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「罪」について。小3長男との対話

わが息子。小3、不登校。週に数回学校へ行く。友達とは普通に遊ぶ。たまに1学年上の子とも遊んだりする。好きな人には社交的。そのわりに、からかわれたり怒られたりするととても傷つき、落ち込む。

今日の投稿は、小3長男が不登校であることはあまり関係がないのだけど、「罪」について夢中で会話した内容。せっかくなので同じマガジンに入れてみる。

好きな曲をAmazon Echo(アレクサ)で聴いていて、こんなことを言い始めた。(次男がすでに寝てしまったのもあると思う)

これは面白いと思って、先日「コルクラボの温度」というポッドキャストで収録した(配信はこれから)「罪」について尋ねてみた。

はたから言われて気が付くのが「罪」

私:じゃあさ、「罪とは」も考えようよ。

息子:うーん。罪ってさ、自分ではわかんないと思う。はたから言われて感じるんだと思う。

私:(え。たどり着くの早くない?)そうなんだ? 例えば?

息子:え? 例えば? そうだなあ。泥棒とか? 人を殴るとか? 人に言われるまで悪いことだなんて思わないと思う。

私:ええー! 確かに。人を殴るって、言われるまで悪いことってわからないか!?(やっと気づく)


 子どもは、大人よりも本質に近いのだと思った。大人は「こういうのは悪いこと」が染みついていて、それが誰かによって与えられたものだとすぐには気づかない。子どもは「人を殴ってはいけない」と知らなかった頃のことを覚えているのだろう。

「罪」と「信頼関係」のつながり

息子:俺はさ、怒って弟を殴ってしまったときは悪いと思っていないんだよ。誰かが弟を慰めてたりすると、「悪いことしたのかな」と思うかな。あとは、弟が泣いてたら、悪いかなと思う。でもさ、それでも気がつかないときがあるけど。その時は、先生とかママとかに怒られて気がつくって感じかな。


 確かに息子は、やってしまった後にきまりが悪そうにしている。あまりに罪の意識が深いと、そのことに驚いて泣いてしまうほど。

息子:他には、信頼関係を失ったら、やっと罪だって気づくんだと思う。

私:し、信頼関係……?(なぜ突然出てくる?)

息子:信頼関係ってさ、積み重なっていくじゃん? でも罪なことをするとなくなっていくんだよ。例えばさ、信頼関係が一生戻らないようなことをしたとするじゃん? そうしたら「罪だった」って気が付くんじゃないかな。

私:うーんうーん。じゃあ、相手の信頼関係が関係なくて、例えば相手がなんとも思わなかったら罪じゃないの?

息子:そうだよ。わかるママ? 信頼関係が減らなければ罪じゃないよ!

私:確かに、普通は罪を犯すと信頼関係が崩れるね。相手がなんとも思わなければ罪じゃないかも。

息子:俺さ、こう思うんだけど。罪と信頼関係は引っ張り合っているんだよ!

私:お、おう。

息子:罪を犯すと信頼関係が減るじゃん? 罪が減ると信頼関係が大きくなるんだよ。

私:なんで引っ張り合ってるってことになるの? 

息子:うーん。ええとね。あ、そうそう。風船とおもりみたいな感じ?

私:ああーそういうことね! 浮かぶ力と、重力でひっぱりあってて、どちらかが大きくなるとそっちに動くってこと!?

息子:そうそう! ママいいね!

私:じゃあ、天秤ってことでもいいの?

息子:確かにそうだね!

罪のない人はいない。罪は人間に絶対必要

私:じゃあさ、罪を犯して信頼関係がゼロになっちゃったら、引っ張り合うものがなくなったら、どうなるの?

息子:罪だけになったら「孤独」だよ! 孤独になるの。

私:おおおおおおお。やばいじゃん。

息子:でもね、その罪を活かせばいいんだよ! 罪を活かしていけば、また信頼関係が復活するの!

私:(感涙……)じゃあさ、逆に罪がなくなったら?

息子:うーん、罪がないってことはないと思う。人間は絶対罪を持ってるの。だってそうじゃん? 罪のない人なんている?

私:でも、罪は人から与えられるって言ってたじゃん? 何も言われないで育ってきた人もいるんじゃない?

息子:そんな人いる? 俺はいないと思う。誰でも何かしら、悪いと思って、罪だと思っていることがあるよ。それが積み重なっていくの。あとさ、あとで思い出したりするじゃん? 「ああー悪いことしたな!って」

私:え! あるよ! あるあるそういうの! 何それ、そういうことあったの?

息子:いやー、ないよ。

私:なんでわかるの?笑

息子:うーん。わかんない!

罪も信頼も「行為」によるもの

私:考えてみれば、「罪」も「信頼」も、人の行動(行為)に関係あるね? 行動しないと罪も信頼もない?

息子:そうだよ! だからつながってるんだよ!

私:嬉しいとか楽しいは、行動しなくても感じることができるけど、罪と信頼は、行動の結果付いてくるものだね。

息子:そう! だからつながってるの!

「罪」は後から気づく

息子:罪ってさ、あとからしか気が付かないと思わない?

私:その時にわかってないってこと? わかっててやってることもあるんじゃない?

息子:うーん。そうなのかな?

私:でもさ、あとから考えて気が付くことが多いかもね。なんでその時には気が付かなくて、あとで気が付くんだろうね?

息子:ええとね、少し大人になるからだと思う!

私:(これは子どもらしい回答! かわいい!!)ママはさ、その行為をしている時には自分のことしか考えてないけど、少し経つと別の人のように見ることができるからだと思うけど? だって、ママ、今日より明日の方が大人になってると思う?

息子:あーなるほど。それもあるね。でもさ、ママだって今も成長していると思うよ

私:確かにね……。そう思いたいよ。

こうして、彼との哲学対話は2時間近くに及び、お風呂に入っている間も、着替えている間も、寝る直前も、彼は延々と、持論を展開していった。ここに書いたのはほんの一部で、彼の発想はどんどん広がっていったけれど(「愛」「手助け」「感情」等々)、少しでも残しておこうと思いここに記した。

私:ママ、もう眠いよ。話終わりにして寝てもいい?

息子:ママ! 俺はもっと話したいのに! そういうこと言うのも罪だよ!(ニッコリ)

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