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フィジーのインターでの科目選択

       http://www.kaigaikyoiku.jp/purpose/ib/より引用

国際バカロレアでは、『第一言語(母国語)』『第二言語(外国語)』『社会科学』『自然科学』『数学』『芸術』の各グループから、一つずつ自分の受講したいものを選択する(芸術をやりたくない場合は他分野からもう1科目選択可)。
しかし、学校によっては専門講師不在のために選択肢に入らない科目も多数存在する。今後、世界のインターで国際バカロレアを取得しようと思っている方には、そのインターにおいてどれくらい科目の選択肢があるのかを、事前にチェックすることをお勧めしたい。

私が通うインターナショナルスクールナンディ校(以下ISN)は前述の通り小規模な学校であるため、科目の限定加減が特に顕著である。ここではそんな学校の科目のavailabilityと、私が実際に選択した科目について、紹介することとする。

第一言語(母国語)
ネイティブの生徒には【英語A】という、英語文学を通して理解力を養うという趣旨の、母国語としての英語の授業が提供される。一方、英語を第二言語とする生徒は【自主学習文学】と称して、母国語で古典的名著を二年間を通して合計9冊読み、論評を書くという課題が課される。
ISNではネイティブの教師から論評を書くためのレクチャーは受けられるものの、各言語での【自主学習文学】に対応できるIBの専門講師はいない。学校側が海外の講師と契約し、スカイプで論評をスピーチ形式で発表して採点してもらうという形態だった。(って先生が言ってたけどまだそれは実現してない。。。)

第二言語(外国語)
ここでは、英語を母国語としない生徒のための【英語B】、【スペイン語】、【フランス語】が存在する。他のIB校では中国語や古典言語まで学ぶことも可能らしいが、ISNではこの三つからしか選べない
私が選択している【英語B】では主に社会問題をテーマとした新聞・ネット記事を読み、スピーチや討論を行う。これを通して問題解決のための思考力を養うと同時に「聞く、話す、読む、書く」の4技能を育てるのがテーマである。

社会科学
『社会科学』分野には本来10科目ほど選択肢があるはずなのだが、ISNで受講可能なのは残念ながら【経営管理学】と【心理学】の2つのみ。
私が選択したのは【経営管理学】。授業内では多くのケーススタディが用いられ、生徒は各ビジネスが抱える問題を分析し、解決策を導き出さなければいけない。
なお、多くの同級生はのちに紹介する『芸術』分野を避けて【経営管理学】【心理学】の両方を受けているのが私の学校の現状である。

自然科学
『自然科学』においてISNで選べるのは【化学】【物理】【生物】の基本的な3科目と、つい最近導入された【デザイン技術】。私は【物理】を選択しており、授業内では机上で行われる通常の勉強の他に、動画・実験などの体系的学習を通して生徒はコンセプトを理解していく。
また、最後の【デザイン技術】は主にパソコンを用いて様々なオブジェクトを創作するという画期的な内容だそうだ。

数学
『数学』には、率直に言うと、選択肢などあってないようなものだ。
通常の【数学】と【数学Studies】という標準レベルよりも簡単な内容を扱う科目が2つあるだけで、日本のように「代数・幾何」などのジャンル分けをすることはない。レベルは違えど、IBに指定されている内容を全生徒が網羅することを余儀なくされる。【数学Studies】は簡単で総合的には高得点が狙いやすいとはいえ、見栄えが悪いので大学に申請する際には弱みとなってしまうと一般的に周知されている。

芸術
『芸術』に関しては、本来、映像・劇・音楽などの選択肢があるのだが、現在ISNでは【美術】しか受けられない
【美術】では一年目に絵画・鉛筆画・写真・彫刻など、様々な手法で試験的に創作を行う。そこから自分の好きな手法を3つ選び、2年目にはその3つの手法を用いて継続的に作品をつくることとなる。その都度プロセスや分析などのレポートを提出し、最終的にはそのレポートと展示会でのプレゼンテーションから評価が下される。

以上のように、一口に国際バカロレアと言っても、選択科目の幅はその学校の講師陣によりかなり異なるのが実際のところである。
他国のIB認定校であるインターと比較してフィジーのインターの学費が安価であると言われるのは、物価等のみならず、このような背景も影響しているのかもしれない。

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