「ASTRID(アストリッド)」は何処へ行くのか?――「止められない病」は日本人全体の 問題

より、

日本が国際協力を進めようとしている高速炉「アストリッド(ASTRID)」計画について、開発主体のフランス政府が建設コスト増を理由に規模縮小を検討している。
日本政府は、もんじゅの代わりにアストリッドを核燃料サイクルの当面の柱にしようと考えていたが、炉が小規模だとめざす研究成果が得られない可能性がある。

少し説明すると、
日本は「高速増殖炉“もんじゅ”」に失敗したので、
「フランスの高速炉“アストリッド(ASTRID)”に開発参加して、
知見を持ち帰って、独自にまたやりたいな~」
なんて考えていたら、

フランスから、
規模を60万キロワットから10~20万キロワットに下げる方針を伝えられて
「ええ!? 規模が“もんじゅ”の28万キロワットより小さいんだけど」
なんて思っていたら、
「お金も半額負担してね♪」とまで言われているよ。

という話です。

みなさんは、これをどう判断しますか?

用語が分からなかったのでネットで調べてみました。
この部分は用語説明なので、分かっているかたは読み飛ばしてもかまいません。

まず、
「高速増殖炉」と「高速炉」の違いですが、
プルトニウムを燃やしながら使った以上のプルトニウムを生み出すのが「高速増殖炉」。

ただ、「高速増殖炉」は、想定されたウランの枯渇も起きず、経済的でも無く、技術的にも難しいことから、
「増殖」を取ってしまったのが「高速炉」となります。ちなみに、「高速炉」では、プルトニウムは減ることになります。

あと、「高速炉」って何が高速なの?って話ですが、
燃料が、(一般的な原子炉が使う)ウランと違って、プルトニウムを使うので、プルトニウムが燃えやすいように、中性子というものを高速のまま使う(これが、ウランだと、水で速度を落とす)ことから「高速炉」と呼ばれるようです。

ここから、やっとエニアグラムを使った国民性の話です。

日本は、エニアグラムのタイプ6の性格の国だと言われています。
タイプ6は、安心・安全・安定が大切です。そして、その反面、安心・安全・安定が崩れることを極度に怖れ、それを正視することができず、問題を楽観的にとらえる傾向があります。
また、タイプ6は判断力が無いので、一度始まったものは止められません。「止める」という判断は、タイプ6にとってはストレスです。

この国際協力による、もんじゅの代わりの計画も、フランス政府が規模を縮小して、当初の計画が破綻しても(やる意味が無くなっても)、
そこは、タイプ6なので、止められないでしょう。

現実を見ず、問題を楽観的にとらえて、この計画はどこに向かうのでしょうか?



みなさんは、このニュースを読んで「判断」ができるでしょうか?
「止める」ということができるでしょうか?税金のダダ漏れを許しますか?

大抵、「判断」が必要なニュースのコメント欄は、いつもより少ないものです。

「決められない病(スタートできない)」

「止められない病(ストップできない)」

日本人全体の(判断ができない)問題です。


2018/11/29追記

より

日本がフランスと進めている次世代原子炉開発について、仏政府が2020年以降、計画を凍結する方針を日本側に伝えたことがわかった。仏政府は19年で研究を中断、20年以降は予算を付けない意向という。日本はすでに約200億円を投じている。開発計画の大幅な見直しは必至で、日本の原子力政策にとっても大きな打撃となる。

このニュースからは、フランスはいくら資金を投入していたのか分かりません。書いているのが日経新聞だからか、とにかく困った な感じで書かれています。

止められない日本人は、他国が止めて、影響を受けて、やっと止められるという。

参照
「PDCAが日本の病の原因だ」を読んでの感想 ーーー 「日本企業は、"決められない病"にかかってる」と言われても

エニアグラムを使って日本人について書いています。いろいろと書いているので、よろしければ一読ください。『日本人はタイプ6

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