昔話─リスナーが力を持つこと

なんとなく むかしがたりを したかったので (字余り)

はじめに

 突然ですが皆さん、鎌倉殿の13人第15話観ましたか!?いやーよかった!全然良くないけどよかった!三谷さんの非情な描き方!佐藤さんの名演!近年の大河ドラマ史に残る神回になったのではないでしょうか。
 ドラマの中では悲劇として描かれた上総広常の誅殺ですが、歴史を見渡すと主君が家臣を恐れ殺害することは珍しくありません。後の室町時代後期には下剋上という皆さんも知る言葉が登場するように、力を持った家臣が主君を殺害・追放し権力を握るなんてことは起こり得るわけです。

 いやいや何の話をしているんだと。タイトルからライブ配信関連の内容だと思ってリンクを踏んだのに何を読まされているのだと。そう思われることでしょう。

 思ったんですよ。
 家臣が力をもって君主を脅かす、これって配信者リスナー間でも似たようなことが起きるのでは?……では?ではなく私はそんな事態を経験したことがあるのです。いつか文字にして残そうと思いつつタイミングを逃していたのですが、今回の大河ドラマがいい感じの切っ掛けになりまして。この度昔語りをさせて頂きます。ほんとにただの自分語りなので。

 あらかじめ言っておきますと、生主とV存在はリスナーに対する関わり方が異なる場合が多いので(オフ会の有無や友達感覚とか)、当てはまらないことの方が多いでしょう。あくまで昔あったニコ生での話です。V関連の話が聞きたかった方は回れ右していただいた方がいいやもしれません。私のnoteフォロワーはそっちから来た人が9割ですからね。


おもいで


 あるところにニコニコ生放送コミュニティがありました。ニコ生といえば殺伐とした治安を想像するかもしれませんが、そのコミュは非常に平和な場所でした。内輪ノリといえば新規が入りにくい良くない印象の言葉と捉えるかもしれませんが、既存リスナーが楽しんでいる良い状態と捉えることもできます。そのコミュは和気藹々とした内輪ノリのまま規模を拡大していき、登録者1万人を超える程に成長しました。
 ある時、ここしばらく言葉遣いが荒くなっていた生主に対して一部のリスナーが反旗を翻しました。その旗の元にはある程度のリスナーが加勢し、結果としてコミュニティは2つに割れました。反乱リスナーは配信やSNSで荒らし行為や中傷などを行い、生主側のリスナーはそれに対して反発しました。
 かつての平和な空間は残っていませんでした。次第に配信頻度は減り、やがてコミュニティは動かなくなりました。


 大まかな流れはこんなところです。


よういん

 まず初めに、コミュニティがどのような雰囲気だったかです。
 内輪ノリをそのままに規模を拡大した、と表現しましたね。配信ではコテハンのリスナーが非常に多く、何度も足を運べば自然と互いの名前を知るだけでなく、リスナーがどんなキャラクター(性格)なのかも分かるような状態でした。V存在の生配信でも何度も通ううちに他のリスナーの名前を覚えるとか、口調の雰囲気を覚えるとか、いつもコメントのキレがいいなとか感じることがある筈です。内輪ノリは個性あるリスナーがいてこそ、リスナーの個性を配信者も含めて互いに把握してこその内輪ノリなわけですね。当たり前ですが理解するうえでは重要です。
 つまりですね、配信者だけでなくリスナーに対しても人気…人望…のようなものが自然と生まれるわけです。V存在の配信でもよほど大規模なものでない限りこれは起こりうるものでしょう。
 
 さて、これは悪いことか?
「これ自然とそうなっちゃうけど別に悪いことじゃないよね?リスナーのキャラが立てば内輪感は強まるけど逆にその雰囲気が魅力になって参入する初見さんもいるし、よほどじゃなければいいのでは?」
 私はこの考えです。コミュニティが拡大する中で必然の流れだと思っています。よほど意図しないと避けられない。ただ、このコミュニティが崩壊した最大の要因はリスナーが人気…力を持ってしまったことだと考えています。
 ここで冒頭の話に戻るんですけど、家臣が力を持つとどうなると思います?何か騒動があった際に家臣が主君ではなく力を持った他の家臣の味方をする可能性が出てくるんですね。コミュニティでもチャンネルでもいいんですけど、基本的にそこは配信者による王国だと私は考えています。配信者が法を敷き配信者が統治する。しかし一部の家臣、リスナーが配信者に匹敵…とまではいかなくともある程度の人望を集めていたとしたら?王国の基盤は揺らぎます。そんな状態で力を持ったそのリスナーが配信者に物申したら?
 内輪ノリの一端で一部のリスナーに称号のようなものがあったことも力を集める要因となりました。四天王とかイメージしていただけると分かりやすいんですけど……いや全然そんな露骨なあれじゃなかったんです。どちらかというとネタに振った称号だったんです。しかし、たとえネタ寄りとはいえ称号は肩書であり人望を集める要因であり行き着く先は力となります。

 他の要因としては、反旗を翻した中心リスナーも配信者だったことがあります。V存在の配信でもありますよね、友人関係のV存在がリスナーに交じってコメントしているようなこと。あんな感じでした。
 このことも別に悪いものではないでしょう。1リスナーとしてもその光景は微笑ましいですし俗に言うてぇてぇ(最近聞きませんし死語だったりします?)みがあります。ただ、配信者であるということはそれだけで一定の力を持ってしまうことでもあります。ここでこそリスナーですが、ここを出れば一国一城の主であるという肩書は付いて回るのですから。肩書はそのまま人望に、力に繋がります。この場合はそれが悪い方向に働きました。
 加えて彼は当時のリスナーの中で最古参クラスでした。リスナーが力を持つ場合大抵はコメントの面白さなどの高い社交性が主ではありますが、どれだけ昔からいるかというのも人望を集める要因の1つにはなりがちです。彼はその2つを兼ね備えてしまっていたのです。

 ここでは詳しく論点としませんが、そもそも翻した反旗が全く不当なものとは言えなかったというのもあります。大まかに説明した通り平和なコミュニティでしたが、ある時から生主の口調・態度が攻撃的になっていたのは事実でした。住居が近かったため他のリスナーよりもオフ会などで顔を合わせる機会の多かった私はその原因が精神的な不調ということは知っていましたが、多くのリスナーは知る由もありません。なんなら発端の人物はそれを知ったうえで攻撃していました。いずれにせよ、配信者側に一切の非がないとは言い切れない状況であり、それは反乱側に与するリスナーが増えることを意味します。


まとめ

  • 複数のリスナーに人気・人望がある状態だった

  • 自身も配信者かつ古参であるリスナーが反乱の中心人物だった

  • 糾弾された配信者にも非がないとは言えなかった


もうちょっとおもいで

 じゃあお前はその時なにをしていたんだと。思われるでしょうからもうちょっと昔話をします。もう時効でしょうからね。
 前述した通り私と生主は住居が比較的近かったわけです。住んでる県が同じだったんですね。地元でオフ会があれば必ず足を運べましたし、誘いを受けてサシで飲むこともありました。つまり近況を聞く機会が多かったんです。それもあってか心情的には生主側でした。
 とはいえ反乱の中心人物にもそれに与したリスナーにも私は会ったことがあるのです。かつて彼らははるばる生主が住む県まで遠征してオフ会に参加していたんですね。……ネットのコメントでしか知らない者以上に現実で見知った顔同士が争うのは本当にしんどいものがあります。もちろん中傷に発展したことは許されるものではありませんが、前述したように彼らの言い分が一から十まで全て的外れだとは言えませんでした。なんなら私にも昔の平和な配信を願う気持ちがあった。FGO触った方しか分からないと思うんですけど、生主を獅子王に例えた上で「私(En)はガウェイン」「自分(反乱側)は目を潰したトリスタン」みたいな会話をした記憶がふんわりあります(加担してる時点でトリよりはランスロの方が適切だろ!って当時からツッコミたかった)。
 私は古い方ではあった。なんなら生主側のリスナーの中に限定するなら私が最古参クラスだったでしょう。しかしそれだけだったんです。他リスナーからしたらそういえば昔からいるよね、くらいの立ち位置。特に何ができるというものでもない立ち位置。無力な立ち位置。
 それは自覚していたので心情的に生主側に付きつつも大した行動を取りませんでした。私が反乱側への攻撃に転じても大した影響がないばかりか分断を強めることになりますし、できれば仲裁をしたかった。しかし覆水盆になんとやら。一度壊れるともう戻りませんね。
 何ができたか今でも考えます。私はどうすれば崩壊を止められたのか。陰キャの中でも度はありますよね。行く先々でほぼ必ず頭角を現す者とそうでない者。私は後者だったので前者の真似事はできません。早い話私ごときには無理なんですよ!とはいえ当事者の1人であったことは間違いないので、なんとかならなかったのかなーってどうしても考えてしまうんですよね。そしてあの時どうにか……と同じくらい、今後同じ経験をしないためにはどうしたらいいかも考えています。というより怯えですね。私はとても怖がりなので。

 

 オチはないです。昔のことをなんとなく吐き出したい時ってありますよね。でもTwitterでするにはちょっと憚られるみたいな。これがそれです。