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表音文字と表意文字


読書感想文講座、小学校低学年のお子さんも参加されるので、

『蜘蛛の糸』のテキストを、「漢字(ふりがなつき)」バージョンと、「すべてひらがな」バージョンで作成してみたのですが。


講座の最初に、みんなでテキストを音読して、内容を頭に入れる時間、

私もためしに「すべてひらがな」バージョンのテキストを読んでみたら、


いやー、内容が頭に入らない入らない。


漢字バージョンだと、ちゃんと内容が頭に入ってくるのに、ひらがなだけバージョンだと、ひたすら「字(=音)」を読むので手一杯で、情景が頭の中に浮かんでこない。


これが、表音文字と表意文字の違いか…!

漢字ってすげぇ…!


と、すんげー今更ながらの発見をしておりました。


とはいえ、世界の多くの文字は表音文字なので、表音文字圏の人って頭の中ですごい大変なことやってるんだな、と思ったりもしました。


太平洋戦争で負けた後、自尊心ボロボロになった日本人(の中の偉い人)が、

「漢字を使っていたから戦争に負けたんだ!漢字を捨てよう!」

運動をした時期があり、

(だから昔は、「当用漢字」(当分使って、その後廃止します)と呼ばれていたりしました)(漢字ひらがな廃止して、日本語をローマ字にしようとした時期があったんですよ…。とち狂った上層部をきっちり止めてくれた学者の皆様、本当にありがとうございました)(くわしい話はこちら↓)

その時、漢字を捨てないで本当によかったなぁ。(その時、なかなかひどい漢字の改変があったのですが、それでも、漢字が日本に残ってよかった)(示す編、そこまでは「示」だったのに、「ネ」になっちゃったんですよね。衣編とすんげー見分けつきにくくなったし、「示」の方が意味的にもすっきり分かりやすいのに。神様にまつわる漢字に使われるのが示す編なのに、そこを分断された感)


私たちが、普通に使っている文字も、「当たり前」なんかでは全然なくて、

そもそも漢字を日本に輸入したところから日本の文字が始まったし、

ひらがなは漢字を崩した日本人の発明だし、

明治時代33年に「小学校令施行規則」によってひらがなは一音に対して一つの形に統一されたけど、それより前は、ひとつの音に対して複数のひらがながあったし、

敗戦でプライドズタボロになって、漢字そのものを廃止しようとしちゃった時期もあったし、


なんていうか。

私たちが、「漢字」と「ひらがな」と「カタカナ」を今使えているのは、それを輸入してくれたり、発明してくれたり、守ってくれたりした日本人の先人の必死の努力のおかげなんだなと。

今更ながら、そんなことに思いをはせたりしておりました。


文字ってすごいねー。



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