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野球の場内アナウンサーに憧れて

嫌いだったスペインに語学留学を決めた当時、私は日本で、主にスポーツキャスター、スポーツリポーターとしてテレビやラジオでお仕事をしていました。

そのころ、日本でスポーツと言えば野球。スポーツ番組と言っても90%は野球を扱っていて「野球番組」といってもいいほど。スポーツジャーナリストの花形ももちろん野球担当記者でした。

ただ私の場合は、テレビやラジオに出たいと思ってその世界に入ったわけでもなく、エリート記者になりたかったわけでもありませんでした。

将来は野球に携わる仕事に就くというのが、子供のころからの夢でした。しかし当時は今のように女性が活躍できる野球関係の仕事の場も少なく、ネット等でのインフォメーションもありませんでした。野球に興味を持っている女の子自体あまりいなく、その夢を語っても真剣に聞いてくれる人もいませんでした。

ただ漠然と野球関係の仕事がしたい-、と日々思っていたある日。

学校で「ある本を朗読して校内放送で流しみんなで聞く」という企画があり、突然私が呼ばれることに。何が起こってるのか全く分かっていなかった私に「全校に聞かせる朗読ができるのは学校であなたしかいないから、録音に協力してほしい」という先生たち。

その時に初めて、

私ってそんなに朗読が上手いの? じゃあ、声を使った仕事ならできるかも?と思ったのです。

そして、

野球のスタジアムの場内アナウンス担当、ウグイス嬢になれるかもしれない。なりたい。

まだ中学生だった私に大きな夢ができ、毎日スタジアムの特等席に座り、グランドレベルで試合を観ながら仕事をしている自分を想像しながら、はやく大人になりたいと思ったのでした。

続く

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