此処のところ、私のココロは明るいのだがはっきり言って思いやりを失いつつあった。
　仕事は、上手くいき始める、街を歩いていても、少し痩せておしゃれも上手になった私は、優しく受け入れられる。友達になれそうなコとは、明るく話しかけられる。………

　人のしあわせが、家庭内が暖かいこと、近所付き合いも上手くできること、親戚をだいじにすること、見せかけだけでなく、中味を充実させた生活を……
　と、心掛けていたら、確かに私の運気は変わってきた。
　上向いてきた。
　人間的なカーストも上がってきたような気がする……

　ただ、親友Ｐは、いつまでも足踏みしているのである。

　彼女は、自分の顔に自信が持てず、整形をした過去がある。
　瞼を少し整形したのだ。
　しかし、手術のときに痙攣（けいれん）し、動いてしまったために瞼が少し失敗してしまった。
　見る人は、言われても全然わからないのに、彼女はかなり気にしている。外に出るとき不安がっている。
　そのせいで、鬱になり、もう何年も引きこもりに近い生活をしているのだ。

　その友達は、いつも２時間遅刻するかドタキャンする。私は、放って置けなくて　もう13年も付き合っている。

　いつか、彼女がまた整形して　問題なくなって、明るく生きていかれる日を待って……

　ただ、彼女は　もともとは明るかったから、明るい調子で話すときは良いのだが、鬱のときは、ひたすら下向きのメールや、LINEをよこす。

　これが、いつも私のエネルギーが上がっているときで、ばんばん活動したいときに　必ずと言っても良いほど来るからたまらない。

　しかし、私は　根気よく待ち続けた。

　最近、その根性が保たなくなってきた。

　仕事の日数が増え、両親が痴呆症になり、実家は一家離散した。

　主人は、コロナに罹り、後遺症で前のように働けなくなった。

　地元の友達も家族関係で、あまり前ほどよく遊べなくなった。（Ｐは、実家にいた頃からの友人、今は私は他の区に引っ越している）

　少し前から、暗さを振り撒くPに嫌悪感を持つようになった。

　けど、そんなんで見放していいのか………？

　かつて、私も　恋人に振られたときには、友人達にも見放され、独りぼっちになったのだ。

　あの時は、抗うつ剤を必要もなく飲まされ、躁状態になって電話を掛けまくったから、当然ではあったが、…………

　Ｐを見放したら…Ｐは、どうなるのだ…？

　ほんとに、それは正しいか…？

　今、わたしは、自分が調子いい時で、それでも、満たされてなくて、そういうときの　よくあるいつもの私の沼に入っていると感じていた。周りに冷たくなったりするのだ。

　そういうとき、私は明るいものでなくて、却って感傷的なものにふれる。

　よく聴く曲は、
　ガゼボの「アイ　ライク　ショパン」
　ビリー・ジョエルの「オーネスティー」
　シカゴの「素直になれなくて」
　そして、誰だったかの「ニューヨーク・シティ・セレナーデ』……

　繊細な曲は、頑なに、尖って、厳しく、それて弱いものに冷たくなったココロをソフトに、柔らかく、感受性豊かに戻してくれるーーーー。

　なぜか、人間的に冷たくなった、私のココロを人間性豊かなものに引き戻してくれるーーーー。

　心が溶けていくーーー涙を流しているのが解る。柔らかくなっていくーーー何かがほどけていくーーーーー。

　少し休んで…………

　疲れをとって休んだら、また　Pにやさしくするか…………………

　やはり、芸術はいい………

　　　　　　　　　　　　あがり🍀