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コーヒーショップで、熟年夫婦のパートナーシップについて考えてみた



私はよく、近くのコーヒーショップに行きます。

自宅のパソコンで文章を打ち込んだ後、ちょっと一息つくためにコーヒーショップ(私はドトール派)に行くのですが、そこでスマホを取り出して、珈琲を飲みつつ、先ほどまで打ち込んだ文章のチェックをしています。


本当は、スマホじゃなくて、持ち運びできる小さいパソコンでスマートに「校正チェック」ができるとカッコいいのですが(老眼が進み、スマホの細かい字を読むと目が疲れるため…w)、なかなか買う勇気がなくて、今日も出先でスマホ確認しています。


お店に出向くときのちょっとした移動時間と、家ではない公共の場所にいることで、脳がリラックスするようです。


家にいる間、パソコンを使って濃く厚く煮詰まるようにして書いていた文章も、コーヒーショップにいると客観的になれるせいか、クールダウンして落ち着いて読み返すことができます。

そこで、気分転換も兼ねて、ふらふら~とコーヒーショップに出かけています。


お店ではカウンターでコーヒーと甘いおやつを買い、禁煙席に座わります。
席についてホッとしていると、いろんなお客さんが入ってきます。


最近、ふと目につくのが、定年退職したと思われる旦那さんとその奥さんの組み合わせです。

何で定年退職した旦那さんだと分かるのか?というと、来店の時間が平日の昼間だからです。見た感じ、ご主人はサラリーマンだったような風貌で、年齢も60代という雰囲気。それに、年金支給日と思われる日に、食品や日用品の買い出しにご夫婦で出かけていて、その合間に「ちょっと休憩」でコーヒーを飲みに立ち寄った…、そんな感じなのです。


私はいつも一人でコーヒーをすすりつつ、スマホ相手に格闘?しているのですが、ふと周りを見回すと、熟年ご夫婦がちらほら座っています。


で、目の休憩とばかりに、スマホから目を離して、周囲の人々を観察すると、これがなかなか興味深いのです。


面白いことに、熟年夫婦の場合、60%くらいが、このパターンなのです↓。


入店したとき、旦那さんは、当たり前のように黙ったままスッと席の方へ行き、そのまま座ってボーとしているだけ。奥さんは、一人でカウンターであれこれ注文し、お金を支払い、コーヒーやおやつがのせられたトレーを席まで運び、黙ったままの旦那さんにコーヒーやおやつを出してあげる。
飲食が済んで出店する時、旦那さんは、やはり当たり前のようにスッと一人で席を立ち、奥さんを気遣うことなく、手ぶらでサッサと店を出てしまう。奥さんは、自分たちのテーブルの上を一人で片づけ、使い終わった食器のトレーを返却口に持っていく。しかも、買い物した荷物を奥さん一人が抱え持っていて、奥さんはあわてて旦那さんを追って店を出る。


…だいたいが、こんな感じです。


飲食中の様子までは、じっくり覗き見していないのでわかりませんが、たまたま向かいの席になったご夫婦を見ていると、

奥さんは一生懸命、旦那さんに話しかけているのに、旦那さんはボーとしていて話を聞いていない。
旦那さんは、ただただ目の前に出されたものを飲み食いしているだけで、奥さんに話しかけることもなく、奥さんも旦那さんに気を使いすぎて、夫婦の会話があまりない感じ…。

…だったりします。


きっと、このご夫婦の家庭では、『給仕は女がするもの。男は座って待つもの。』
という感覚なんでしょうが、横から見てると、なんだか違和感を強く感じます。

奥さんの方は、旦那さんと久しぶりのデートで高揚している雰囲気ですが、旦那さんの方は、熟年世代の男性にありがちな「家族のことには無関心」という感じで、目の前の自分の妻も人間であり、妻にも感情や心がある…ということをすっかり忘れてしまっている。そんな感じなのです。


旦那さんは、ただ黙って食う、飲む。奥さんの話は馬耳東風。女の話に真剣に耳を傾けて答えることは、男として恥ずかしくてみっともないこと…と思っている様子です。

そんな旦那さんに対して、奥さんがあれこれ心配りしているのが、赤の他人の私にもビンビン伝わってきます。


とても人柄の良さそうな奥さんなのに、旦那さんの方は、奥さんの配慮や気配りがさっぱり分からないみたいで、反応も悪いし、旦那さん、終始、奥さんのことを空気扱いです。


どうして旦那さんは奥さんに対して何の反応もしないんだろう?

一緒に来店しているくらいだから、仲は悪くないのだろうけど、
甲斐甲斐しく世話する奥さんと何もしない旦那さんの組み合わせって、なんだかカッコ悪くてバランスが悪いよなぁ…。全然、素敵に見えないなぁ…

と思ったのでした。



一昔前の昭和時代なら、理想的なカップルの姿なんでしょうが、今の私の感性だと、バランスが悪くて居心地が悪い…と感じられました。

若い感覚の夫婦だと、「男はこうあるべき、女はこうしなくてはいけない」という社会的性差や性別役割に縛られることなく、割と自由で、人目を気にすることなく役割を分担し合い、ちゃんと意見を言い合ってコミュニケーションしているのが伝わってきます。


でも、今の60代以上の人たちは、昔の価値観が染みついている人が多くて、外向きには良いんだけど、家族やパートナーが相手だと、話下手・口下手・不器用・気が利かない・融通が利かない・動かない、何もしない…が際立ってくるのかな…と思いました。

この世代は、会話ができなくても口下手でも、何となく雰囲気で生きてこれた人が多いから、成長なく今に至っている人が多いです。
特に家族や夫婦の関係になると、とたんに相手のことを粗末に扱いだし、言葉による意志疎通を最初から放棄しています。
そのため、コミュニケーション能力が育っていなくて、言語表現能力が著しく低い人が多いんです。

そして、意識が「男と女は別々の生き物」という感じなんですよね。昔の封建時代の感覚が今も根付いているんです。


この旦那さんの場合、奥さんの人間性や気持ちを無視して、ただ都合のいい便利な女給として見ている?そんな感じも受けます。

自分の身の回りの世話をしてくれる人、母親の代わりに自分の面倒を見てくれる人…という感覚で奥さんのことを認知していて、人生のパートナーという平等感覚が抜け落ちているのかもしれません。


そんな熟年ご夫婦を見ていたら、私は奥さんが気の毒になってしまい、ついつい、
「この奥さんだから、旦那さんは今まで夫婦としてやってたんだろうな。この奥さんでない、他の普通の女性だったら、こんな旦那さんでは耐えきれなくて、早々に三下り半を突きつけて出て行ってたかもしれない。そうしたら、このオジサン、『男やもめ』で蛆がわいていたかもしれないな…」
と思ってしまいます。


今の時代、女性の方が、「新しい時代の流れ」に対して早く覚醒していているので、熟年男性の「乗り遅れ」感がますます際立ってしまうのかもしれません。


このコーヒーショップでの一瞬の様子が、日常的ないつもの習慣なのでしょう。

30年前ならこれが当たり前でも、せめて、コーヒーを運んでもらったら「ありがとう」を言おうよ〜。

自分が食い散らかした跡くらい、自分で片づけようよ〜。

奥さんに何もかもやらせているんだから、せめて荷物くらいもってあげようよ〜。

むっつりして飲み食いしていないで、話し掛けられたら、ちゃんと返事くらいはしようよ〜。

…と心から思いました。

そして、「ここまで気が利かない旦那さんなのに、よくぞ今まで、この奥さんは我慢強く付き合ってこられものだ、すごいなぁ~。」…と、奥さんの心の器の大きさに、私は感嘆したのでした。


もう、男は外で働いて稼いでいればそれでいい…という時代ではありません。

家族のなかでは置物みたいにただ居るだけで、話もしないし個性も見えてこない、何を考えているのかさっぱり分からない人では、どんなにお金を稼いでいても、嫌われるだけですよ。
これからは、これもダメンズですって(汗)。

オジサンたちには、自分自身をATM以外に何の取り柄もない状態に成り下げていることに早く気づいて、奥さんとのパートナーシップについて真剣に考えてほしいな…と思いました。



ちなみに、コーヒーショップで見かける熟年夫婦の残りの40%は、夫婦仲良くフィフティーフィフティーな人たちでした。
男女関係なくトレーを運んだり返却したり、自由でオープンなご夫婦関係です。


結構なご年配の老夫婦でも、旦那さんが奥さんを気遣ってスマートにエスコートしているのを見ると、品がよくてとっても素敵で、羨ましく感じます。


うん、こっちのほうが私は好きだなぁ〜。
亭主関白は私は苦手です。
古い価値観に縛られず心を自由に保ち、自分の意思で自分らしく生きている人たちのパートナーシップは、端から見てても、とても素敵でバランスがよくて心地よいです。

こういう姿。見習いたいなあ〜と思いました。

私たち夫婦は、他の家庭と比べて、なんでもよく話すし、コミュニケーションもうまくできているし、今はバランスがよくてストレスフリーで居られます。

でも、この良好な関係も長年の努力の賜物なんです。コツコツ二人で築き上げてきたからこそ、なのです。

しかし、これから年を取って自分達の臨終のときに、「もっとこうしておけばよかった」「これを伝えておけばよかった」と後々、後悔することがないよう、今のうちに、正直に素直に自分の気持ちを伝え合うことは大切だ…と思いました。


せっかく縁あって夫婦になったのです。

そんな相手とのパートナーシップ、これは自分達のライフワークだと思って大切にしていきたいと思ったのでした。

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