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【悲報】火災報知器さん、忠実に仕事をこなした結果みなに嫌われる→まず外見から愛されようとしてみた結果…

火災報知器が作動している場面を目にしたことはあれど、それが本物の火災だったためしはない。ちなみにここでいう火災報知器とは、学校とかにある赤いアレではなく、一般家庭の天井にある丸っこいアレのことだ。平成18年ごろから全国の家庭に設置が義務付けられた、アレである。

焼肉やタバコの煙……私がこれまで目にした火災報知器の活躍はたいてい、そんなしょうもないことが原因だった。もちろんその中には、火災報知器のおかげで火災を未然に防げたケースがなかったとは言い切れないが、きっとそれ以上に「迷惑」をふりまいてしまっている。

焼肉の煙やらタバコの煙やら、そういうしょうもないことが原因で起こる火災報知器の活躍を、非火災報と呼ぶ。非火災報とは「火災ではないのに警報が鳴っちゃうこと」で、これが多すぎるから火災報知器は疎まれてしまうのだ。なんでも、火災報知器の作動する原因の大半が非火災報らしい。

調べてみると、非火災報は昭和50年代にはすでに問題視されていたようだ。それから30年以上経った今でも同じことで悩まされているのはどういうわけか?

そもそも、焼肉の煙もタバコの煙も「人にとっては火災じゃないけど、火災に匹敵する熱や煙が生じていることは確か」なので、火災報知器が反応するのは何もおかしなことではない。ただ、何かを火災と断定するのに、熱と煙だけではそもそも材料が足りないのだ。

人が目や鼻から取得している火災情報(これはガスの臭いだな、とか)をセンサーに正しく感知させるのは、まだまだ難しいのである。ぶっちゃけ科学の進歩が追いついていない。だから非火災報はなくならない。

しかしそんな事情を知らない我々からすると「またかよ」としか思えないのだ。そして「またどうせ嘘だろう」と、火災報知器をいわゆるオオカミ少年のように扱うことになってしまう。火災報知器はきっちり仕事をこなしているだけなのに、そんなヒデェ話ってあるかよ……!

だが悲劇は終わらない。火災報知器がオオカミ少年よりもさらに厄介なのは、その音の大きさだ。そのうえ製品によっては止め方が分かりにくい。ベルがけたたましく鳴り響く中で止め方を調べるのがすでにストレスだし、耳をつんざく警報は恐怖の対象でしかなく、実際に「火災報知器 怖い」という検索ワードまで見つかる始末だ。

はっきり言って、欠陥品なのである。

いわば火災報知器はトラブルメーカーのドジっ子だ。活躍してほしいときに活躍せず、その癖いざ鳴りだすと威圧的な態度でがなり散らす。全くもって迷惑千万このうえない。

しかし……それをプログラムしたのは誰あろう、人間ではないのか。

そう、「本当は心根の優しい真面目な子」というのが伝わっていないがために、火災報知器は嫌われてしまっているのである。忠実に与えられた仕事をこなしているのになぜ?もしも報知器さんが言葉を話せたなら、開口一番こう言うのではないだろうか……「やってられるかい」と。

まったくかわいそうなやつである。

そもそも非火災報の中には「たまったほこりに反応してしまった」など、きちんと点検・掃除されていないことが原因で起こっているものも少なからずある。その他にも、雨漏りが原因で回路がショートしてしまった、など報知器単体では対処しようがないものも多い。

じゃあその点検や環境の整備は誰が行うのかというと……「住む人」なのだ。

「半年に1回点検しましょう」みたいな文言はそこかしこで見かけるが、いわば車検のように否応なく通らなければいけないイベントというわけではないから、当然見逃す。そうしているうちに非火災報が増え、さらに評判が下がる。

設置だけ義務付けて、運用は現場任せというのはあまりにずさんだし、そのしわ寄せが火災報知器に向かうのはあまりにいたたまれない。

そんな悲しい運命を背負う彼(彼女?)が欠陥品だとしてもなお、愛されキャラになるためには一体どうすればいいのだろう?

三日三晩悩みに悩んだ末に出した私の答えが……これだ!








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