編集者|不定期連載エッセイ「ということ。」|Twitterで収まらない話をnoteでします(創作の筆名「藤崎枝直」はお休み中です)

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心変わりするということ 〜その2〜|「ということ。」第23回

※その1はこちら

 恋にも葬式があればいい。死んだ恋にとらわれずに生きられるよう。またいつかと期待せずに進めるよう。出会えてよかったと思えるよう。二度と会わないでいられるよう。全身全霊をかけた恋が、たくさん泣いて傷付いた自分が、ずっとずっと安らかに眠れるよう。

 彼(ユニ)は、それはもう特別だった。カリスマというものがこの世に本当にあるのならば、ユニは正しくそれだった。何をしなくても視線を集め

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遠回りするということ|「ということ。」第22回

先日、実家に帰った。実家といっても生家ではなく、昨年母と妹と弟が越した先だ。父は福島に残り、逆・単身赴任状態。母の手術のために、会社を休んでの帰省もどきだった。

 その手術の前日、入院のあれこれを済ませ家に帰るとちょうど妹も帰ってきたばかりだった。妹は八月の終わりに二十三歳になった。大学三年生だ。私よりも器用で明るく、美人で気立ての良い妹は、二年遅れで大学に入学した。

 私たちは家族のうちで二

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悔やめないということ|「ということ。」第21回

「もういいや」と、やめたことはたくさんある。たぶん誰にでも、それなりに。例えば、バレエや英会話。書道やフルート。両親は相当のお金を使って習わせてくれたが、どれも実にならなかった。例えば、根性の悪いあいつの鼻をへし折ること、下ばかり向くあの子の顔を上げること。オリジナルの正義に自信が持てなかった。

 おそらく、こういうことごとがある場合、世間はそれを「後悔」とか「未練」とかそんな風に呼ぶ。すっきり

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不便だということ |「ということ。」第20回

いろんなことごとが私の気持ちをかき乱し、ぐちゃぐちゃとした乱暴な感情があふれるとき。ああもう最悪だと思いながら、一方で、心地よさがあるのはどうしてだろう。

 例えば、今。自分勝手な周囲、自分の将来、両親の健康、金銭的な余裕、そんな、考えているだけではどうしようもない不安が立ち込める胸の中で、けれど私は、苦しさこそあるが快適だ。ちょうどいい。こうして夜に書き物をするときはなおさら、すこし気が触れて

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失うということ 〜映画『光』を観て〜 |「ということ。」第19回

※ネタバレには配慮していますが、何も知らずに観たい!という方は読まないことを勧めます

 大事なものほど、失うのは怖い。大事なカップが割れると、人はさっと青ざめる。大事な人に嫌われると、胸のあたりがズキズキする。けれど、生きているうちは失い続けるしかないのだ。命が尽きるそのときまでに、「得た」と実感する何倍も「失った」と感じるだろう。

 昨日、先月から気になっていた『光』を観た。河瀬直美監督によ

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