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ひとり旅・自分と繋がる新しい自分へ・15話

アンナさんの作るビーガン料理は食材も、味付けも自然。それでいて美味しくて、ビーガンであることを忘れます。食材のエネルギーを吸収して美味しさ、愛と恵みに包まれる感じです。季節のもの、地元のものを人の手(愛情)を加えてお供えする。食事は自分自身の中にいる「神様」が頂くというイメージができました。時代の成長と便利さで飢えから腹を満たす部分だけが急激に進化しすぎて、実は最も忘れてはいけない「神の食事」の本当の意味がわからなくなってしまったように思います。ここ数年忙しさを言い訳に無視してきた大切な事を再び思い出しました。

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心より感謝です。延泊をしたもう一つの理由。
それは「ケヘナブラックサンドビーチ」に昇るサンライズ。真っ黒いビーチと朝陽。今朝、崖の上から朝陽を撮っているときに、「見たい、その映像を撮りたい。」とメッセージを受け取るみたいに心に浮かんで、イメージが湧いてきました。
明日に期待して今宵も早寝。再び、闇夜に響くコキ・フロッグの声に包まれ眠りにつきます。

熟睡から突然目覚め、慌てて窓を見つめると外はまだ薄暗く、雲に覆われていました。ボーっとしたまま、ゆっくり支度してバケーションハウスを出ると、霧雨がまるで風に揺れるカーテンのようにヒラヒラとリズミカルに過ぎてゆき、急に大粒の雨があられのように落ちてきて心が折れそうになって立ち止まった時、どこからか『きっと見えるよ~、見えるから~。』と響いてくる。その声に誘われるようにケヘナブラックサンドビーチの崖の上に向かって、再び歩き始めました。頭上には雲がありますが、水平線はだんだんと色付いていきました。

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下記の写真は日中撮影した写真ですが、崖の真上からみるとこんな感じです。

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ケヘナブラックサンドビーチの崖の上に着いた頃、大粒の雨は小雨に変わり、いよいよ崖から9メートル下のビーチへ。滑りそうなトレイルを足場を確かめながら一歩一歩土を踏み固めるように降りていきます。時おり、崖の下の方から雷に似た大きな爆音。轟いて体も振動する。まるで地底の世界へと降りていくようです。

一歩ステップを踏むごとに自身のダークな部分、長い間ずっと蓋をして見ないふりを続けてきた心の暗闇、知っているけど知らないふりを続けてきた心の奥の扉。ついにその重たい扉を開ける覚悟で奥へ奥へと進んでゆく感覚が、実際に目にする景色とリンクします。一歩一歩下へ降りる度に、うねる怒号と激しい波しぶき、だんだんと黒い世界へと入っていきます。

KEHENAと呼ばれる世界へ、ようこそ。

ケヘナブラックサンドビーチ全体は高さ30フィート(約9メートル)の岩の崖に囲まれ、岩の半島が両側に突き出し、岩の半島に抱きかかえられるように真っ黒い砂のビーチが形成されています。

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実はハワイ語のKEHENA(ケヘナ)とは英語でthe hell(地獄)という意味です。1955年の噴火の際、ビーチの東端の溶岩流によって一夜で作成された黒砂のビーチです。1979年、強い地震がプナ地区を襲ったとき、ケヘナビーチはほぼ3フィート(91 cm)下へと落ちました。 ビーチに通じるコンクリートの階段が壊れ、海抜10フィート(3 m)以上も垂れ下がっています。ビーチに並行するように奥にはヤシの木とアイアンウッドの木による日陰のエリアがあります。しかし、最近では特に大きい波の日は波に覆われてビーチが無くなってるしまうこともあるようです。(続く)



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