「高機能不安障害」は、どの性格タイプか

『不安や心配に心を縛られ、ネガティブな考えが頭から離れない。「高機能不安障害」の兆候を示す9つの特徴』

を読んでの感想です。

 「高機能不安障害(High Functioning Anxiety)」と呼ばれる心の病を持つ人は、まわりから見てもわかりずらい。

 そうした人たちは、一見冷静で、きちんと生活しているように見える。仕事だってきちんとこなすし、頼り甲斐もあるかもしれない。だが、その心は常日頃から不安にさいなまれており、緊張がとけることはない。

先に、答えを書いておきます。
どうやらここに書かれている人物像は、エニアグラムのタイプ6を示しているようです。
タイプ6は、『忠実な人(ドン・リチャード・リソ)』『疑念者(ヘレン・パーマー)』『慎重な人(レニー・バロン&エリザベス・ウエイゲル)』とも言われる性格タイプ。
通常の精神レベルにおいて、不安が強い性格タイプです。
この不安は、本人が意識できている場合と、意識できていない場合があります。
根本的に不安が強いから、『疑念者』ともなるし、『慎重な人』ともなる性格タイプです。

以下、9つの特徴を見ていきます。

1. いつも忙しくしている

忙しくしているのは、成功を求めるタイプ3。楽しいこと大好きのタイプ7。後は、気を遣うタイプ6。
本文では、「忙しさは、自分に安心できていないことを示すサインだ」と書かれていて、不安がベースで動くのはタイプ6。
ただ、追い込まれているタイプ6は、自分を「大丈夫」とだますから、自覚できているのかは疑問(この「大丈夫」という言葉は後のほうで、再び出てきます)。

2. NOと言えないお人好し
(前略)他人の気持ちを逆撫でするようなことは避けようとする。そして自分の都合を無視してでも、他人の機嫌を取ろうとしてしまうのだ。

「お人好し」はともかく、
「NOと言えない」のはタイプ6。
周りとの関係を大切にするので、ケンカができない性格タイプ。
「他人の気持ちを逆撫でするようなことは避けようとする」と書かれているのは、まさに空気を読むタイプ6。

3. 完璧主義
 不安を抱えている人は、特に理由もないのに怯えている。そのために、すべてがきちんと進んでいるのか気になってしまう。あらゆるものが疑わしく思え、一切合切をきちきちさせねば気が済まない。

普通、エニアグラム的に「完璧主義」と言えばタイプ1。だけども、本文中にある「あらゆるものが疑わしく思え」となると、『疑念者』とも言われるタイプ6。

4. 何かに依存している
 日々の不安から逃れるために、束の間であっても現実から逃避できるようなものに依存する傾向がある。それはテレビや映画かもしれない。あるいはSNS、ゲーム、お酒かもしれない。依存する対象はさまざまだ。

この文章における依存の対称は、物事なので、一般的に言われる「タイプ6の依存」とは異なります。普通言われる「タイプ6の依存」とは、「自分の外に安心を依存する」。例えば、本や先生や権威者や友人に相談するなどの行為を指す。
引用元に書かれているものは、ストレス緩和の空費行動の一種かも。

どのタイプになるのかは不明。

もしかすると、こういった依存もタイプ6の特徴として今後言われるかも知れません。

5. 実は人付き合いが嫌い
 不安とは、怯えているわけではないが、くつろげているわけでもない状態だ。危険が近づいているのではないかという漠然とした感覚をいつも抱いている。このために、不安を抱えている人は、電話やメールの着信が嫌で、人に会うのもあまり好まない。

どうだろう、「実は」というところがキモだろう。ここは言急を避けておきます。

6. 考えすぎ
なんでも考えすぎる嫌いがある。
あらゆる状況や可能性に想像を巡らし、安心するということがない。

タイプ6を始めとする思考センター(タイプ5・6・7)全部。
タイプ6は、『知をもって関係性に生きる人』。知とは「考え」であり、「思惑」でもある。タイプ6というのは、関係性を維持する際に、考えすぎるきらいがあります。だから、やはりタイプ6。

7. あら探し
自分のことであっても、他人のことであっても、些細なことがらのほんの少しのズレでも気になってしまう

「自分のことであっても、他人のことであっても」というのが、ここでの注意点。

そうであれば、当てはまりそうなのが、タイプ1とタイプ6。
タイプ1は、落語に出てくる小言幸兵衛だから、あら探し的な行為に見られがち。ただ、タイプ1は、何より自分に厳しい。自分ができた分だけ、人にも厳しく言います(言えます)。
ただ、タイプ1は不安とは無縁。

となると、『疑念者』とも言われるタイプ6が残ります。
安心・安全・安定が重要なタイプ6は、それが崩れることを大変心配します。
心配だから、チェックするんです。心配だから疑念が芽生えるんです。心配だから加点主義よりも減点主義になってしまうのです。
それが、たぶん、楽観的な人からすると「あら探し」に映るのです。

8. 孤立する

エニアグラム的な孤立ならタイプ5。レベルが落ちたタイプ5は孤立してます。孤独が(比較的に)平気なタイプでもある。
文中にある「高機能不安障害の人は、一人の時間を過ごすことがあっても、自分の不安とは向き合おうとはしない。怖くてできない可能性もある」なら、「大丈夫」状態になっているタイプ6。
タイプ5であれば、不安に向き合って、不安と共に沈み込んで行きます。
だから、この記述の場合は、タイプ6。
ただ、孤立するのは、どのタイプにせよ、かなりレベルが落ちた状態です。
普段生活している人には、当てはまらない項目だと思います。

9. 猫背になりがち

個人的には、猫背なタイプ6は見たことがありません。
ホーナイの三つ組み』の遊離型(タイプ4・5・9)の中には、姿勢が悪い人がたまにいるかも。

というわけで、ここで書かれている「高機能不安障害(High Functioning Anxiety)」の人は、エニアグラムから見ると、タイプ6の人が大旨当てはまります。

ここまで高機能不安障害の人の特徴を見てきましたが、
高機能不安障害の人でも、タイプ6の人でも、「自分の不安とは向き合おうとはしない。怖くてできない可能性もある」人なので、
「これは、自分のことでは無いな」と思っている可能性も高いです。

今回は、「高機能不安障害」が当てはまる性格タイプを考えてみました。


ちなみに、
タイプ6は、統合の方向に向かうと、タイプ9的な落ち着きが現われてきます。
あれこれ考えないで、目の前にある具体的な事実とだけ向き合っていくというタイプ9な態度を取入れられれば(タイプ6としては、難しいと思いますが)、統合に向かうことができます。

一方で通常のタイプ6は、その多くが何らかの集団に所属することで、安心・安全・安定を得ようとしています。

今ここで最後に書いたタイプ6情報が、「高機能不安障害」のかたにとって何か役に立つなら幸いです。

※「センター」「ホーナイの三つ組み」「統合と分裂」などの、用語が分からないかたは、
エニアグラム用語
をご覧ください。

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