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HHKBという枷

成人のタイミングで自分のためになにか買う人はそこそこの人数いるんじゃないだろうか。かくいう僕も20歳になるときにHHKB hybrid type-sを購入し早数年が経過した。

このキーボードを使うようになってから他のキーボードが使いにくくてしょうがない。特殊配列を使う人たちは同じような悩みを持っていて首を大きく縦に振ってくれるだろう。

「あのキーボード持っていきたいけど今日はカバンが重たいからおいていこう」
そして外でタイピングをしていて思うことになる。
「あのキーボードだったらこんなにミスタイプしないのに」

長文を打つタイミングでなければ気づきににくいがHHKBは本当に打ちやすい。これを使わないと時間が経てば経つほどにちょっとした不快感が積もり積もっていく。長文を打つ際にはHHKBがないといけない体になってしまった。僕にとっては事実上「枷」になっている。


タイピングすることが楽しくなる

今となっては100円ショップのダイソーでも1000円程度から買うことができるキーボード。それを数万円もかけて買う人が珍しくないのはなかなかに面白いけれど、ゲーマーはもちろん多くのガジェット好きがそうやって高級キーボードを買う理由はタイピングが楽しくなるからだ。

僕個人としてはゲーム以外の用途であればHHKBを特に推したいところだ。自分の思考が無意識的に文章になっていることに驚くことになるだろう。

HHKBは馬の鞍に例えられることがしばしばある。

アメリカ西部のカウボーイたちは、馬が死ぬと馬はそこに残していくが、どんなに砂漠を歩こうとも、鞍は自分で担いで往く。馬は消耗品であり、鞍は自分の体に馴染んだインタフェースだからだ。

いまやパソコンは消耗品であり、キーボードは大切な、生涯使えるインタフェースであることを忘れてはいけない。

[東京大学 和田英一 名誉教授の談話]
https://happyhackingkb.com/jp/special/dr_wada/

打鍵音を聞くこともタイピングをする感覚もどちらももちろん楽しいけれど、これを実感してしまうと愛着を持たずにいられない。

愛すべき不便

タイピングをするうえでいかにストレスなくタイプできるかということを考え抜かれたHHKBという製品ではあるが、不便だってもちろんある。これに慣れてしまってタイピングをこれでしたいと思うと常に持ち歩かなければいけないがそれにしては重たい。慣れると許せる重さではあるけれど、長文を打たない場合は極力我慢して自宅待機している。
ちなみに今はカフェでHHKBを孫氏スタイルでタイプしているのでちゃんと持ち運んでいる。

そして無刻印の話だ。個人的には選ばない選択はなく、一度だって後悔したことはない。ノイズレスで使いやすいくらいだが、多くの人にとって無刻印は辛い。通常の文字入力ならまだしも数字を入力する際や記号入力の際、パスワード入力の際には苦戦することになる。でもHHKBは無刻印の方がかっこいいのではないかと思う。ちなみに慣れる。
この無刻印問題。デザイン以外のいいところも一つあり、専用ソフトで文字の入れ替え等したときに認識の齟齬が生まれなくなる。これは大きいところ。

まとめ

実は僕はHHKBを一度買い替えている。理由は色。雪モデルが通常ラインナップされ、それまで使用していた白モデルから買い替えた。こういう趣味のための長い時間使うデバイスは妥協しないほうがいいと考える。耐久性にも優れたこの枷と大切に添い遂げようと思う。

興味があって踏み出せない人の一歩踏み出すきっかけの一つになれば嬉しい。最新モデルにも負けずとも劣らない色褪せない愛すべきキーボードだということは保証しよう。

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