たべっ子どうぶつと、水

昨日、久しぶりに会えた。
大学生協の売店にいるおばさん。

いつ頃からだろう。
昨年くらいから、突然仲良くなった。

なんでかも覚えてない。

けど、いつも私の顔を見ると、
「あら〜!元気にしてるのー?」
と優しくとってもとっても素敵な笑顔で
話しかけてくれる。

大学なんて、高学年になればなるほど、
授業も減って、同期にも、先生にも、
会う回数は少なくなる。

毎回、「久しぶりー!」とか、
「お疲れ様!」って、決まり文句みたいになってしまった挨拶を交わし、どこかで励ましあいながら、それぞれ就活や卒論と闘っている。

そんなにたわいもない会話をすることもないし、
先生と笑顔で話すことも滅多にない。

そんなちょっと寂しいような学生生活の中で、
たまにしか来なくなる大学で、
生協の売店のおばさんは、いつでも
一番ラフに明るく笑顔で話しかけてくれる。

たしか、顔を覚えてくれたきっかけは、
たべっ子どうぶつと水。
当時、アルバイトだけではなかなか生活が苦しくて、詫びしい生活だった時、
一番安く買える、おいしいものがその2つだった。

きっとおばさんから見たら、
なんて味気のない大学生なんだろうか、、
お金が大変なのね、、
と思ったはず。

けれど、おばさんは、
そんな驚きも見せず、
馬鹿にもせず、
「たべっこどうぶつってなんだかおいしいよね〜!いつもご利用ありがとうございますね〜😊」

って普通に言ってくれた。
変に気遣いをしすぎてなくて、
素直に優しかった。

それから、だいたい
毎週水曜日、決まった時間に買いに行った。
たべっ子どうぶつと水。

おばさんは、
「いつもの組み合わせね!」ってこの詫びしい組み合わせを、ある意味個性のようにして覚えてくれて、そこからなんだか毎回、少しずついろいろお話するようになって、仲良くなった。

✳︎✳︎✳︎
4年生になって、
なかなか忙しくて、生協の売店には行ってなかった。だから、
昨日、何ヶ月ぶりかにやっと会えた。

「あらー!元気??久しぶりね!
もう卒業なの?素敵な社会人になるのね〜!卒業するまでお店に遊びにきてね!」

将来のことを聞かれて、就職する話をしても、「音楽はやれなくなっちゃうの?」とか余計な心配はせずに、素直に応援してくれた。これからの私を。

卒業...かぁ。

なんだか、卒業が近づいている
ちょっとした寂しさを初めて感じた日だった。

おばさんはいつまで大学にいるのかな。
たくさんの卒業生、新入生、いろんな学生のいろんな生活をいつも見てきたからこそ、「音大生」とかそういうバイアスなしに、一人の学生として話しかけてくれるのかもなぁ。

たべっ子どうぶつと水買ってた子いたわねぇ。


そんなふうにちょっと覚えててくれたら
嬉しいなとか思ってしまった。

卒業まで、限られた日数だけど、
おばさんにまだまだお世話になります、きっと。

買いに行きますね、たべっ子どうぶつと水。

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