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スペシャルタイムってなに? 方法と実践してみてわかったこと

以前、トドラー期の睡眠を安定させるルーチンのひとつてしてスペシャルタイムなるものをご紹介しました。

こちらのルーチンはアメリカの小児科医のハービー先生の本からの抜粋でしたが、なんと最近読んだ別の本にも似たことが親子関係に非常に役に立つと書いてありました!

しかもこの本はハービー先生の本よりも詳細に実践方法が書いてあったのと、ハービー先生のとは異なる部分も同じ部分もあったので、それについても触れながらまとめます。

スペシャルタイムってなに?

スペシャルタイムとは、その名の通り「特別な時間」のことです。
ハービー先生の本では、単にトドラーの心の栄養として1日のルーチンに組み込むことが推奨されています。
一方で加茂先生の本では、「親が改まって子どもに集中して接する時間であるとともに、子どもが、親からスキルを使ったプレイセラピーを受ける時間」とされています。

私個人的には、手っ取り早くいうなら「親の注目を集める装置になってしまっている不適切行動の予防のために、初めから注目される欲求を満たしてしまうこと」と捉えています。あと子どもの自尊心を育むのにめちゃくちゃ効果的!

どのくらいの時間、行うの?

時間はずばり5分!
過不足なく5分です。やってみるとわかりますが、子供に最大限集中してルールを守りながら行うには5分が限界です。しかも毎日行うことなので、毎日決まった時間にすることが大人にも子供にも安心につながります。

毎回、開始前には「これから特別な時間(またはスペシャルタイム)をはじめるよ!」と宣言します。
(ハーバー先生の本では、トドラー向けだからかテンション上げめで"今から5分、OOちゃんのスペシャルタイムです!特別な特別な特別なー時間!"と言うことが勧められてます)

時間を測るには砂時計を使用しても良いですし(可愛いモノだとテンションあがる!)、私はタイムタイマーを使用してます。
とにかく子供も5分を納得してわかるように環境を整えましょう。
17時の鐘や音楽が鳴る地域なら、それが鳴る5分前にするのもいいかもしれませんね。

とにかく5分経ったら、すっぱり切り上げます。
開始と同様に、「これで特別な時間(またはスペシャルタイム)はお終いです」と宣言します。
(ハーバー先生の本では、トドラー向けだからか同情しながら"あらら…ごめんね、スペシャルタイムは終わっちゃったの。また後で(また明日)スペシャルタイムをやろうね!"と言うことが勧められてます)

はじめのうちは終えるのに抵抗にあって大変かもしれませんが、習慣になるとすっぱりやめられるようになります。

実践してみて

我が家の場合、開始当初やめるのがあまりにも大変(泣きまくる)だったので、必ず「次は楽しいことが起きる」ときに行ってました。現在はお風呂前で定着してます。娘は大変活発な子なのでスペシャルタイムはアクティブになることが多く汗もかきやすいのと、就寝1〜2時間前に体温を上げることは寝入りをスムーズにしやすいのとで、一石二鳥です。

いつどこで誰とするの?

必ず大人の保護者と子供が一対一で行います。兄弟がいる場合も、5分だけは別の部屋にいてもらいましょう。
場所は2人きりで静かに遊べるところならどこでも大丈夫ですが、いつも同じところで行えるとなお良いでしょう。携帯やテレビ、スマートウォッチなど邪魔になる電子デバイスはすべてスイッチオフ

ちなみにハービー先生は1日1〜2回いつでもいいよ、という感じ(ルーチンに組み込むとなおよし)でしたが、加茂先生は時間も場所も固定されてるといいという書き方でした。

実践してみて

親も子も習慣化するまでは切り上げるのも定着させるのも大変(この時間にやるはずだったのに!とかなるのがイヤな人←)なので、楽しいイベントの直前にランダムに行うのがよかったです。切り上げるのが上手くできるようになってからはお風呂前に固定できました。
あとできない日があっても落ち込まない。できなくて当たり前、できたらラッキーくらいの気持ちで、3日坊主を何度も繰り返しつつ今に至ります。私が忘れてて娘が思い出してくれることもあります。ゆるくやりましょう。

なにをするの?

ハービー先生は「子供がやりたがることならなんでも」という感じでしたが、加茂先生は以下の注意に沿って2〜3個選択肢を提示し、子供に選ばせることを薦めています。

最適なおもちゃ

クリエイティブなことがしやすくルールのないもの。リスト中のものでも、子供がモノを投げるのが好きな時期なら投げても良い風船やソフトなモノにする、お絵描きも壁にしたりして親が困るなら初めから選択肢にいれない、など柔軟に対応してお互いストレスフリーを目指しましょう。

  • 積み木、レゴなどのブロック

  • 電車のセット

  • お絵描きや塗り絵

向かないおもちゃ

  • 対象が曖昧になりやすい人形遊びなどのロールプレイ

  • トランプやボードゲームなどルールのあるもの

  • 絵本の読み聞かせなど一方的になりやすいもの

実践してみて

現在親子関係に特に問題がない場合は、おもちゃや遊び方はそこまでルールに沿わなくていいんじゃないかなぁと思いました。というか娘の場合、自分で気分が乗らない限りひとっところに留まって静かに遊ぶなんてまず無理なんですよ。(保育園ではめちゃくちゃ集中して色々やってるらしいですが…家ではやりません…)これと同じで、この時間に保護者を独り占めできるなら絵本読んで欲しい子もいると思うんですよね。これで揉めるのも面倒なので、私はあまりこここだわってないです。

なにをやらないの? Don’t スキル

えっやらない?そうです。やらないこともあります。所謂Don’t スキルと呼ばれるモノです。
ハービー先生の本にはぼんやりとしか書いてありませんので、ここはとても助かりました。

①命令、提案をしない

この時間だけは「〜しなさい」という命令は避けます。
また、「〜してみる?」「〜してくれたら嬉しいな」「〜しましょう?」などの提案も、実は間接的命令です。日常生活で使うのはまったく問題ありませんが、この時間にはやめましょう。
理由は簡単です。この時間は子供がリードをとって、親子で楽しむ時間だからです。幼少期は日常生活で大人がリードをとることが多い分、この時間は意識して子供にリードをとってもらいましょう。
私見ですが日本の教育って「だまって大人の言うことを聞け」みたいな感じなのに就活から社会人になって突然「はい!自分で考えてリードとってください!」みたいになるのマジ意味わかんなくないですか?ここは家で意識しないとまずいなと思ってます。
余談ですが朝の洋服選びからお昼ご飯、休日にしたいことまでなるべく娘に決断させて従っています。また、幼少期から1日のルーチンはかなりはっきりさせていて「次は何する?」と質問したり、何も言わずに見守ったりしながら娘に率先的に過ごしてもらっているつもりです。

②質問しない

5W 1Hの単に情報を求める質問はOKですが、大人の質問は①のようにえてして間接的な命令や推奨になってしまがちです(お花なのに緑なの?など)また、質問の形をとった否定にもなりやすいですし、そもそも質問をする側が主導権を握ってしまう構図になってしまいます。

③批判しない

例えば自分がやむをえず会社の廊下を走っているときに、同僚に「廊下を走ったらだめだよ!」と言われたらどう感じますか?私はいやな気分になります。同僚は私に「急いでるの?僕もこんなこと言いたくはないけど、安全のために歩いた方がいいよ」と言われた方がよっぽどいいです。
私たち大人は、子どもにまともな大人になってほしいがためにさまざまな批判をします。「それは違うよ」「そうじゃないよ」「だめじゃない」「やめなさい」
こういった批判は必要ないんです。シンプルに「こうするといいよ」「歩いてね」「小さなお声にしてくれる?」と望ましい行動を伝えればOK。
批判は間違いを指摘しているだけで、正しい行動を教えていませんし、子どもの自尊心を低下させます。

さらにできるといいこと:Doスキル

①具体的に認知する

本には「賞賛する」と書いてありましたが、このワードだと誤解しやすいと思い「認知する」と返させていただきました。
というのも、賞賛することって「すごいね」「えらいね」とかだと思うんですけど、これって情報量が1なんです。とりあえずポジティブだということしか伝わらない。
そもそも褒める必要もないんです。私たち自身も、仕事で「えーすごいじゃん」と誉められたらそりゃ嬉しいですけど、「何も言わなかったのにこのデータまで追加してくれたんだ、ありがとう」とかの方が嬉しくないですか?
子どもにも「おもちゃをそっと置いてくれてありがとう」や「いろんな色を使ってカラフルに書いたんだね」「ママに渡してくれてありがとう」「たくさんの積み木を組み合わせて、大きなお家ができたんだね」とかただ子どもの行動を認知するだけでとても喜びます。
子どもの望ましい行動を認知(賞賛)すると、子どもはまた褒められたくて同じ行動をしやすくなります。認知行動学ではこれを「強化」と言います。強化された行動は良い習慣になります。何度でも認知してあげてください。子どもの自尊心も自然と高まります。

②繰り返す

子どものいった言葉を繰り返します。
望ましくないものは聞こえなかったかのようにスルーしましょう。
繰り返すことにより、子どもは「自分の話をきちんと聞いてくれてるんだ、受容されているんだ」と感じ、自尊心も高まります。また、親が子どもの話を積極的に傾聴すると、子どももきちんと相手の話を聞くようになります。「話を聞いて理解すること、共感すること」は人間の最も基本的な社会的スキルです。

繰り返す時のヒント

  • おうむ返しにする

  • 文法が間違っていたら、さりげなく正しい文法で同じ内容をいう(責めない)

  • 質問は繰り返さない。返答するか、OOが気になるのねという

  • 付け足す:「車」といったら「青い車だね」など

  • 語尾あげだと質問のように聞こえてしまうので、語尾を下げてしっかり共感を示す

③真似をする

②では言葉の真似でしたが、行動も真似ましょう。親に真似てもらうと、子どもは自分が認められて、リードをとっているんだ、という気持ちになります。
真似するのを嫌がったら、一旦やめましょう。
もし嫌がる理由が「おもちゃを独占したいから」だとはっきりしている場合は、おもちゃをシェアする練習をしてもいいかもです。
「OOちゃんが使い終わったら、パパが使うね」といい、静かに待ちます(決して貸すように仕向けません)もし最後まで渡してくれなくても心配いりません。たまたま渡してくれたら、「認知」のスキルを使い「おもちゃを貸してくれてありがとう。パパとっても嬉しいよ」と言います。

④実況中継する

これは最近よく推奨されてますよね。ヒントがいくつかあったので。

  • 子どもを主語にして実況中継する:「OOくん、ここで青い積み木を足します!」

  • 嫌がったら控えめに。③と組み合わせて少しずつ慣れさせる

  • 大人の推測や感情は入れない:「OOちゃん、青い積み木を置くか迷っています」はNG

  • 不適切な行動はスルーする

⑤楽しむ

なんかこれまでグダグダ書きましたが。全部忘れてください。これができてればオールオッケーです。親子で楽しみましょう。ヒントをいくつか

  • 初めのうち、DoスキルやDontスキルがうまくいかないのは当たり前!親の学習プロセスでもある。固くならずに。

  • 親がニコニコ自分だけを見つめてくれる時間、それだけで子どもには宝物(親も将来振り返った時、自信になる。)

  • アイコンタクトする

  • 優しくボディタッチする

おわりに

本では、この続きに「無視のスキル」の解説もあるので、是非是非本を点取ってみてくださいね。
また、私の別の記事でも少し触れているので、よかったらどうぞ。

みなさまが良き親子関係を構築できるよう、祈っております!
私も娘に取って良き親であれるといいな。。。
がんばろー!

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