見出し画像

「笑坂&吉野大夫ツアー」(2)

【ツアー1】 登山道標識、高札所、諏訪神社

旧道に入り、油屋と本陣の間の坂道を登った。坂の入口に浅間登山道の標識がある。しかし勾配はゆるく、アスファルトで舗装されている。

(「屋根」W72)(=中公文庫版『笑坂』72頁、以下、同様)
油屋と旧本陣の間の坂道
浅間登山道の標識
旧本陣入口の高札場(復元)
その隣の諏訪神社(入口の鳥居)

【ツアー2】 泉洞寺の山門の手前の小さな川

泉洞寺の山門の手前を、小さな川が流れている。川といっても、浅い溝のようなもので、たぶん下の方で吉野坂下の川と一緒になるのだと思うが、ただその途中のどこかで、地下にもぐり込んでしまうらしい。

(中公文庫版『吉野太夫』164頁)(=Y164)
泉洞寺の山門の手前の小さな川(上流側)
泉洞寺の山門の手前の小さな川(下流側)

この川は「御影用水」と言って、浅間神社の前から油屋の裏、諏訪神社と泉洞寺の前を通り、国道18号線を潜り、旧中山道の笑坂付近沿いを流れています。
岩井傳重著『軽井澤三宿と食売女』によると遊女吉野は「ある夜ひそかに主家をぬけ出し」「御影用水に入って水死しているのを」見出されたとのこと。

御影用水(追分宿 分去れの道標 - Google マップ)

【ツアー3】 泉洞寺六地蔵、不許山門入葷酒石柱

泉洞寺の山門前には、左手に六地蔵が並んでいる。いまは赤い頭巾をかぶっていた。右手には不許葷酒入山門の石柱が見えた。もちろん、わたしは、シラフだった。前日のコンチワ・パーティーの二次会は十一時過ぎまで続いたが、もうさめていた。

(Y166)
泉洞寺山門前の六地蔵
不許山門入葷酒石柱(『吉野大夫』では「不許葷酒入山門」)

【ツアー4】 桜と木瓜が満開の草道、墓地、わが家(手前は書庫)

墓地から遠くない所に小さな瓦葺の屋根があって、わたしは夏の間その屋根の下で暮した。(中略)なにしろ泉洞寺から左に折れた草道を、墓地の前まで登って来れば、最早わが家に着いたものだともいえたくらいだ。

(「道」W7)
泉洞寺から左に折れた草道
墓地の前の登り坂

【番外1】 泉洞寺駐車場、堀辰雄の愛した石仏

泉洞寺山門の右手には墓地に続く道があり
「墓地の入り口には堀さんの作品『樹下』に書かれたことで有名になった石仏があります。左手を頬にあてているそのお姿から地元の人たちが「歯痛地蔵尊」とよび親しんできた石仏です。」

(泉洞寺ご住職 櫻井朝教氏『追分流』2019夏)
堀辰雄『樹下』に書かれたことで有名になった石仏(歯痛地蔵尊)

【ツアー5】 分去れからの草道

家の裏は草道の四叉路になっている。一つは分去れから登って来る例の草道で、これはわが家の裏をそのまま林の中へ通っていく。それに交わる形で、墓地の前を通って泉洞寺の方へ下る道と、白樺林の鉄条網沿いに折れ込んで行く道があった。

(「屋根」W63)
分去れからの草道

【番外2】 庚申塚公園(シャーロックホームズ像)

麓迷亭から分去れに下っていくと馬頭観音やシャーロックホームズ像がある庚申塚公園に出ます。
庚申塚公園の前の道を下ると分去れの三角地帯に突き当たります。

庚申塚公園
シャーロックホームズ像

(続く)






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?