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【8月月間連載小説~こつん~】 8月20日

〇昨日の続き:オランダ2日目はスーパー見学とお花の展示会見学。晩御飯の席で・・〇

オランダで3日目の朝を迎える。7;00というのにオランダの朝は暗かった。
今日はオフの日だ。午前中、アムステルダム市内の観光をして、昼からはウィームの家に遊びに行かせてもらう予定だ。

荷物の整理もしなきゃいけないし、ホテルの朝食もゆっくりとりたい。
やはり欧米のホテルだけあって、朝からチーズとハムの量がハンパないくらいたくさん並んでいて、さすがにこれは思う存分堪能させてもらいたいなって外町さんと話していた。

出掛ける準備を完全にして1階のレストランで朝食をとる。
フルーツ、ヨーグルト、グラノーラ、ハム、パン、チーズ・・・。
これは夕方まで何もいりませんっていうほど、食べた。
(エナ)「外町さーん、、幸せですね。我ら。。」
(外町)「そうですね。いやぁ本当に。ドイツも良かったけど、やっぱりヨーロッパっていいよねぇ。」
(エナ)「それに、今回は観光だけじゃなくお花がいっぱい見れる!」
(外町)「ね。規模でかすぎ。笑」
2人とも結構なコーヒー好きだから、テラスを見ながらゆーっくりコーヒー時間を堪能した。

ほどなくメーカーの田畑さんと待ち合わせの時間になり、車でアムステルダムの中心街に向かった。

アムスの街は海抜が低く運河や風車という特徴がある。
観光といえば、LOVEという文字で出来た真っ赤なオブジェやゴッホ美術館。
私達も写真を取ったりと楽しむ。
アバクロのお店に入った時にドアを開けてくれる店員さんのモデルっぷりに
つまり、驚くほど小顔で丹精な顔立ちで足が長くて、人間はこうも違うのかと
久しぶりのヨーロッパに来てるなぁと改めて思う。


(あ、ハーリング!!!!)
ハーリングはオランダの伝統的かつ代表的な料理。にしんの塩漬けで、行く前にチェックした観光情報の常に上位にハーリングが出てきて、
絶対食べようと決めていた。


(エナ)「あの、私、ハーリング食べてみたいです!!!」
(外町)「ハーリングって何?」
(エナ)「ハーリングって生にしんの塩漬けのことで、オランダの人は街中の屋台とかで小腹がすいたらすぐ食べるらしいんです!!日本で言ったらおにぎり的な国民食かもしれません。」
(外町)「ふぅん。私はいらな・・・いかな。笑。上条さんは食べてきたらいいよ〜」
(エナ)「はい!」


早速少し行列ができているハーリングの屋台で、並んで購入する。
食べてみる。
ハーリングは思った以上にクセがなく、かといって旨味が濃いわけでもなく、
オランダの文化は日本と結構違うなぁと感じた。

世界的に有名なゴッホ美術館もしっかりと堪能した。

昼からはウィームと待ち合わせして郊外にあるご自宅にお邪魔させて頂いた。
お家は3階建てで、お庭がありとってもキッチュな感じだった。奥様とご挨拶する。お家の中を一通り案内して頂くと、なんと3階には日焼けマシーンがあった。
リビングにはショッピングモールのお花屋さんで売られていたようなミックスブーケが飾られていた。
(おぉ・・・本当にこんな大きなブーケを自宅用に飾るのね)

ヨーロッパには寒くて暗い、長い長い冬がある。
花はそういった季節に人々の家庭に明るさや楽しさをもたらしてくれる存在であり続けてきたようで、もともと生活、そして人生を楽しむことを大切にしているヨーロッパ人にとって花はまさにふさわしいインテリアであり、窓辺や街角など街のいたるところで目にすることができる。

特にオランダでは、花が飾られていないテーブルは印象がよくないというくらいかかせない文化となっている。


オランダ人が家庭の窓辺に花を飾るのは自分たちが元気をもらうだけでなく、そばを通った人に「幸せのお裾分け」をしたいといった気持ちもあると文献を読んだ事がある。


オランダ語、英語、日本語をそれぞれ翻訳してもらいながらお話をする。


話の流れで、私はお花の仕事を始めてからずっと心に感じていた事を聞いてみることにした。

(エナ)「切花って、すごく綺麗でかわいいんですけど、枯れちゃうじゃないですか。
それってすごく悲しいし、もったいなくないですか?」
(ウィームの奥様)「枯れるからいいんじゃない。」
(エナ)「え?」
(ウィームの奥様)「また新しいの、買えるじゃない。」

私はこの言葉で自分の価値観が大きく変わった。


今までは心の中には自宅に飾るお花については、
お金を出して買うのってどうせ枯れるのにもったいないなと感じていた。
親からそうゆう風に育てられていた。

お花を自宅に買う人はよほど裕福な人か、根っからの花好きの人と思って、
買う人の気持ちがなかなか理解できていなかった。

さらに

もうひとつ私は思い切って聞いてみた。
(エナ)「切花って毎日の手入れが大変じゃないですか・・。鉢物だったらお水ちょろっとあげるだけでいいんですけど。毎日茎切って、水換えしてあげてって、そんな気持ちとか時間の余裕あんまりないです」

(ウィームの奥様)「あーら。お花の面倒も見れないなんて、人として1人前とは言えないわね」


私はこの言葉で頭を殴られてたような気分になった。


自分がいかに人間的に未熟か思い知った。

お花の仕事と真剣に向き合おう
自分と向き合おう
人生をもっともっと楽しもう

人はいつだって未熟だ。

気付いた時に1つ良くすればいいじゃないか。

お花のように素直に生きればいいじゃないか。

お花のように周りを笑顔にできるような存在になったら素晴らしいじゃないか。

笑顔で生きたらいいじゃないか。


オランダでこの言葉と出会ったことが

自分を変えていくきっかけになった。

とても大きな出会いだった。

【明日に続く】


つたない文章をお読み頂き
本当にありがとうございますm(_ _)m

✳︎1話目✳︎
https://note.mu/enaenanote/n/n1412807319ff

スキ!やご意見ご感想お待ちしてます!

頑張る時は頑張って
ゆる〜くいく時はゆる〜くいこ♪
カジュアルメンターエナエナより⁎⁺˳✧

◆あらすじ◆
お花の新規事業立ち上げで
主人公の上条エナが
苦悩し人生の荒波に揉まれ
それでも必死に生きていきます。

そんな中で
とりまく環境の変化があり
そこで人との出会いや
価値観が変わるほどの経験を通して

主人公の感情の変化や
事業が成功するのか!?
失敗するのか!?
を見届けて頂けたらと思います。


たくさんの人の心の奥に

小さくてもいいから
響いてほしい

という願いを込めて


『8月月間連載小説〜こつん〜』

としました。


例えば高校球児や受験生や社会人、
何かに対して頑張って勝負している人が


よし、がんばろう!
という気持ちを保てる
8月になりますように。

楽しんでくれますように!


フィクションとノンフィクションmix。
ストーリーをわかりやすくするために
脚色を加えています。

予めご了承ください。

誰かを傷つけたり
困らせたりすることがないよう
表現には最新の注意を払って
おります。


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