「服が大量に廃棄されている理由」自戒の念をこめて

「新品の服が大量に捨てられている」あなたはこんな現実を信じられますか?私自身もにわかに信じがたいのですが、本当に起きていることなのです。過去のnoteでも書きましたが、昨年ではバーバリーが42億の売れ残りを焼却処分したことが明るみに出たり、日本でも年間10億着以上の廃棄が発生していると報じられたりするということがありました。

ファッションビジネスはいま、過渡期をむかえています。大量生産による廃棄の問題だけでなく店舗大量閉店による市場規模の縮小など、今アパレル業界は様々な問題を抱えながらも新しい時代へのビジネスモデルを模索する時期にきています。

私は31年間、ファッションビジネスに携わってきました。バブルの後期から現在に至るまでアパレル業界の栄枯盛衰を自ら体験し見てきています。当事者として関わる中で見えてきた「服が大量に生産され廃棄されてしまう理由」を今回は書いてみます。また、今起こっている問題を批判や評論する立場ではなく、自戒の念を込めて「これからのファッションビジネスのあり方」についても考えを述べてみたいと思います。

アパレル黄金期の残像

私がアパレル企業に入社した80年代後期はバブル時代でもありました。つくる服は飛ぶように売れ、私が担当していたブランドもスーツの平均価格が90000円台、シャツでも20000円台と、今では考えられない高価格で販売をしていました。

そのころの考え方としては大体ですが、店頭プロパーで70%、セールで20%、最終的に残る在庫が10%以下ぐらいを目標に売り上げ予算を組み、商品をつくっていたと記憶しています。シーズンの1年前ぐらいから企画を考え商品化していく、かなり長い時間をかけて素材や縫製にこだわったモノづくりをしていました。

当時からそれなりの数のブランドが存在していたのですが、それぞれのブランドのデザイナーが自分達のコンセプトで商品を作っていたので、今のお店のようにどこのブランドの服も一緒に見えるということはありませんでした。各ブランドのジャンルやテイストもはっきり分かれていてユーザーの層もブランドによって違っていたのでお互いが共存することも可能でした。

当時の国内ブランドの価格帯に関しても8万円~10万円以上の高級ゾーン、5万円~7万円台の中級ゾーン、4万円以下の低価格ゾーンなどとある程度すみ分けができていたのです。

80年代から90年代初期にかけては個性のあるデザイナーブランドが、それぞれのクリエーションで高価格帯の商品を展開しブランドの熱狂的ファンの支持を集めていた。そんなアパレル黄金期の古き良き時代でもありました。

年々落ち込みを見せるアパレル製品の購入単価

下に過去30年近くのアパレル製品の購入単価指数の推移データがあります。

図:経済産業省 「アパレル・サプライチェーン研究会報告書」

図のように1991年を100とすると2014年までの20年強の間に消費者が購入するアパレル製品の単価が40%以上も落ちこんでいます。このことがアパレル業界全体にとっては死活問題になってきているのです。

それはなぜか?一般的にアパレル企業が売上をつくるには下記のような考え方がベースになります。

・客数×客単価(一人あたりの購入額)=売り上げ金額

上記のロジックが基本なのですが、昔と今ではだいぶ違ってきています。服の値段が昔に比べて大分安くなり、考え方が変わってきているのです。

例えば仮に1000万の売上予算を組んだとして昔と今を比較すると

・昔 125人(客数)×80,000円(客単価)=1000万円

・今 250人(客数)×40,000円(客単価)=1000万円

同じ1000万円の売り上げをつくるにも、客単価が半分になれば、125人も多くの人に買ってもらわなければならないのです。
服の値段が安くなったことにより、客単価も少なくなったので、アパレル企業は昔に比べてたくさんの商品を生産して売上の維持や拡大をするしかなくなりました。

確立されていった大量生産のシステム

どうして客単価が下がり、大量生産することになっていったのか。2つの大きな理由があります。

①  90年代に栄華を誇ったSPAアパレルの台頭             
② ファストファッション勢など小売型SPAの台頭

私のいた会社もそうでしたが、80年代のアパレル企業の商品の生産の仕方には決まったロジックがありました。

そのシーズンの生産数を決めるには、前年度の売り上げをベースにしていきます。売れた枚数、色、サイズなどの前年データを基に数量を決めていきこれに専門店からの受注枚数を追加したものが発注枚数として生産されていくことになるのです。もちろんこのロジックにあてはまるのは、定番商品や継続商品などで、シーズンの新作商品などは前年データに関係ないものもあります。

しかし、大体の商品は前年の類似商品の数字をベースにして10%アップだとか5%ダウンとかの増減を決めて新シーズンの生産数量を決め見込みで生産していました。

私が新卒で入社して担当したブランドは、年間売上高で30億ぐらいで当時の大手アパレル企業のブランドしては売上げ規模として小さいほうでした。1品番あたりの生産着数も多くても数千着ぐらいで、少なければ数十着ということもあったように思います。

それぐらいの枚数であれば、購入してくれる一人ひとりの顧客のイメージができていました。大きく在庫を残すこともなく、ときにはセールで売るものがないくらい、需要と供給のバランスがとれていたと思います。

①90年代に栄華を誇ったSPAアパレルの台頭
しかし90年代に入り様相が一変します。SPAアパレル(※)の台頭です。SPAアパレル登場前のアパレル企業では、私のブランドのようにシーズンのかなり前に先行企画し、展示会での専門店バイヤーの買い付け量に合わせて見込み生産で商品を卸していく「プロダクトアウト型」が主流でした。

(※SPAとはSpecialty store retailer of Private label Apparelの略で製造小売ともいう。企画から製造、店舗を持ち小売までを一貫して行うアパレルのビジネスモデルを指す。消費者の嗜好の移り変わりを迅速に製品に反映させ単サイクルで商品を生産することで在庫のコントロールが行いやすいなどのメリットがある。㈱ワールド、㈱サンエー・インターナショナルなどが代表的な企業。SPA型の反対がプロダクトアウト型に位置づけされている。)

しかし、SPAアパレルの登場によってシステムが大きく変わります。自社で店舗を運営することで、店頭からの最新のニーズが社内で迅速に共有できるようになったのです。その結果、期中企画商品(実シーズンに入ってから企画する商品)の生産が可能になり、売れ筋の商品をクイックに追加することができるようになりました。このシステムは、同じ商品の大量生産を可能にし、SPAアパレルの売上拡大に大きく寄与しました。

SPAアパレルは売れている商品を単サイクルで追加できるメリットがありますが、その反面、商品製作期間が短くなるためこだわった商品や凝ったデザインの商品には向いていないというデメリットもありました。このデメリットを逆手に取り、高価格になりがちな「プロダクトアウト型」のデザイナーブランドに比べて値頃感ある中~低価格帯で商品を展開していったのです。

またSPAアパレルは自社の売れ筋をそのシーズン中に追加生産していくだけでなく、他メーカーの売れ筋などもキャッチしてそのシーズン中に似たような商品を生産して展開していきました。

このシーズン途中での追加体制の確立によりブランドの売り上げ規模の大型化が進み、一つの商品での大量生産のシステムの土台が出来上がっていくことになります。しかしその後、ファストファッションの出現により栄華を誇っていたSPAアパレルが凋落していくことになるのです。

② ファストファッション勢など小売型SPAの台頭
小売り型SPAを代表するユニクロは1990年代後半に東京初の都心型の店舗を出店したあたりから快進撃が始まり最初はフリースやヒートテックなど実用衣料が中心で、ファッションアパレルとはすみ分けされた領域で展開していたのですが、今ではカジュアルブランドとしても完全に市民権を得ています。

2000年代になってからはヨーロッパ発ブランドのZARAやH&Mなど海外ファストファッション勢が登場してきます。「ユニクロ」と比べて「ZARA」や「H&M」はよりトレンドを取り入れ、パリコレなどで見られるようなモードファッションを低価格で展開しました。

世界規模のスケールメリットで低コスト化を実現し、最新トレンドを取り入れた低価格の商品を大量に生産、販売するファストファッションがSPAアパレルに代わり小売り型SPAとして台頭していったのです。

ユーザーの価値観の変化と大量生産システムの確立
ファストファッションの台頭は私を含めユーザーにとっては喜ばしいことです。日常生活における楽しみ方が多様化して服にかけるお金が少なくなる中で、低価格で品質がよい商品が支持されていったのは当然のことだと思います。「服にお金をかけるのはダサい」というムードが若い人たちの価値観として広がったのも致し方ありません。

しかしその影響により、SPAをはじめとした既存アパレルは自分たちの領域を侵され、価格面でユーザーの信頼を失いました。皮肉にも、低価格路線に舵をきることになってしまったのです。量販店やスーパーもユニクロに負けじと追従していくことになります。90年代から現在に至るまでに出現したSPAアパレルやファストファッションなどの小売り型SPAの台頭により低価格大量生産体制のシステムが確立されていったことになるのです。

自らが体験してきた大量生産と在庫処分について

わたしがアパレルで担当していたブランドは高価格でマニアックなテイストだったため、顧客のイメージをかなりリアルにつかんでいました。そのため大きく売れ残ることはありませんでしたが、徐々に陰りがみえてきます。

時代の流れには逆らえず、私のブランドも商品の値段を下げていきました。当然売り上げを維持するために生産枚数を多くすることになり、売れ残る商品もでてきます。私の記憶では発売後、3~4シーズン過ぎてどうしても売れ残った商品に関してはブランドネームを外して安い値段でまとめて業者に買い取ってもらったこともありました。その当時は廃棄するのではなくまだ国内や海外の市場などでも流通できる可能性があったからです。

低価格大量生産の小売り型SPAビジネスで商品が残る理由
その後、アパレル企業を退社してフリーになった私は、それまでの高価格国内少量生産のアパレル型ブランドビジネスから低価格海外大量生産の小売り型SPAビジネスにも足を踏み入れることになります。大量生産を経験してみて思う商品が売れ残ってしまう理由が2つあります。

① 海外計画生産比率の高まりによる商品発注リスクの拡大
② 数値のみを前提としたユーザーニーズを無視した商品発注システム

① 海外計画生産比率の高まりによる商品発注リスクの拡大
スーツからカジュアルまで複数の企業と契約していたのですが、ここでも在庫の問題に突き当たります。低価格で商品をつくるには大きなスケールメリットが必要になります。一つの商品を何千枚、何万枚と海外で計画的に生産することによって低コスト化が実現できることになるのです。

当然たくさんの量の商品を安く海外でつくることになるため、生産するには相当の時間が必要になります。SPAアパレル全盛の時代は短サイクルで期中に追加生産することに重きが置かれていたので国内生産でもよかったのですが、ファストファッションの台頭後は、更に安くつくるために海外生産比率が飛躍的に高まっていったのです。

こういった更なる低価格化により大量の商品を海外で計画生産せざる得なくなってしまいました。そのことにより見込みが外れてしまう状況をつくってしまったことが、商品が大量に売れ残ってしまう要因の一つだと思っています。

② 数値のみを前提としたユーザーニーズを無視した商品発注システム
もう一つの要因としては「商品の発注の仕方」にあります。全ての企業がそうだとは言えませんが、商品を作る根拠が希薄であることが多いです。先に触れたように売り上げ規模があまり大きくないデザイナーブランドなどでは、ある程度ユーザーのイメージがみえています。ブランドのファンでいてくれるユーザーにどう満足してもらうかという観点で商品を企画しているのでニーズと大きくかけ離れることはあまりないと思います。

しかし、大規模なアパレルや小売り型SPAブランドだと売り上げ規模も大きくターゲットも広くなるので、どうしても誰がユーザーなのかもボケてしまいがちです。発注担当のバイヤーも、ユーザーに満足してもらうことより、上司を納得させるロジックづくりの方がメインの仕事になってしまいがちなのです。数字だけがひとり歩きしていくのでユーザーの顔が見えにくくなってしまうのです。

私が契約していたブランドでもシーズン前に商品会議などを行っていたのですが、出てくるのは前年の売り上げデータと来期の予算の話ばかりでした。商品についても、ユニクロのサンプルを並べて「ユニクロより安くつくるにはどうしたら良いか」という本末転倒な議論をしていたのです。

もちろん私自身、かかわっている立場から「自分たちの本当の顧客は誰なのか?」「商品のコンセプトをもっと自分たちの顧客目線で明確にしたらどうか?」など様々な提言を行いましたが、大きな組織体の中にあっては個人では何も変えることができませんでした。外部デザイナーとしての限界も感じていました。

企業やブランドの規模が大きくなると、無意識のうちにユーザーより企業の利益が優先されがちになります。「売り上げを上げるためにはどうすれば良いのか?」とか「売り上げを上げるためにはより在庫を意識しなければならない」とか「利益率を高めるにはセール時期になる前に商品をさばかなければ」など、誰のための商品なのかがみえなくなりがちです。そうなると、お金を払って買ってくれるユーザーの感情とはかけ離れてしまい、商品が売れ残ってしまうもう一つの要因になるのです。

発注数量が大きくなって売れなければ大量に在庫を残すことになります。私が契約していた企業は大手でもあり廃棄はしていませんでしたが、在庫の消化には苦しんでいました。昔のように安くすれば売れた時代と違い、今のユーザーはいくら安くても必要ないものにはいっさいお金を払いません。売れ残った商品は一旦物流倉庫に保管し、何シーズンもかけて製造コストがマイナスになるような値段で売りきっていくしかありませんでした。

服が廃棄される理由について

これらの私の経験から考える服が廃棄される理由は以下になります。

① 売れ残りを値下げしてさばくと、ブランドイメージが低下するため
② 在庫をなくし、倉庫負担を減らすため
③ 不良品などの問題があり、店頭販売できないため

① 売れ残りを値下げしてさばくと、ブランドイメージが低下するため
冒頭にも上げたバーバリーなどのケースですが、一般的に高価格帯のラグジュアリーブランドであればブランドイメージを最重視します。値下げ品の流通によるブランドイメージ低下のリスクを考え廃棄するという判断に至ったと推測できるのです。高額品だからこそ処分したとしてもトータルでは利益を確保できるという経営判断があったのだと思います。

② 在庫をなくし、倉庫負担を減らすため
低価格帯で大量生産の商品であれば当然利益率は高くありません。何シーズンも経過していけば帳簿上のコストは限りなく安くなっていきます。この場合は仮に帳簿上ではゼロに近くなったとしても在庫スペースの問題があります。大手企業であれば何シーズンも売れない商品の物流経費も飲み込むことができるかもしれませんが、倉庫に保管していれば永遠に物流経費がかかることから、どこかのタイミングで廃棄するという判断はあるのではないか思います。

③ 不良品などの問題があり、店頭販売できないため
通常の売れ残り商品であれば店頭セールが終わった翌年でもアウトレットやファミリーセールなどで時間をかけて販売することもできますが、何らかの事情で新品の商品に欠陥や問題があった場合に店頭では売れないという状況になることがあります。このケースの時、処分する方法として廃棄するという判断がなされることはあります。

当然これら以外の理由もあると思いますが、一定規模の企業で廃棄するという判断をするのであれば、こういった理由があるのでないかと思っています。

服を廃棄しないためのこれからのアパレルのありかた

最近では服の大量廃棄問題がクローズアップされ、またユーザーの間でも「サスティナビリティ」や「エシカル」などについての関心が高まりつつあることから、アパレル企業の環境に対する姿勢が厳しくなってきています。海外のアパレル企業の中には「パタゴニア」や「アディダス」など、以前から自分たちの姿勢を明確にかかげるところが増えていますが、日本企業ではまだまだ大きな動きにはなっていません。

私は大量生産がすべて悪いとは思ってはいません。企業としてのしっかりした姿勢があれば、たくさんの人を幸せにしていくのは素晴らしいことですし、もちろん自分たちの見える範囲で小さく活動していくのもそれぞれの考え方だと思います。

服の廃棄の問題を考えた時にも、理念のある企業が大きくなることでたくさんの雇用が生まれることになり、また関連企業の経営が安定していくのも現実です。廃棄を無くすためにはすべての企業が大量につくらず経済活動を小さくしろというのもビジネスマンの一人としては非現実的な訴えのような気もしています。

ただ、ユーザー側にその選択を丸投げするのは間違っているとも思っています。企業側としてもできることがあるのです。それは大小にかかわらず企業やブランドが自分たちの理念をより明確にすることです。自分たちが誰のために何の目的でブランド活動をするのかを発信していくことです。明確なメッセージが発信されることで淘汰される企業と支持される企業が選別されていくはずです。

過去のnoteでも書きましたが、ファッション業界に限らず長い期間、ユーザーから支持を受けている企業には必ず明確な理念があります。ただモノを売るだけでなく、世の中や人々の暮らしに対してどんな貢献をしていくかの考え方がしっかりあるのです。

流行っている事業を何の躊躇もなく真似をしたり、「他で売れているから」とか「昨年売れたから」とかの理由でただの経済活動の大きな歯車として動くのではなく、純粋に「ユーザーに本当に喜んでもらうためにはどうすべきか?」というスタンスが求められているのではないかと感じています。

既製服ではないですが、私がいまかかわっているオーダービジネスなどもその一つのあり方です。商品をつくってから買う人を探すのではなく、一人ひとり、注文を頂いてから受注生産を行う。これであればつくられた服は必ず誰かの手に渡ることになります。オーダービジネスだと規模が小さすぎるとの御意見もあるでしょうが、オーダー市場自体は既にかなり大きくなってきておりこれからも伸びていく事は間違いないと思っています。

各企業が自分たちの理念を発信することにより、それぞれのユーザーがファッションを楽しむと同時に共感できる企業の商品を購入する。モノを買うのだけではなく考え方にもお金を払っていき一緒に活動していくという姿が成り立っていくのではないかと考えるのです。

最後に、自戒の念を込めて

私はアパレル時代、デザイナーとしての自分自身のエゴだけで商品を作ってしまったことがあります。結果は最悪で店頭でもセールでも売れず、ファミリーセールでも売れ残ってしまうありさまでした。

ある日、ファミリーセール終了後の売れ残った商品を前に、私も含め同僚で他のブランドのデザイナー達が集められます。そして社長から、「売れ残った商品を自分たちで始末しろ」と指示されました。

私はその指示に衝撃を受けます。商品を前に誰一人声も上げず、ただ無言で立ち尽くすばかりでした。でも社長の指示は絶対命令、どれくらいの時間が経過したでしょう。誰かが商品にハサミを入れました。また一人、そしてまた一人、意を決して私も商品にハサミを入れることにしたのです。

一つの商品を完成させるには長い時間とたくさんの人達の関わりがあります。生地屋さん、付属屋さん、縫製工場など協力してくれた人たちの顔を思い浮かべ断腸の思いで何着もの商品にハサミを入れていきました。

私はあの時の情景を鮮明に覚えています。横で同僚の女性が泣きながらハサミを入れている姿を。その時は社長を恨みましたが、後々考えると「自己満足な商品をつくるな」という無言の教訓をあたえてくれたのだと今では本当に感謝しています。

私自身も大量生産の一翼を担ってきて偉そうなことを言える立場ではありません。しかし、今まで色々な想いや経験をしたからこそ本気で感じられることもあります。これからは私を含め、アパレル企業に携わる一人ひとりがつくられた服を売り切っていく覚悟が求められているのだと思うのです。

「服は捨てられるために生み出されるものではなく、誰かが楽しむために、誰かを幸せにするためにつくられなくてはならない」

これまでの経験を糧にして、これからも自分の理念に正直に真摯に服作りに携わっていきたいと思っています。

誰もが服を着ることを楽しめるような世界を目指しています。また、服の着こなしや選び方などについてのお悩みなどあればぜひ気軽にツイッターのリプライ・DMで声がけいただければ幸いです。
@emori_yoshinobu


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江森義信

「服でみんなの日常を楽しくする」がモットーのメンズファッションデザイナーです。イタリアブランドを始めにスーツからカジュアルまで20以上のブランドで服を作ってきました。一般大学卒からデザイナーになった経験を生かして服を着ることをわかりやすく誰もが楽しめるようにしたいと思っています。

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