内施設の割引など)もあるようです。

匠バスは3種類あるそうなので、順番に乗ってみるのも面白そうですね。


さんまち通り・えび坂を通り、再び図書館へ

寒いので、そろそろ図書館に戻りましょう。

雪のさんまち通りをまた歩きます。

日差しはあるけど、やはり氷点下の中を歩き続けるのは寒くて大変です。
スマホやカメラを操作するたびに、手袋を外していたんですが、手がかじかんで冷たくなってしまいました。

えび坂を登りながら、空を仰ぐ。
木の枝についた雪が、まるで花のよう。
昔からある味噌屋さん。
高山市街地のごみステーションの案内板。

もと来た道をテクテク歩き、また高山市図書館に戻ってきました。

図書館の松の木。雪で枝が折れないように「雪つり」をしています。

大きな松の木にも、しっかり「雪つり」がされてありました。

ゴールの高山市図書館に到着。

久しぶりの雪道散歩。
この年末年始は、時々雪かきをしながら、ほとんど家の中にこもって過ごしていたので、こうして外をのんびり歩いたのは久しぶりです。

キンキンに冷えた空気に触れながら外を歩き回るのも、なかなか良いものですね。
心身が引き締まり、いい気分転換になりました。

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